オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

昌磨の演技に、近年最高に心を揺さぶられました。

言葉が出てこないほどの、衝撃。

 

かつてないほど、近年最高に、

昌磨の演技に心を揺さぶられました。

 

 

今季世界最高得点を出した中国杯よりも、断然よかった、

今日の『I Love You Kung Fu/Clair de Lune』。

 

競技の中で、ジャンプもやりながら、“表現する”という部分に全力を尽くす。

 

何度も繰り返してきたあの言葉は、こういうことだったのか。

これが、昌磨のやりたかったことなのね。

 

と、納得しました。

 

3Aを跳び終わったあたりから、ずっとプルプル震えてました。

すごい。ものすごい演技だった。

 

鍵山選手が、105.51というすごい得点を叩き出したとき、

「誰も勝てないな」と思いました。

もっと点数が出ると思ったくらいです。

(ただ、なぜか私は、ゆまちの演技とコネクトできないんです)

 

で、こういう状況で、昌磨がどう戦うのか?

「もしかすると、ジャンプが崩れて、演技も崩れてしまうかもしれない」

という、久々に緊張感高まる中での昌磨登場。

 

リンクに出て行ったとき、いつもより表情が険しく、

靴のカバーをはずす動作が荒々しく見えました。

両手の指先に、ふーっと息を吹きかけていたので、

「緊張で手が冷たくなっているのだろうか?」など思って、さらに緊張。

 

そして、動きだした瞬間、

ザ・アイスで見たときよりも、中国杯で見たときよりも、

“ただ美しい”ではない何か、が見えました。

 

そこからは、もう、昌磨の頭のてっぺんからつま先までの動きを凝視し、

息を止めて見ていました。

 

ステファンが、「この曲を聴いたとき、夜の歩道を、月明りの下で歩いていく昌磨が浮かんだ」みたいなことを、どこかで言っていたのを思い出しました。

 

ザ・アイスで初めて見たとき、私も月明りの中で不思議に光る生命体を見た思いでしたが、

中国杯では、照明もなく、もっと現実世界の演技に感じられました。

 

でも、今日、照明がないドームの中で、

再び、月明りの中で発光している昌磨が見えました。

 

 

ステップの途中の、

吐息のような「アイ」「ラ」「ビュ」の一文字一文字にも感情が込められ、

見事としか言いようがない表現の世界。

 

そのうえで、きっちり降りた4回転フリップ。

4回転トゥに3回転トゥを付けたのは、

中国杯のときには、「勝敗にこだわらなくなったからかも(失敗を気にしない)」と話していましたが、

今日の4T+3Tには、確かな闘争心が見えたと思う。

 

「ジャンプも表現も両方やり切りたい」という言葉通りの演技を、

確かに、私は受け取りました。

 

そして、私の好きな「試合の宇野昌磨」を再び見たことに、感動しました。

 

点数は、何点でもいいし、

ジャンプが回転不足でも、気にならない。

 

今日の演技は、何回も何回も見ると思う。

何回も何回も見ると思う。