オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

宇野昌磨選手のNHK杯フリーと中国杯フリーの違い

宇野昌磨選手の中国杯とNHK杯のフリーの演技は、

私にとっては、印象がまったく違うものでした。

 

ISU版ではグリーン一色だったボード

 

もちろん、中国杯では、冒頭2本の4回転ジャンプに転倒とパンクがあったので、

リカバリーして4回転4本を決めたNHK杯とは、技術点が違います。

 

でも、それ以外にも、まるで別のプログラムのように感じられたのです。

 

何が違うのか?

NHK杯と中国杯のフリーの映像を並べて同時に再生し、見比べてみました。

 

すると、驚いたことに、動きの「型」は、驚くほど同じでした。

 

 

ジャンプの構成や転倒で、わずかなズレが生じることはあっても、

音楽に追いつくと、ほぼぴたりと同じ動き。

 

繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し、何度も何度も何度も

練習しているのだとわかりました。

そこに、まず驚きました。

 

そして、コレオシークエンスやスピンの構成が少し変わっていたものの、

「コリオ自体が大幅に変わった」「インパクトのある振付が加わった」、

ということはありませんでした。

 

にもかかわらず、中国杯とNHK杯の演技は、明らかに違うものに見えたし、

NHK杯のほうが、ずっと素晴らしかったと思いました。

昌磨の演技から、緊迫感や深遠さを感じて吸い寄せられ、

目が離せなくなってしまったのです。

 

となると、目に見えないもの、

昌磨がまとっている“気”や“熱”が、

プログラムの大半を占めているということなのか。

 

ストレッチやエッジ、間の取り方が、

わずかずつ違っていて、その累計がプログラムを別物にした、とも感じました。

 

コリオはあくまでもコリオであり、

プログラムを創るのはスケーターだということに、

改めて気づいたのでした。

 

そういえば、重要な点が違いました。

 

 

昌磨の「演技前」と「フィニッシュ」です。

NHK杯では、演技前に「バシッ」と太ももをたたきました。

 

中国杯では、フィニッシュ後、すぐに笑顔になりましたが、

NHK杯では、違う世界に行っちゃってて、戻ってくるまでしばしのお時間がございました。

 

私自身も、NHK杯の演技後は、

止めていた呼吸を復活させ、硬直していた肩を再び動かすまでに、一瞬の間がありました。

 

ところで、グローバルに話題を呼んでいる昌磨のフリー。

「後半に向けて盛り上がる曲とコリオを用いる選手が大半であるのに、

昌磨は、静かな曲で最後まで滑っている」と。

 

で、わたくし気づいたのですが、

後半の曲『Spiegel im Spiegel』は、本来なら催眠導入の音楽だと思います。

ピアノによる単調な繰り返しと、消え入るようなヴァイオリンの調べ。

脳からα波が出て、深い眠りにつける曲だと思います。

 

告白すると、疲れているときに、NHK杯じゃないときの演技を見たとき、

眠っちゃってたことがありました😅

 

 

だから、この曲を点数を競う試合で使うこともハードルが高いし、
この曲で、見る人をひきつけ、うならせるのは、

超超超~ハードルが高いと思います。

アダム・リッポンが昌磨に嫉妬していたから、今度紹介しますね。