世界選手権に続いて、すばらしい、忘れられない大会になった
世界フィギュア国別対抗戦。
男子のSPを見ているときに、ふと思いました。
「最近のフィギュアは、個性がなくなった」
「みんな同じようなプログラムでつまらない」
「ジャンプばっかり」
「もうフィギュアは死んだ」
定説であるかのように、
こういう言葉・セリフをしばしば耳にするけれど、
いったい、何の話ですか?
ここで目にする演技は、
ただ一つとして、誰一人として、同じものはない。
キーガン、マッテオ、ジェイソン、アダム・シャオ、グラッスル、エイモズ、ジュンファン、友野くん、マリニンetc.
いったい、誰と誰が似ているの?
ほれぼれするくらい、個性にあふれているじゃないか。
フィギュア、めちゃめちゃ、面白いじゃないか!!
「スケーターに個性がない」ということは、断じてない。
「ルールのせいで、プログラムが画一的になった」と言うのなら、ありえる話。
でも、私が目にしている演技、プログラムは、
どれもこれも個性にあふれて、
むしろ、個性しかないと言ってもよかった。
- 驚異的身体能力で、楽し気に超絶技巧を駆使するメッシングさん。
- ゴージャスなジャンプに、気品ある演技力を兼ね備えたジュンファン。
- 美しいラインとヨーロッパの香り漂う洗練された滑りで魅了するマッテオ君。
- 一滴のエネルギーも残さずに、氷の上にすべてをさらけ出すアダム。
- 彼にしかできない動きを、すべての音符に散りばめるエイモズ。
- 独特のジャンプ&スピン態勢で、物語の世界に没頭するグラッスル。
- 心躍るステップで、全観客をプログラムの世界へ引きずり込む友野くん。
- 驚異の跳躍力で、リンク上3メートルの空中を支配するマリニン君。
- リンクに詩を描くだけのスケーティング技術を持つジェイソン。
ここに昌磨が加わったとしても、誰も誰かに似ていない。
むしろ、百花繚乱と言えるのではなかろうか。
スケーターと振付師とコーチの不屈の精神、努力、プライド。
そういったものが、ルールに勝ったのか。
個性がルールを上回ったのか。
いずれにしても、「フィギュアがつまらなくなった」なんて、言わせない。
言う人がいたら、「最近、フィギュア、見てないんじゃない??」って思うことにしよう。