ヨーロッパ選手権が開かれています。
当然ながら、ロシアとベラルーシの選手は出場が禁止されているわけで、
それは次のシーズンも続く予定です。
ウクライナの多くのアスリート(もちろん一般市民も)が戦争で命を奪われている今、
当然の措置だと思います。
ですが、ヨーロッパ選手権を見ながら、
「ロシアの国際大会出場禁止」について、よくわからなくなってきました。
賛否は保留にして、事実だけ羅列すると…
- ロシア人選手は出場禁止
- ロシア出身で他国に移籍した選手は出場OK
⇒クラコワ、グバノワ、モリシ、サモイロフなど
- ロシア出身で、他国代表になった後もロシアで練習している選手は、出場OK
⇒グバノワなど
- ロシアのコーチは会場入りOK。
公式練習に参加したり、リンクサイドに立ったり、キスクラに座ったりしてOK
⇒エテリ組、ルカヴィツィン一家など(自国関係者も同伴)
- ロシアの振付師が振り付けたプログラムは、使用OK
⇒ニカ・エガーゼ、モリシ・クヴィテラシヴィリ、グバノワなど
- ロシアのデザイナーが製作した衣装は着用OK
- 他国のスケーターが、ロシアのコーチに師事しても、出場OK
⇒ダニエル・グラッスル、モリシ・クヴィテラシヴィリ、ニカ・エガーゼなど
違和感は、今回、ダニエル・グラッスル選手が、ロシアのエテリ組門下に入ったこと。
その過程で、イタリアのスケート連盟のサポートがあったらしいことを知って、大きくなりました。
ロシアがウクライナに侵攻していることを理由に、ISUの国際大会への参加を禁止している。ベラルーシは、ロシアに同調・協力しているから、同じく禁止にする。
これは、納得。
しかし、ロシア人スケーターは締め出しながら、
ロシア人コーチや振付師の力は借りてOKなのか?
ロシアを拠点に練習してOKなのか?
締め出されているのは、「ロシア」というカテゴリーの中で、「スケーターだけ」では?
多くの人の感情において、
「ウクライナ侵攻」のほかに、「ドーピング」に対する嫌悪感もミックスされていると思う。
ドーピング疑惑が晴れていないエテリ組が参加できないのは、納得感がある。
しかし、そのエテリ組で、海外の選手が指導を受けることはOKなのか?
ジャンプの指導を受けたり、振り付けしてもらうことはOKなのか?
「ウクライナ侵攻」であれば、ロシアの関係者は全面関与禁止のはず。
「ドーピング」であれば、疑惑のチームだけのはず。
しかし、「ロシア人のスケーターだけが出場機会を奪われている」という事実。
どう解釈したらいいのだろう。
よくわからないルールだなぁと思うのは、
私だけだろうか。