友野一希選手のフリー『Halston』。
初めて見たとき、「あ、なんかいいぞ」と思ったのですが、
見るたびに“珠玉度”が上がっていきます。
全日本選手権の『Halston』がこれ以上ないくらい素晴らしくて、
「もうここが頂点だろう」と思ったのですが、
今週開催された国スポ(旧国体)では、その上を行く“珠玉の名作”になっていました。
全日本選手権のときに、「自分のやりたいスケートに近づいてきた」と話していましたが、
ストッパーをはずして、化けて、化けて、大化けして行く友野くんが、
まさか、2023-24シーズンに見られるとは!!
今回も、曲が始まったとたんに、条件反射的に鳥肌が立ったのですが、
その鳥肌を裏切らない演技でした。
4T+3Tの美しさ、4Tの高さに度肝を抜かれましたが、
ジャンプはあくまでもプログラムの中に溶け込んでいて、
“見せ場”ではないんですよね。
4回転サルコウの後の、右手を耳に当ててから頭を抱える仕草が、
脳にしみ込んできたので、全日本選手権の演技を見直してみたけれど、
同じ動きでも、より繊細になっていました。
リンクの上の空間と対話をしているような表情に、とても引かれる。
ガラス細工感と力強さが共存している演技。
ジャンプの高さやリンクを疾走するスピードは、随一だと思う。
曲の“ため”と動きの“ため”が、パーフェクトにリンクしていて、
全体を通して、心地よかったです。
観客が息を止めて、涙を眼のふちにためながら見ている気配が、スクリーンを通して感じられました。(実際のところはわかりませんが)
演技を終えてからのガッツポーズは、「どうだ」という感じで、かっこ良し。
キスクラに歩いて向かう姿が、
戦いに勝った武将のように、ノッシノッシ堂々としていて、こういう友野くんは初めて見た気がします。
平池ゴルゴ13も、うれしそうで、めっちゃキュート。
キスクラに到着するや、ブラック手袋を外してスマホを操作。
メールでもしているのかと思ったら、
写真アプリを立ち上げて、「撮ってください」って😍いやーん(←何が??)
友野くんのインタビューを読むと、コーチである平池ゴルゴ13が友野くんに教えてきたのは、点数や順位よりも、スケートの喜び、楽しさそのものであるように感じるので、
今の教え子を見て、平池ゴルゴ13は、うれしくてたまらないのではないでしょうか。
次は、今シーズン最後(?)の国際大会であるチャレンジカップですね。
心にしみるHalston、待ってます。
そして、国スポ優勝おめでとうございます。