オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

「フィギュアは死んだ」って、なんの話?

世界選手権に続いて、すばらしい、忘れられない大会になった

世界フィギュア国別対抗戦。

男子のSPを見ているときに、ふと思いました。

 

「最近のフィギュアは、個性がなくなった」

「みんな同じようなプログラムでつまらない」

「ジャンプばっかり」

「もうフィギュアは死んだ」

 

定説であるかのように、

こういう言葉・セリフをしばしば耳にするけれど、

いったい、何の話ですか?

 

ここで目にする演技は、

ただ一つとして、誰一人として、同じものはない。

 

キーガン、マッテオ、ジェイソン、アダム・シャオ、グラッスル、エイモズ、ジュンファン、友野くん、マリニンetc.

 

いったい、誰と誰が似ているの?

ほれぼれするくらい、個性にあふれているじゃないか。

フィギュア、めちゃめちゃ、面白いじゃないか!!

 

「スケーターに個性がない」ということは、断じてない。

「ルールのせいで、プログラムが画一的になった」と言うのなら、ありえる話。

 

でも、私が目にしている演技、プログラムは、

どれもこれも個性にあふれて、

むしろ、個性しかないと言ってもよかった。

 

  • 驚異的身体能力で、楽し気に超絶技巧を駆使するメッシングさん。
  • ゴージャスなジャンプに、気品ある演技力を兼ね備えたジュンファン。
  • 美しいラインとヨーロッパの香り漂う洗練された滑りで魅了するマッテオ君。
  • 一滴のエネルギーも残さずに、氷の上にすべてをさらけ出すアダム。
  • 彼にしかできない動きを、すべての音符に散りばめるエイモズ。
  • 独特のジャンプ&スピン態勢で、物語の世界に没頭するグラッスル。
  • 心躍るステップで、全観客をプログラムの世界へ引きずり込む友野くん。
  • 驚異の跳躍力で、リンク上3メートルの空中を支配するマリニン君。
  • リンクに詩を描くだけのスケーティング技術を持つジェイソン。

 

ここに昌磨が加わったとしても、誰も誰かに似ていない。

むしろ、百花繚乱と言えるのではなかろうか。

 

スケーターと振付師とコーチの不屈の精神、努力、プライド。

そういったものが、ルールに勝ったのか。

個性がルールを上回ったのか。

 

いずれにしても、「フィギュアがつまらなくなった」なんて、言わせない。

言う人がいたら、「最近、フィギュア、見てないんじゃない??」って思うことにしよう。