こんばんは。イタリア杯1日目を見終えて、ヘロヘロな種子島ぴーです。
が、男子シングルが、俄然おもしろくなってまいりました!!
ほかのGP大会に比べて、“し烈な戦い”の盛り上がりに欠けるのではないかと想像していましたが、まったくもって失礼な予想でした。申し訳ありません。
男子の試合で感じたのは、国を代表する誇りと使命感でした。
今大会は、もともと中国開催の中国杯でしたが、イタリア杯に変更となりました。
すると、中国代表のボーヤンとユドン・チェン、
イタリアを背負うダニエル・グラッスルが、あっと驚く演技を見せたのでした。
プレッシャーに弱い私は、ここ一番で驚異的な力を発揮した彼らに感服しました。
地上波放送のない地域の方にむけて、一言コメントで流れを追っていきますと・・・
トップバッターは、中国の新星ユドン・チェン。
ジュニアから上がってきた選手です。
ハン・ヤンと突然交代したので、うーん…と思っていましたが、
4回転ジャンプが跳べるからなのかなーと。
GOEが2.49も付く完璧サルコウをばしっと決めました。あー、びっくり。
シニアデビュー戦で78.79です。
曲は、ボーヤンとヴィンセント・ジョウがかぶっている『グリーン・ディスティニー』に似ているのですが、
同じく中国武術系映画『HERO』のサントラで、『グリーン・ディスティニー』と同じタン・ドゥンの作曲です。
中国選手なのでコリオはローリーかと思ったら、シェイ=リーン・ボーンでした。
続いて、ドイツ皇帝ことポール・フェンツ。脚に力が入らないのでしょうか?
ジャンプの着氷に持ちこたえられないようでした。
コロナ前は、転倒しない選手だと思ったのですが。残念な結果でした。
次は、イタリアのフランジパーニ。
余談ですが、今回のカメラは、演技開始時に、選手の顔をドアップにしすぎだと思いました。女子ならば、ファンデーションがはげた毛穴まで、フランジパーニ選手も、鼻の穴の奥の奥まで映されて、ちょっと、どーなのかと・・・
話を演技に戻すと、ここのところ調子がよかったはずのフランジパーニ選手ですが、
試合中にジャンプの跳び方がわからなくなってしまったようで、全滅していまいました。よくあることですよね。繊細なスポーツです。
リンクから上がると、コーチに抱き着いて号泣していました。
母国開催なのに、無念だったと思います。最下位に沈みました。まだフリーがある!!
そして、我らが友野一希の登場!! もちろん、『ニュー・シネマ・パラダイス』。
おっ?? スタート位置で、ポーズを忘れてしまったのか?手足を入れ替えていました。
見ている私も緊張(笑) 前奏が長いプロでよかったです。
4Tをふわりと決めて、少し考えてから2Tを+。
4Sも、着氷のフリーレッグがすれすれでしたが、セーフ!!
鳥肌もののトリプルアクセルは、GOE2.29!! 今まで見たなかで一番美しいアクセルでした。
表情がすばらしい!!リプレイ見たら、泣けてきますよ。
ステップも情感たっぷり!!なのにレベル3…
最後のスピンがヨレヨレ気味だったけど、すばらしい演技で、本場の「ブラヴォー」いただきました😆
演技が終わって「ヤベェ」って言っているように見えました。
続いては、ロシアのミハイル・コリヤダ君。
曲はもちろん、『くるみ割り人形』。
冒頭の4T+3Tの軸が細すぎて、格の違いを感じました。これぞ噂の“コリヤダ軸”。←そんなものはありません。GOE2.59。
次の単独4Tで、スローモーションのように美しく氷の上に倒れました。美しすぎたので、転倒したことにジャッジも気づいていないと思います。
アクセルは、若干ひやっとしたけれど、GOEはやや付きすぎか?!
スピンは、レベル4の評価以外は受け付けない、超一級品です。
演技中にここまで隙のない選手って、他にいないのではないでしょうか。0.1秒も気が抜けた瞬間がない。木の人形&王子様になりきったコリヤダ君でした。
92.30で90超えなのに4位です。
第一グループのラストは、調子を上げてきたペーター・グメンニク。
私は表彰台もあるかと思っていましたが、ジャンプに苦戦してSP9位。
180cmくらいあるのに、きりっとしたノーブルな演技をする選手で、私は好きです。
フリーで爆発してほしい。
第二グループのトップバッターは、デニス・ヴァシリエフス。
今回私が大注目したのは、指先の美しさです。
ここまで神経が行き届いているなんて、驚嘆します。
どの瞬間も美しいのですが、ジャンプで着氷した後の指先まで美しいなんて!!
腕の広げ方とか、ランビ伯爵にそっくりになってきましたね。
そして、鍛えられた体幹によって、打楽器のリズムに合わせたステップで、美しい“ため”があるんです。
その“ため”に、衣装のひらひらとポニーテールのひらひらが連動して、うっとりしました。
衣装も素敵。デニスとランビ伯爵の美意識が凝縮されたプログラムでした。
続いて、ジュンワン・チャ。
アジアン・オープンから短期間で、別人のように磨かれてきました。
オリンピックシーズンに照準を合わせてくるのは、さすがです。
すばらしい4回転サルコウを決めて、95.56でコリヤダ君の上、3位につけています。
そして、一番の驚きは、ボーヤン・ジぃぃぃーン!!
アジアン・オープンのときは、盲腸で入院していた直後ということで、ジャンプが跳べなかったのですが、
それよりも、ヴィンスと曲がかぶっている『グリーン・ディスティニー』が、未完成というか、コリオに特徴もなくて、これはキビシイだろうと…
しかし、こんな短期間で、スーパースーパー大変身でしたよ!!
ボーヤンと言えば、4回転ルッツ。
ということで、冒頭の4回転ルッツのコンビネーションをばしっと決めて、基礎点15.70+GOE 2.46。
続く4回転トゥもがっつり加点の付く美しいジャンプ。
アクセルも高かったー。すべてのジャンプを決めると、会場から悲鳴が!!
ジャンプがすべて決まると、ステップや所作にも余裕が生まれ、今日のボーヤンは美しかった。
コリオに、少し中国武術的な要素も。フリーもこのままいけば、完全復活ですね。
そして、ドミトリー・アリエフ。
4Lz+3Tと4Tの2本の4回転を入れる予定でしたが、
ルッツは決まらず、トゥループは3回転に。アクセルも2回転になってしまいました。
チームのインスタのコメントを読むと、どうやら、公表していないものの、何か問題を抱えているようです。演技中の苦悩の表情が秀逸なのが、心痛む。
頑張れジーマ!!才能あるスケーター。
フリーで、少しでも納得できる演技ができますように🙏
続いて、開催地イタリアの期待を背負ったダニエル・グラッスル。
彼にも驚きました。いかがなものかと心配していた『ホワイト・クロウ』ですが、
足先のノビなども美しくなり、チャレンジャー大会の後、急ピッチで修正してきたようです。特訓するリショーさんの影が見えます(笑)
4回転ルッツも決めて、会心の出来に、フィニッシュと共にガッツポーズが出ました。
フリーでジャンプの好調さを維持できれば、表彰台に乗れるのでは。
95.67のシーズンベストに、本人もコーチも目をむいて驚いていました。
ラストは、今大会の大本命、鍵山優真!!
ゴーゴーゴー!!
と思ったけど、スタート前の顔が、ゆまちじゃない(驚)
緊張しているのか、別人のような顔ではありませんか。
もしや・・・
4回転サルコウの着氷でズルッとなってしまいました。どんまーい!!
続く、4回転トゥのコンビネーションジャンプは、体が開いて3回転になり、セカンドをつけられず。どんまーい!!
最後のトリプルアクセルは、自慢の膝で安心着氷。おっしゃー、よかったー。
『ホエン・ユー・アー・スマイリング』のタイプの曲は、ジャンプが成功しなかったときに、本人も会場も緊張してしまうリスクがありますね。
でも、ほんと、軽いひざ。ロケットの中の宇宙飛行士のような無重力感があります。
ステップで、スキップしながら回転していくところ好き。
大丈夫です。フリーで逆転優勝します。
鍵山優真をなめんなよ!! 誰もなめてないと思うが(笑)
「2年目のジンクス」とか書くなよ!!
ということで、順位はこちら。
大接戦なので、フリーですべてが決まりそう。
楽しみすぎます。