こんばんは。Open Iceの放送を待ちながら、ブログを書いている種子島ぴーです。
ブログ書くより、仮眠を取るべきなような気もする(笑)
さて、おとといのロシア・トゥデイに、
「タラソワ女史が、女子4回転ジャンプに制限を設けるISUの姿勢を批判」という記事がありました。
内容を確認してみましょう。
「ISUは、女子の大会で4回転ジャンプに制限を設けて、選手がショートプログラムで難しいジャンプを跳ぶことを禁止しました。これは、スケート競技を40年後退させること」と、ソビエト連邦およびロシアのフィギュアスケートの“レジェンド”タチアナ・タラソワは話します。
「何事も禁止すべきではありません。女子のSPで4回転ジャンプを許可する必要があります。許可すべきです。スケーターに自分の能力を最大限に引き出させることが、スポーツの発展につながるでしょう。なぜ禁止すべきなのですか?そんなことをしても、勝利や成功はありません。なぜ、フィギュアスケートの針を40年前に巻き戻すのですか?」
現在のISUの規定では、ロシアのアンナ・シェルバコワやアレクサンドラ・トゥルソワなど、数人のスケーターのみが跳べる4回転ジャンプは、女子ではフリーのみで行えます。
この厳格なルールについてフィギュアスケート界では激しい議論が巻き起こり、多くの専門家は、女子スケートにおけるロシアの支配を終わらせるために、その件を扱っています。
「ISUの選択は間違っていると思います。フィギュアスケートの未来を、レベルの低いスケーターを基準にして考えるべきだとする人たちがいます。個人的には、私はバー上げられることを望みます」と、タラソワは述べました。
より多くのスケーターがジャンプ技術を習得し、技術を大幅に向上された後、4回転ジャンプは、フィギュアの差し迫った問題になりました。
これまでのところ、国際大会で安定して4回転ジャンプを着氷しているのは、エテリ門下のスケーターとアリサ・リウだけです。
女性スケーターの(シニアの)年齢制限を上げることに賛成している批評家の中には、「若いスケーターが激しいトレーニングによって体を限界まで酷使することで、健康に悪影響を及ぼす」という理由で、ISUに「4回転を全面的に禁止するように」と提案する人もいます。
いろんなところで、何度も繰り返されてきた議論ですが、
時間があるので、また考えてみたいと思います。
最初にことわっておくと、私は正解を持っていません。
医学の知識もないので、完全なシロウトの観点から、素朴な疑問を述べさせていただきたいと思います。
SPだけ禁止しても、意味ないのでは?
ジュニア男女とシニアの女子は、SPで4回転ジャンプを跳ぶことを禁止されています。
でも、フリーではOKです。
全然意味がないと思います。
なぜなら、試合で4回転ジャンプを跳ぶ回数は、ネイサンMAXチェンでさえ、ショートとフリーを合わせて7回です。
6分間練習で跳んだとしても、合計20回以下。
問題は、普段の練習ですよね?!
私が選手なら、フリーで4回転ジャンプを入れられて点数も稼げるなら、毎日バンバン練習します。
それが体に負担を与えるのではないでしょうか。
記事でも触れていますよね。
「若いスケーターが激しいトレーニングによって体を限界まで酷使することで、健康に悪影響を及ぼす」って。
ですので、若い女子スケーターの健康を守るという理由なら、ショートとフリーの両方で4回転ジャンプを禁止し、尚且つ、練習で跳ぶことも制限する必要があります。
「練習で4回転ジャンプを跳ぶのは禁止。大会でのぶっつけ本番のみ許可します」なら、わからないでもない。
別の意味でデンジャラスではあるが。
確かにケガする人は多い
「高難度ジャンプの練習が体を壊すことにつながる」という意見については、否定できないところがあります。
脚や足首のケガはもちろんですが、私が特に感じるのは、
「背骨を傷めるフィギュアスケート選手が多い」ということです。
ケガで引退したアンナ・ポゴリラヤ選手やソトニコワ選手などなど。
引退を表明したばかりのソトニコワ選手についてスプートニク日本の記事では、
https://jp.sputniknews.com/figure-skating/202003027235518/
【ソトニコワ、背骨に6本のねじを打ち込む】
背中には今、2つのインプラントが埋め込まれており、これがプレートを接合している。そしてこのプレートを背骨に打たれた6本のチタン製のねじが支えている。
読んだだけで怖くなります。
また、ソチオリンピックでの不確かな記憶では、
男子SPの公式練習中に、プルシェンコの背骨のボルトがはずれて、個人戦を棄権したんじゃなかったでしたっけ?
私の勘違いだったら申し訳ないですが、「えーーー、はずれたらどうなっちゃうのぉぉ」と、驚愕した覚えがあります。
女子はNG、男子はOK
シニアに関して言えば、4回転ジャンプは男子のみショートでOKで、女子はNGです。
これは、将来の母体への影響ということなのでしょう
か。
「フィギュアスケートのジャンプの体への衝撃は、体重の5~8倍」とのことです。
5倍と8倍ではぜんぜん違うので、そこは軽く流すとして、仮に8倍とします。
体重50キロの人は、400キロの衝撃があり、
体重55キロの人は、444キロの衝撃がある。(この解釈であってますかね?)
ザギトワ選手が、「4回転を跳ぶには、体重を3キロ減らす必要がある」と言ったのもうなづけます。
ただ、体重50キロの女子選手が400キロの衝撃があるなら、
体重70キロの男子選手は、560キロの衝撃があることになります。
だったらむしろ、男子シニアの4回転を禁止にすべきでは?
骨とか筋肉とか男女の違いはあると思いますが、わかるようでわからないルールです。
それとも、未来の母体への影響とか?
ジュニアの成長期
引き続き、医学知識のないシロウトの観点からの疑問ですが、
ジュニアのSPでは、女子は3A禁止。男子は3Aオーケーです。
で、ジュニアの資格年齢は、ざっくり13歳~19歳。
高難度ジャンプによって「成長期で身長が発達する時期に、背骨に負担がかかると危険」、「骨格が出来上がっていないときに、衝撃がかかると危険」というのは、理解できます。
ただ、一般的には、男子よりも女子のほうが成長期が早く来るのではないか??と。
いや、ほんと、医学の知識がなくてテキトーなことを言っているだけなんですが、なんか妙なルールだなと思うわけです。
ジュニア女子が、「SPでは3回転半が禁止されているのに、フリーでは4回転が跳べる」のも、よくわからないルールです。
結局のところ
こうやって考えていくと、女子のSPで4回転ジャンプを禁止するのは、無理があるように思います。
ジャンプが体に衝撃を与えることは事実だと思いますが、ISUのルールには、筋が通っていないからです。
能力を向上させようとする選手をはばむことは、スポーツの精神に反すると思います。
浅田真央ちゃんが果敢に3Aに挑戦していた時期、長い間、女子のショートでは3Aを禁止されていました。
それは、明らかに試合での不公平を生んでいましたが、2010年に解禁されたとき、明確な理由の説明はなかったと思います。
女子の体型に生物学的な変化があったという話も聞きません。
結局のところ、医学的な背景があいまいにされながら、政治的な駆け引きでルールが変わっていく。
現在も、エテリ門下生が表彰台を独占していることと、女子ショートで4回転を解禁しないことには、心理的な関係があると思います。
女子スケーターが4回転ジャンプを跳ぶのは危険。
だったら、男子との違いは何か?
どういう基準でどこに線引きをするのかを明確にしないと、
やれることを禁止される女子スケーターが、悔しい思いをさせられるだけだ。