スターズオンアイス米国ツアーで、
元気そうなマリニン君の笑顔を見て、
ほっとしている種子島ぴーです。
きょうは、ちょっと難しいテーマで、
うまく書けるかわからないのですが、
マリニン君の件について、書いてみようと思います。
物議をかもした発言
マリニン君は少し前に、「インスタライブで、同性愛者を差別する発言をした」と、物議をかもし、批判されました。
一般的に伝えられている発言は、
「僕の演技構成点(PCS)が上がらないのは、ゲイじゃないから」というもの。
そこから尾ひれが付いて
- 性的マイノリティへの差別発言である。
- 自分のPCSが低い理由を分かっていない。
- 傲慢だ。
- (特定の選手の名前を挙げ)「J選手は、マリニンにいつも親切なのに失礼だ」
マリニン君は、すぐにインスタに謝罪文を掲載しましたが、
まずい言葉のチョイスを突かれて、再炎上。
(「ティーンエイジャーとしての間違い」とか「ジョーク」とか書かれていた気がします)
その後、米国スケート連盟のすすめで、彼は更生プログラムを受講することになりました。
騒ぎになった瞬間は、炎上を後押しするので触れずにいましたが、
一段落し、彼への誤ったイメージも拡散されつつあるので、
私なりに思うことを書いてみようと思います。
というのも、私は、あのインスタライブを見ていたので(途中まで)、
騒動に違和感を覚えたからです。
私は、ライブを見ていた
ライブのメンバーは男子3人で、
マリニン君ともう一人が自宅から、
もう一人はクルマの中から参加していました。
ライブ開始時の視聴者は、400人台。
数分たったところで、一度ブチッと切れました。
10分くらいして再開してからの視聴者は、500~600人くらいだったと思います。
ライブが始まった途端、コメント欄に、
先ごろ引退した日本人スケーターHさんに関する質問が、
Hさんのファンと思われる方によって書き込まれました。
「早速、来たか」と思いました。
純粋に自分の好きなスケーターへのコメントもしくは称賛を聞きたかったのかもしれませんが、地雷は、そこここにあったと思います。
また、数百人しかいない視聴者の一人が、ライブを録画して拡散したことも不思議でした。
マリニンのライブを見ているのは、マリニンのファンだけにあらず、です。
3人のトークでしたが、ネタの中心は、必然的にマリニン君になりました。
友「次のシーズンのプロは何やるの。クラシックやれよ。ボレロは?」
マ「クラシックはいやだよ。ボレロもやらない」みたいな話とか。
これだって、悪意があれば、昌磨のボレロと関連づけてからむこともできますが、
くだらないので、そんなことはしません。
世界選手権、国別対抗戦の後でもあり、
友「マリニン、おまえPCS上げなきゃだめだろ」みたいなイジリがあり、
そのあたりからの話だったように記憶しています。
ただ、私もはっきりと聞き取ったわけではないし、
全体的にガヤガヤと落ち着かない男子のおしゃべりだったので、
途中で疲れて聴くのを止めました。
問題の部分で、拡散されている動画を見直してみましたが、
友「イリヤ、君はストレートであることを証明する必要があるの?」
マ「は?何?どういうこと?」←友人の言っている意味がわからないと言った風に、顔をしかめて。
友「おまえ、ストレートなの?」←明らかに友人にからかわれている。
マ「あ~、正直に話そう。ストレートでいることはできないよ。プログラムコンポーネンツ(PCS)を上げなきゃいけないから、『ストレートじゃない』って言わないと。そうすれば、僕のPCSは上がる」
友「賢くやらないと」
マ「うん、賢くやらなきゃ」
(笑)(笑)
文字にすると強くなるけど、
どう考えても、友人間のバカ話で、
真剣に話していたわけではありません。
特定の選手の名前をあげたわけでもなかった。
も・ち・ろ・ん、ですよ、PCSを「ストレートかどうか」に結び付けるのはアホだし(そんなのマリニン本人だって、わかってるでしょうよ!!)、
「発言の根底に差別意識がある」と言われれば、
差別意識というよりも、誤った先入観、とらえ方があるのは、そうだと思う。
公の場で話すなと言われれば、その通り。
ただ、あの時は、誰かを傷つけているというよりも、自嘲している感じ。
むしろ、世界選手権でも国別でも、
ジェイソンやケヴィンが神演技を披露して大活躍した直後なので、
「すごいよね」っていう気持ちがあったんじゃないかと思います。
試合後の取材でも、彼はPCSを上げるとめに努力中だし努力していると話していましたよね。
マリニンがジェイソンを尊敬していることは、
先シーズンの試合やショーを見た人にはわかることです。
今後も繰り返し起きること
性的マイノリティを無意識のうちに傷つけてしまう言動は、
誰にでも起こりうるし、今後も繰り返しこのような問題が起こると思っています。
なぜなら、私自身の知識と認識も、甘く、浅く、お粗末なものだからです。
「自分は差別主義者ではない」と思っていても、
いつ不用意な発言をしないとも限らない。
たとえば、男性スケーターが女装したり、
女性を真似たしぐさ(この表現OK??)をしている姿を、
喜んだり楽しんだりするのはどうなのか。
コメディ要素にきわどいセリフが入っている映画やドラマは、
世界中にあふれています。
どんな言葉や意識が、誰をどのように傷つけてしまうのか。
時間をかけて学んで、染みついた意識を変えていくしかない。
だから、あの発言で、マリニン君を「差別主義者」「傲慢」と批判し、
選手生命まで葬り去ろうと躍起になっている人たちには、別の意図を感じました。
驚いたことに、マリニン君を批判している意識高い系(?)のはずの人の中には、
カミングアウトしているスケーターや、ゲイと言われているスケーターを、
「J子」「S子」といった「子」付けの愛称で呼んでいる人もいるんです。
名前の最後に「子」を付けるのは、伝統的に女性の名前ですよね。
海外で、ゲイの人にミスやミセスを付けて呼んだり、
女性の名前みたいにして呼んだら、大問題になるのでは?
結局みんな、そんな程度の理解度であり、そんな程度の正義感。
マリニン君の発言をきっかけに、
お互いに、この問題に対する理解を深めていきたいですよね。
マリニン君、また元気に日本に来てね。
待ってるよ。