こんばんは。九州の豪雨被害が拡大していて、気がかりな種子島ぴーです。
東京も、新型コロナの新規感染者数が増えて、電車に乗っていても見えない恐怖を感じます。
さて、そんな電車の中で読んだ、日刊スポーツの長光歌子コーチのインタビュー記事に、
「人間性というのは、とっさの時、マイナスのことが起きた時の態度に出る」というお話がありました。
ジャネット・リンの振る舞いが長光歌子氏の考え確立 - 色あせぬ煌めき - スポーツコラム : 日刊スポーツ
一つ目のエピソードは、「札幌オリンピックで尻餅をついたジャネット・リン選手が、立ち上がって笑っていた。作り物ではなく、自分の中からわき出てくるような笑顔だった」というものでした。
「ジャネット・リン選手が尻餅をついた」という話は、父が昔よく話していましたが、転んでも笑顔だったことで、日本中の人を虜(とりこ)にしたようでした。
二つ目のエピソードは、初めて知ったエピソードでした。
2002年のソルトレークシティー五輪のアイスダンスでも、ビクター(・クラーツ)が最後の最後にバランスを崩し、シェイリーン(・ボーン)ともども転んでしまいました。あの時もビクターにキスをして立ち上がった、シェイリーンの笑顔がすてきで、彼女の人間性に震えました。(長光コーチ)
活字で読んだだけでも鳥肌が立ったので、当時の映像を見てみました。
当時のシェイリーンとビクターの関係がどういうものだったかわかりませんが、
演技前、名前がコールされる前に、
ビクターを見つめるシェイリーンの表情が素敵。
These were quoted from YouTube”3Axel1996”.
信頼感に満ちています。
「オリンピックで銅メダルが獲れるチャンス!!」という場面でしたが、
シェイリーンはとてもリラックスして滑っているように見えます。
が、ビクターはちょっと緊張しているようで、途中から疲れも見え始めました。
なんとなく、足元が…重たい‥足がもつれそうになっているシーンも…
そして、最後の最後に、あ、あぶなーい!!
These were quoted from YouTube”3Axel1996”.
ビクターの足がもつれて転び、
シェイリーンも一緒に倒されてしまいます。
These were quoted from YouTube”3Axel1996”.
こういうとき、あなたなら、どうしますか?
私なら、凍り付くと思います。
なんてこったい!!4年間の努力が!!相手に責められたらどうしよう?!
実際、パートナーがミスをして、険悪な雰囲気のキスクラもありますよね。
しかし、シェイリーンは、子どものような笑顔を浮かべて、
ばんざーい!!と氷の上に寝ころんじゃいました。
These were quoted from YouTube”3Axel1996”.
そして、先に立ち上がると、ビクターにキスをして、起こします。
すごい人間性です!!
曲はマイケル・ジャクソンメドレーだったので、
寝ころんだフィニッシュポーズもありだと思いましたが(笑)
「ジャッジは、フィニッシュが予定通りでないことを知っています」と、無情な解説が。
そして、今とは比較にならないほどアンフェアジャッジだった時代。
露骨な減点です。
キスクラでは、隣にタラソワ女史が座っていました。
が、カメラマンも怖くてレンズを向けられなかったのか、表情は映っていません。
「人間性は、マイナスのことが起きたときの態度に出る。」を考えると、
最近の宇野昌磨選手は、転倒しても「ニヤリ」としたり、天使のように微笑んでいることが多いと思います。
ノーミスとはいかなかった全日本選手権のフリーについても、「失敗も楽しむことができた」と話していました。
また、昨年のフランス杯のように、これでもかっていうくらい転倒した試合でも、
転んで立ち上がるたびに、攻めの表情が強くなります。
疲れたりしょんぼりしたり、勢いが落ちていく選手もいる中で、
昌磨は、転ぶごとに目の中の光が強くなるんです。
そういう意味では、観戦者としては、「失敗したときに昌磨がどう振舞うか」も楽しませてもらっている。
成功してもうまくいかなくても、昌磨の演技は見る価値があると思います。
そして、長光コーチの同志だった高橋大輔選手のシングル最後の演技。
10月末に左足首を痛めて、調整が遅れていました。
みんなが期待しているような滑りはできないと、本人にはわかっていた。
けれど、満員の観客の前に出てきて、ボロボロ(本人談)の演技であっても、
すべてをさらけ出しました。
欠場されたら、がっかりだったと思います。
「みじめな気持ちの中でも出ていく。それを経験できたことはすごくよかった」
「ほんとだったら恥ずかしくてできないだろうなって中で戦った。プライドを捨てて人前で滑るのは、昔ならできなかった」(時事通信)
逃げ出したくなるような場面で、「みっともなくても出ていく」という強さ。
その潔さに、失敗してなお、ファンはますます惚れるのだと思います。
さて、私自身は、マイナスの出来事が起こったとき、
自分でも予想外の行動を取ることがあります。
数日前に起こった、しょうもない出来事を書いてもよろしいでしょうか?
先日、地下鉄のホームに降りたときのこと。
地上階に続く長いエスカレーターに乗りました。
人はまばら。
私の前に立った男性の足取りが、酔っ払っているようだったので、
「上から転げ落ちてきても怖いな」と思った私は、
少し間隔をあけてエスカレーターに乗りました。
もう少しで終点につく・・・というとき、
前の男性が、エスカレーターに立ったまま、おしっこをしているではありませんか!!
水道の蛇口のように、ジョボジョボと落ちるそれを見た私は、
とっさに方向を変え、エスカレーターを逆走して駆け下りました。
後ろに二人ほど人がいて、不思議そうに私を見ていましたが、
マスクをしていたし、「前の人がおしっこをしているんです」とも言えず‥
あのときの私の態度は正しかったのか、答えが出せずにいます。