オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ネペラ杯男子も豪華:ジュンファン、デニス、シュムラトコ。グラッスルは棄権

こんにちは。今週末は、

チャレンジャーシリーズのネペラ・メモリアル杯をチェックしています。

 

男子は、ジュンファン、グラッスル、デニス、シャイドロフ、コンラッド・オーゼルetc.と、興味あるネームが大量にエントリー。

新プログラムを初めて見るのが楽しみです。

 

うれしい驚きは、

ウクライナのイヴァン・シュムラトコ選手がエントリーしていたこと!!

ユニバーシティゲームズを棄権、世界選手権にも出場しなかったので、引退してしまうのではないかと思っていました。

 

一方、よくない予感が的中したのは、ダニエル・グラッスル選手が棄権したこと。

ゴタゴタ関連のせいか、メンタルかな…エテリコーチも来ているし…

 

女子シングルも、クラコワ、ユ・ヨン、シザース、イ・ヘインなど、

新プロを見たい選手がたくさんエントリー。

 

しかし、時間と体力の関係で、今回も男子シングルに絞って観戦です。

ちなみに、ネペラの配信も有料です😭まぁ、そうなるよね。

 

■1番滑走は、最近、目立ってきたイスラエルのマルク・ゴロニツキー。

『Moonlight Sonata』by Marcin。

4回転はなしですが、いきなりノーミスの演技で80.55。

スタートから、バーが上がりました。

 

■2番目は、米国のマキシム・ナウモフで『Glimpse of Us』。

動き出した瞬間に、もう美しい。音楽も美しくて、見入ってしまいました。

スピンも美しい。結局、すべて美しい(笑)。引退しなくてよかった。

ジャンプが決まらなかったのでSP11位ですが、フリーも楽しみです。

 

■最近、頭角を現しているカザフスタンのミハイル・シャイドロフ選手は、

練習中の怪我のために棄権となってしまいました。

シーズン今後に影響がないといいですね。

 

■で、試合は進みまして(割愛🙏)、

第二グループに、先日のジュニアGP リンツ大会で優勝したばかりの、

開催国スロヴァキアのアダム・ハガラ。

客席からの黄色い声援がすごかった。

プレッシャーに負けず『Another Love』を粛々と滑って、9位につけています。

 

■で!! ウクライナのイヴァン・シュムラトコ選手が登場。

 

 

ロシアのウクライナ侵攻以降、彼のスケートは大きく変わったと思います。

メッセージ性の高い曲と緻密な物語を表すコリオは、

強く訴えてくるものがあり、一瞬たりとも目が離せません。

 

作品としての完成度を追求しているのもあると思いますが、

「ジャンプで転倒しないぞ」という強い意志も感じます。

スピンもステップも、短期間で信じられないくらいうまくなって、

演技が待ち遠しいスケーターになりました。

 

今シーズンの曲は、『The High Pass(高き峠)』。

映画の音楽で、調べたところ、作曲はウクライナのミロスラフ・スコリンク。ヴァイオリンは、ダニエル・ホープ。ピアノは、ウクライナのピアニスト アレクセイ・ボトヴィノフのようです。

 

まったく期待を裏切らない演技でした。

磁力強めで、息継ぎ不可。

表現している世界が、リアルに目の前に現れます。

 

 

伝えたいメッセージがあっても、

表現する技術や能力がないと成功しないと思うのですが、

シュムラトコ選手には、それがある。

以前は、なかったと思うんです。伝えたいものがある、スケーターとしての使命があると思った瞬間、別次元のスケーターに自分を進化させたのは、本当にすごいと思う。

1回、1回の演技から、“覚悟”を感じます。

もっと、アイスショーで見たいです。

フリーも必見。現在10位です。

 

そして、第3グループに、優勝候補のジュンファン・チャ。

 

 

新SPが『仮面舞踏会』と聞いて、まず思ったのが「しんどそう。疲れそう」。

いろいろなスケーターが滑ってきたプロですが、

私が思い浮かべるのは、浅田真央さんのフリーとSP。そして、アリエフのSPです。

いろんな意味で、しんどい記憶がありまして。

 

ジュンファンも、前例にのっとって、公爵スタイルの衣装で登場すると思ったのですが、意外にもホワイトブラウス。

もっと鮮明な画像で近くで見たら、凝ったブラウスだと思うのですが、

若干、肩透かしをくらった気分でした。

 

しかし、滑り始めると、スピードとパワーがすごい。

音楽の大音量♪ズンチャッチャ♪ズンチャッチャに負けてない。

 

でも、やっぱり、ワルツはジャンプが飛びにくそう。

絶対に、タイミングが合わないと思った4S+3Tを決めたのは、

さすがトップスケーターだと思いました。

が、次の4回転はタイミングが合わず、パンク。

3Aは決めたけど、踏み切るタイミングを見定めていた印象です。

 

ステップもダイナミックでジュンファンらしいのですが、

初見では、『仮面舞踏会』な要素が感じられず、

むしろ、ジュンファンの良さを抑え込んでいる気がしました。

違う曲のほうが、映えそう。

って書くと、怒られそうですね。作ったばかりのプロなので、ここから磨いていくのでしょう。

衣装を仮面舞踏会の公爵風にしていただけると、尚うれしい。

キスクラでは、仮面をつけていましたが、こんな感じ。

 

 

そういえば、「審判席にもっとも接近したのは誰だ?」選手権の上位に食い込む場面がありました。

 

 

このあと、腕を伸ばすんですよね。三浦佳生選手とどっちが近い??

 

 

グラッスル君は、残念ながら棄権。

 

そして、見たかったデニス・ヴァシリエフス選手の『ハレルヤ』です。

 

 

ショートヘアになって若返った印象ですが、

衣装の胸元は、かなりマックス・アーロンでした。

*マックス・アーロン≒胸元をざっくり開けること。

 

シェイ=リーン・ボーンの振り付けで、

曲が『ハレルヤ』ということで、勝手なイメージを描いていましたが、

曲に溺れることもなく、シェイの過酷なコリオにいじめられることもなく、

のびのびと感じるままに動いているように見えました。

 

美しいけど、驚きはなかったかなぁ。

デニスに対する期待が大きすぎるのもあるけれど。

4Sの転倒が惜しかったですが、82.40でSP3位です。

 

第4グループに、ニカ・エガーゼ with エテリ・トゥトベリーゼ。

 

 

曲は、強めにアレンジした『アヴェ・マリア』歌唱トーマス・スペンサーです。

冒頭の4S+3Tの回転がとても速く、

今回の男子SPのジャンプの中では、強烈だったと思います。

ただ、曲の強めアレンジの部分に焦点が合っていて、

『アヴェ・マリア』な感じはなく、徐々に違和感が…。

フィニッシュでズルッと動いたのは、びっくりして深夜に目がさえました。

84.11でトップに立ちました。

 

■カナダのコンラッド・オーゼルは、『おお、運命の女神よ』を持ち越し。

イタリアのガブリエル・フランジパニーは、確認しなくてもわかる“ブノワ・リショー”振付のプログラムでSP6位。プログラムコンポーネンツの点が上がってきたのは、やはりリショー効果があるということか。

 

ということで、今シーズンの新プロをたくさん見られて楽しかったですが、

驚くような演技は、少なかったかな。

 

イヴァン・シュムラトコ選手の復活と『The High Pass(高き壁)』が、

本日のハイライトでした。

SP1位はニカ・エガーゼ

2位はジュンファン・チヤ

3位はデニス・ヴァシリエフスです。