オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

全米男子SP宇宙での戦い

こんにちは。朝から、ものすごいもの見ちゃいました。

全米選手権男子SP。呼吸ができないというか、O2がないというか、これはもう宇宙空間。

「無重力をナメてました」(by前澤友作氏)ってことで、見終わってから爆睡しました。

 

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さて、リンクに最初に侵入した地球外生物は、イリア・マリニン17歳。

ジュニアで数々のタイトルを取ってから、満を持してこのタイミングでのシニアデビュー。

きゃー!!

 

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最初の4回転ルッツがGOE4.11。3回転かと思いました。

4T+3Tも3Aも、長い手足をキューンと絞って、危なげなく回転します。

セカンドジャンプなんて、手を上げて回転しちゃいましたよ(笑)

 

しかも、ロシア方面出身の両親仕込みの美しいポージング。スピンもステップもレベル4で、粗さがまったくないんです。表現力が未熟なわけでもない。

得点は、当然の103.46。

 

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観客も、やんや、やんやの大喝采。

アイドルみたいなキュートな顔だし、米国男子御三家(ネイサン、ヴィンス、ジェイソン)が引退したあとは、彼に人気が集まりそう。

好きな選手は、ネイサン・チェンと羽生結弦(by解説)

「並外れた演技、並外れた得点、並外れたスケーター」(by解説)

 

この100点超えに沸く空気の中、4回転なしで挑む第2の地球外生物は、大雪による長旅でお疲れのジェイソン・ブラウン。

 

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完璧に演じて加点とPCSで稼ぐしか道はない。一つでもジャンプを失敗したら、マリニンに引き離されちゃいますよね。めちゃくちゃ緊張しましたよ。

 

そんな中、すべてのジャンプを加点バリバリで決め、名作『シナーマン』を演じていくジェイソン。何度も全米を戦ってきただけに、精神力がすごいです。

 

流れるようなスケーティングは別格。氷の上からわずかに浮いたように、ツルッツル飛んで進んでいきます。

最後のコンボをやや詰まり気味ながら降りたら、あとはもうジェイソンの独壇場。

ツルツル、クルクル、すべすべと、ものすごい身体コントロールでステップとスピンを魅せて、月まで飛んで行ってしまいました。

 

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「なんて演技だい!!」ってことで、フィニッシュを待たずに観客がスタンディングオベーション。

得点は、100.84。「曲の解釈」は10点満点です。

 

100点越えながら、順位はマリニンの次。技術点で10点以上の差があるので、当然といえば当然です。

 

このようなハイレベルな展開だと、SPで4回転1本をきれいに決めても、なかなか厳しい。(全カナダ大会だったらメダルを取れたと思いますが)。

今シーズン最高の出来だったカムデン・プルキネンや今シーズン好調なジミー・マも、トップには食い込めませんでした。

 

そして登場した、ネイサン・チェン!!

どうしても、私自身のレベルでの精神力や経験値で試合を見てしまうので、

「こんな空気の中で失敗したらどうしよう」と、緊張して無呼吸状態で観戦しました。

 

しかし、ネイサンは私とは違うので、心配ご無用。

 

まずは、衣装(そこから?)

 

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ロンTに黒マジックで襟を描いたのかと思うようなデザインですが、

ちゃんとジャケットになってる!!

でも、どー見てもヴェラ・ヴェラ・ウォン・ウォン先生風味ですよね??

 

「私は衣装には頼りません」「なんなら、衣装に足を引っ張られるくらいがちょうどえぇです」といった感じの強い意志にて、演じますは、『ラ・ボエーム』。

ただ、私は緊張しすぎて、優雅に楽しむことはまったくできず…

 

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会場も、水を打ったように静まり返っていました。

人々を黙らせる演技をする男、ネイサン・チェン。

なんと、この局面で後半のコンビネーションを4Lz+3Tにしてきました!!

 

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ルッツにするという事前情報はありましたが、予定構成は4T+3Tのままだったみたい。

100点越えが2人もいて、後輩のマリニン君の構成を見たら、やるしかないよね!!

こういう姿勢も含めて、ネイサンはかっこいい。

加点も含めて、4Lz+3Tで 20点以上稼ぎました。

 

ネイサンの動きって、俯瞰して見ると、ものすごく俊敏です。

そして、すべての瞬間の姿勢が美しい。崩れる瞬間がありません。

あっというまに演技が終わり、ネイサンが「ふぅぅ」と息をしたのを見て、私も呼吸を再開🤣

 

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すーーごい演技でした。

115.39.ぜんぜんOK!! 技術点だけで66.39ですからね。

 

この状況を受けて登場したのは、今シーズン絶好調の地球外生物その4。ヴィンセント・ジョウです。

曲はもちろん、『ヴィンセント・スターリー・スターリー・ナイト』。

 

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もしかすると、ネイサンのあのすごい点数を上回るのではないかというような、とびきりすばらしい演技でした。

冒頭の4Lz+3Tは、GOE5.59。朝飯前に決めたような、たっかーーいジャンプでした。

 

そして、ヴィンスの名前と同じ曲のこのプログラムは、彼ととても相性がいい。

大げさではなく、リンクに星空が見えるんです。満天の星空を駆けるヴィンスが見える。

ネイサンほど緊張せずに見れているせいか、私の心により響いたのはヴィンスでした。

納得の112.78。

 

というわけで、上位4人が100点台の宇宙対戦となっております。

1位ネイサン 115.39

2位ヴィンス 112.78

3位マリニン 103.46

4位ジェイソン 100.84

5位ジミー 91.62

 

こうなると、フリーの展開が面白く(怖く)なってきました。

  • ネイサンは、隙を見せたり守りに入れば、ヴィンスに抜かれてしまうかもしれない。
  • ヴィンスは、回転不足を避けつつ、4回転5本でネイサンにかじりついていかないと、引き離されてしまう恐れがある。

  • マリニン君は、私の薄い記憶では、フリーのほうが強い。3位だとオリンピックはジェイソンになるかもしれないけれど、2位になるか、4回転が跳べないジェイソンを大きく引き離して3位になれば、オリンピックに行けるかもしれません。

  • ジェイソンは、いつもフリーに4回転を1本入れますが、緊張して演技が崩れた例もあり。成功する確率は、どこまで来ているのか。もしも、4回転を回避してPCSで得点を増そうと考えた場合、後攻のマリニンに4回転をてんこ盛りにされたら、負ける危険があります。

  • そして、今シーズン自信を付けたジミー・マは、当然、オリンピックを狙います。

滑走順は、

カムデン・プルキネン→ジェイソン・ブラウン→ジミー・マ→ヴィンセント・ジョウ→イリア・マリニン→ネイサン・チェンとなっております。

いろいろと考えせられる順番です。

 

さぁ、どうなる!!

全日本も熱いけど、全米も熱い。

 

そして、ネイサンとヴィンスの戦いを見た昌磨は、一刻も早く練習したくなって、深夜のリンクに駆けて行ってしまうかも(笑)

 

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まだ足が万全ではないようなので、それはやめて(笑)

オリンピックに向けて、緊張が高まってまいりました!!

フリーは、本日深夜から!!


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