こんばんは。みぞれまじりの雨に打たれて冷え切った種子島ぴーです。
大雨と大風、大雪の地方もあるようで、お互いに気を付けたいですね。
さて、ヨーロッパ選手権と時を同じくして、全米選手権が開催されていました。
全日本と同じく、全米も特別な試合ですが、
今年は特に、バスケットボールの試合会場なんじゃないかと思うくらい、盛り上がっていました(笑)
女子も男子もすごかったのですが、今回は男子について。
1位 ネイサン・チェン 330.17点
2位 ジェイソン・ブラウン 292点
3位 トモキ・ヒワタシ 278点
4位 ヴィンセント・ジョウ 275点
GOE(出来栄え点)が観衆の反応で決まるという、ナイスな精神を取り入れた全米選手権。
確かに、国際大会より少し気前はよかったとは思いますが、
ショートは上位5人まで、 フリーは上位4人までの全員が、見た目ノーミスだったんです!!
若干の着氷乱れや、 回転不足判定はありましたが、
上位陣がそろってジャンプでの転倒なし。
マーベラス!!
どこの国だってどんな大会だって、ノーミスなら点数がぐぐっと上がるのは周知の事実ですよね。
あの緊張した空気の中で、大きなミスなく演技を終える選手が続出するなんて、 すごいことだと思いました。
変化に強いヴィンス
ヴィンセント・ジョウ選手なんて、
あの演技でショート4位なんて、信じられません!!
ヴィンスと言えば、濱田コーチの後押しもあって木下グループに所属した直後に、
学業のためにグランプリシリーズを辞退したので、
密かにヴィンスの身を案じていました。☜半分ほんとです(笑)
しかし、12月末にカナダのトロントに逃げて移って、
リー・バーケルとローリー・ニコルが新しいコーチになりました。
宮原選手もリー・バーケルに師事しているし、ブラウン大学とトロントは離れているし、
そのあたりの事情は、私にはわかりませんです。
しかし、ブランクがあって環境も変わったのに、適応力がすごくないですか?
SPは、3Aの着氷でひやっとしたほかは、キレのある演技。
ステップもシーズン始めより進化していたし、歌まで歌っちゃってましたよね。
ローリーが近くにいるから、コリオの手直しも随時可能なのか!?
フリーは4回転を1本に抑えたヴィンスらしからぬ構成ながら、
今回は、世界選手権の切符を取りに行くことに専念したように見えました。
ジャンプは本調子ではありませんでしたが、
大きなミスなくまとめたのはすごいです。
ネイサン、すご過ぎ!!!
そして、ネイサン、やっぱりすご過ぎる!!
特にショートプログラムは、
お手本としかいいようがないジャンプの連続でした。
文句のつけようがない。
というか、何をどう減点しろって言うの??
もう少しパリジャン風の小粋な衣装で演じてくれたら、 点数が2割増しになりそうだけど、
衣装の力は借りないんですよねー。
フリーは、着氷が乱れたジャンプはあったものの、
冒頭の4F+3Tや後半の単独4Tは、 素晴らしい!!
何よりスゴイのは、4本の4回転を跳んだ後に、 もう一度ギアを入れ直して、ヒップホップステップで弾けられるところ。
どこにそんなエネルギーが?? 病み上がりですよね??
そして、エルトンの曲を心地よく聞きながら観戦できるという、絶対的安心感がありました。
世界選手権では、もっともっと仕上げてきますよね、間違いなく。
ネイサン効果!?
ネイサンがミスをしないので、ミスをしないのが米国男子のスタンダードになったのか??というくらい、他の選手もすごい大会でした。
樋渡知樹選手は、ショート、フリーともにアドレナリン大放出の会心の演技でしたよね。
ショートは、あの出来でも5位なのか!?
ジャンプの着氷が詰まる一歩手前のものもありましたが、
普通ならあの出来だと2位か3位になる感覚ですよね。
何が普通かっていう話もありますが(笑)
フリーのジャンプは、大会全体の流れだと
もう少し加点がほしいところ。
ただ、ジャンプが逆回転なので、ジャッジによっては加点の判断が難しいのではないかと個人的には思っています。
世界選手権の切符は、ヴィンスのところへ行ってしまいました(涙)。
全米の結果だけ見ると、納得できない感じもありますが、
「世界選手権までに、ヴィンスがジャンプ構成を戻せるだろう」と判断されたのでしょう。
四大陸選手権では、表彰台に絶対乗ってほしいです。
というか、乗っている姿が見えます(笑)
ジェイソン、4T跳べてよかった!!
ジェイソン・ブラウン選手も、
ショート、フリーともに素晴らしい演技でした。
ジャンプの質が高いので、まぁ、この加点はあるのかな…と。
しかし、プログラムコンポーネンツの評価も鬼スゴでしたな(笑)
個人的にうれしかったのは、フリーに4回転トゥループを入れて、
両足着氷ぽく見えましたが、とにかく着氷したことです。
どーやったってエモーショナルな演技になることが予想された『シンドラーのリスト』。
4回転を1本も入れずに表彰台に載ったら、
どーしたって論難にさらされてしまう。
でも、入れて転倒したら、作品の世界戦が崩れてしまう。
だから、あの4回転トゥループは、とても重要だったと思います。
表彰台に乗った上位4人が(4位までメダルをもらって表彰台に立つのが米国式) 、
ショートもフリーも、見た目ノーミス。
という、すばらしい大会となった全米男子。
緊張感がマックスな中で神演技を連発するなんて、
ひと昔前の全日本選手権を思い出しました。
点数をあれこれ言うつもりはありません。
ここぞという場面で、トップ集団が神演技を見せたことに感服しました。