オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

【翻訳】ロシアスケート連盟、女子SPで4回転許可を提案

こんばんは。あまりの寒さに、ついにコタツを出した種子島ぴーです。

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怠けもの路線、まっしぐら

さて、ロシアの4回転女子が、優勝を総なめにしたグランプリシリーズ。

動きの素早いロシアスケート連盟が、「女子のショートプログラムでも、4回転ジャンプを許可しましょう」という議題を、国際スケート連盟に上げたようです。

 

(現在、シニア女子とジュニア男女は、SPで4回転ジャンプを跳ぶことが認められていません)

 

みなさんは、この件について、どう思われますか?

私は、まだ意見が固まっていません。

いろいろな意見を聞いて、これからも考えが変わるかもしれません。

 

ただ、ショートで禁止されていて、フリーで許可されているのはおかしいと思っています。

身体への負担を考えて禁止しているのなら、フリーの演技に入れるほうが大変だし、フリーに入れるために、普段から練習しますよね。

 

女子のジュニアで、ショートでは2Aしか跳んでいないアリサ・リウ選手が、フリーでは3Aも4回転ルッツも跳んでいるのを見ると、何のための制限なのか、何のための許可なのか分かりません。

 

かつて、女子のSPでは、3Aが跳べない時代がありました。

結局のところ、政治的なもののように思うのですが、どうなんでしょうか。

私の知らない考え方もあるかもしれないので、ご一緒にジャパン・タイムズの記事を読んでいきましょう。

↓こちらの記事より、該当部分を訳させていただきました。

Masakazu Kagiyama helping his son pursue an Olympic dream | The Japan Times

ロシアのスポーツメディアによれば、ロシアスケート連盟は、先週、ISUに「女子がショートプログラムの中で4回転ジャンプを跳ぶのを許可する」ことを考慮するように提案しました。

次回のISU総会は、2020年の夏にタイで開かれる予定で、そこで提案を受け入れるかどうかが決定される見込みです。

 

今シーズン、グランプリシリーズのすべての大会で、ロシアの女子選手が優勝しています。

ですから、「競争上のバランスとして、これがいい案なのかどうか」という疑問もあります。

ICE TIMEは、何人かのスケート界の著名人に、この提案についての意見を聞いてみました。

 

「許可すべきです。流れを止めることは出来ないと思います」と、日本の有名コーチはメールで意見を寄せました。

「しかし、シニア女子とジュニアの男子にだけ、ショートプログラムでトリプルアクセルを許可すべきで、4回転ジャンプはジュニアの男子とすべきです☜ちょっと意味がわからないので、書き間違いか? 

 「SPでは、シニアの女子には4回転を許可するが、ジュニアの男女はトリプルアクセルのみ」または、「シニア女子とジュニア男子には許可するが、ジュニア女子は禁止のまま」という考え方はできるかもしれません。

著名なライター、フィリップ・ハーシュ氏は、この件について興味深い観察眼を披露します。

「ショートで4回転ジャンプを許可しないことで、すべての大会でジャンプによって勝敗が決まるのを、抑止すると考える人もいます。

カナダ大会でトゥルソワが、ショートでの紀平の大きなリードを、フリーの4回転ジャンプでひっくり返してしまったとき、その理論が芽生えました。

紀平がミスをしたことは知っています。でも、完璧なフリーを滑ったとしても、トゥルソワを阻止できなかったでしょう」。

 

彼はこうも言います。

「天才トゥトベリーゼコーチの(優勝者を送り込む)終わりなき勢いが、女子のショートで4回転ジャンプを許可するという提案を、却下する要因になる可能性があります」

 

「スケート界は、エテリ工場のベルトコンベアーが運んでくる次を見ています。

今年のモデルであれば、12歳のSofia Akatyeva。(☜彼女は4回転+3回転を跳びます)。彼らの仕事を妨害しようとする人もいるかもしれません。ショートプログラムで4回転を許可すると、逆効果になってしまいます。反対票を投じると、反ロシアとみなされるかもしれません」。

 

「変化は避けられないと思いますが、次のオリンピックが終わるまで待つべきです」

なぜ次のオリンピックまで待つのか?

今すぐだと、ロシアの独壇場になってしまうから、ほかの国が策をねるまで待つのでしょうか?

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ISUのアナウンサー テッド・バートン氏も、メールでこの件について考えを聞かせてくれました。

「ショートで4回転ジャンプを跳びたいという人は多いでしょうね。彼らの生徒は4回転を跳びますが、多くの他のスケーターは、跳ぶことができませんから」

もっともです!!

「問題は、哲学的です。

競技であるにもかかわらず、現時点では跳べない人のために、身体的能力を制限するためのルールを求めるのか。

または、力のあるものが、できることを追求するのを認めるルールを作るのか」

できるものに合わせるのか、できないものに合わせるのか…確かにね。

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「もしも、テクニカルプログラムとアーティスティックプログラムに分けるのであれば、間違いなく、4回転ジャンプを跳ぶ道は開かれるべきです。彼ら(連盟)がどのように考えているのか、背景を十分に理解していないのですが、そのうち明らかになるでしょう」

「北京オリンピックでは、技術部門と芸術部門に分ける」みたいな話が以前ありましたよね。北京には間に合わないと思いますが、それと関係あるのかな?

USAトゥデイのコラムニストで、スケート関連のベテランライターであるクリスティン・ブレナン氏は、「女子のSPで4回転がOKになったら、芸術性が犠牲になるのではないか」と懸念しています。

 

「ロシアの若手女子のほとんどが、4回転ジャンプを跳べることを考えれば、ロシアの連盟がこの改革を後押しするのも当然でしょう。

電車はすでに駅を出ています。結局のところ、これはスポーツなのです。しかし、現実になったら、また、私たちは嘆くことになるでしょう。フィギュアスケートから、芸術性が失われてしまった、と。」

 

「審査員が、コンポーネントスコアを、テクニカルスコアから分けて考えることを忘れないように願いましょう。それが、スケーターとフィギュアスケートの両方を、息の長いものにするでしょう」と、クリスティン・ブレナン氏。

 

我々は、女子のショートプログラムで4回転を許可することは、国勢だけの問題ではなく、健康の問題だと考えます。

身体が成長途中である若い女性に、さらに4回転ジャンプを跳ぶことを奨励する必要はありますか?

これは、フェアな質問だと思います。

 みなさんは、この問いについてどう思われますか?

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「身体が成長途中である若い女性に、さらに4回転ジャンプを跳ぶことを奨励する必要はありますか?」

 

そして、ロシア女子の勢いを止めるために、他国の連盟が女子SPの4回転ジャンプに反対するとしたら、どのような理由づけができると思いますか?

 

「ショートは演技時間が短いから、4回転ジャンプの助走時間があると、他の要素がこなせない」とかね(笑)