自動テープ起こしソフトは使えない
会議や取材で録音したテープを、自動で書き起こしてくれるソフトウェアはないかと、探してみたことはないだろうか。人と話すと魂を吸い取られたように疲れてしまう私にとって、「話し声をラクして文字に起こす」は永遠のテーマ。
長年にわたって、音声文字起こし・自動テープ起こしソフトの検証を重ねてきた。
しかし、ぶっちゃけ、使えるソフトは一つもなかった。
高いお金を出してソフトを購入しても、録音テープをパソコンに読み込ませ、再生ボタンを押して文字を起こすと・・・あ~らびっくり!! 話の内容とは似ても似つかない文字の羅列が現れるのであった。
特に、中途半端な人工知能が組み込まれていたりすると、一つのワードから話の内容を勝手に想像してくれるのか、「自己」⇒「事故」と誤変換して、犯罪用語がふんだんに盛り込まれた、おぞましい文章が出来あがったこともある。
私がほしいのは、誤字脱字を少し修正する程度ですむ、音声入力システムだ。
驚異の進化を遂げていた Googleの音声入力システム
そのニーズを、突如としてかなえてくれたのが、Googleドキュメントの音声システムだ。マイクに向かってしゃべるだけで、驚異の変換率で日本語の文章を仕上げてくれる。
このシステムをパソコンで使用する場合、Google Chromeのブラウザを使用することが前提となる。Firefoxなどでは使えない。
さらに、パソコンのマイクを「オン」にするか、マイクを使用する必要がある。
私が使っているマイクは、ヘッドの部分が壊れやすい、リーズナブルなこちらの商品。高いマイクでなくてもOKだと思う。
Googleドキュメント音声入力システムの使い方
- Chrome ブラウザで 「Google ドキュメント」のドキュメントを開きます。赤いマークをクリックすると、新規ドキュメントが開きます。
- [ツール] ⇒ [音声入力] の順にクリックすると、マイクのボックスが表示されます。
- 話す準備ができたら、マイクのマークをクリックします。マイクの色がグレーから赤に変わったら、録音できる状態です。
- マイクを口の近くに持っていき、ゆっくり目にはっきりと話します。
- 文章を作成し終わったら、ブラウザに保存されていますが、「ファイル」⇒「形式を指定してダウンロード」で、Wordやテキストで保存することができます。
音声入力の精度について
では、どのくらいの精度で文字起こしができるのでしょうか。
こちらの文章を読み上げてみます。
香港で急性膀胱炎になりかかる日本人観光客は、多いらしい。
かくいう私も、何度、膀胱が破裂しそうになったことか。
香港の室内は、どこも冷房がかなり効いている。昔は、各家庭に冷房がなかったことから、冷房をキンキンにきかせることが、伝統的なサービスの一環になっているらしい。
設定温度はだいたい5度。冷蔵庫の中にいるような冷え冷えのレストランで、飲茶だなんだと水分をガブガブ摂取していると、トイレが異常に近くなる。
文字にされた文章はこちら。
誤字は、 「膀胱」が「方向」、「ガブガブ」が「株ガム」の2か所だけ。(ちなみに私は、滑舌があまりよくない)。
これなら備忘録としては十分だし、提出書類をまとめる際も、修正の手間は多くない。
ただし、句読点と改行は、後から自分で加えなければならない。
テープ起こしのベストは、復唱+Google音声入力システム
私は、この音声入力を応用して、テープ起こしをしている。
ICレコーダーに録音したものをイヤフォンで聞きながら、マイクに向かって復唱する。
1時間程度の録音内容であれば、この方法がもっとも効率的だ。
梅雨の季節、なんだか疲れて手がだるい。長文のブログを書く気力がない。そんなときは、この方法をお試しあれ。