オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

これぞオリンピアン!鳥肌が立った2選手

こんにちは。ネーベルホルン杯が始まっておりますが、

その話の前に、ミラノ五輪最終予選で

私が鳥肌立つくらい感動した2人の選手のことを書かせてください。

 

🏆一人目は、女子のアナスタシア・グバノワ選手です。

おそらくこれが彼女の最終シーズンであり、最後のオリンピック。

 

 

かつての欧州選手権女王ですが、昨シーズンはご結婚された一方、

競技のほうはうまくいかず、世界選手権ではまさかのSP落ち😨

ジョージアは女子シングル枠ゼロかつ世界選手権フリーに進出していないため、

最終予選会に出場することができました。

 

SPは、ボリウッド映画『アショーカ』のヒンディー語の歌『サン・サナナ』。

 

 

以前にも『スラムドッグ・ミリオネア』で滑ったことがあり、

インド系の曲がなぜか似合います。

妖艶な手の動きや表情が合うのかな。

 

そしてこの緊張のオリンピック・ラストチャンスの場で、

彼女は、一切の緊張を感じさせず、外界と切り離されたかのような空間で、

ノーミスの魅惑的な演技を披露してみせました。

 

さらに、さらに、フリーでは、

映画『ゴースト』の世界を、これまた外界の雑音から切り離された映画の世界に没入し、ほぼノーミスで演じて見せました。

 

 

私は、この演技を見て泣きました。

そのくらい、エモーショナルな演技なのに、ジャンプもしっかり決める凄さ。

 

衣装の背中が恋人たちの輪郭になっているの、わかりますか?

 

「人はここまで強くなれるのか」。

追い詰められた場面、ここで決めなければすべてが終わるという場面で、

しっかりと決めてみせる。

これぞオリンピアン。これぞ欧州選手権女王だと、驚愕しました。

 

女子では、ルナ・ヘンドリックス選手もさすがのカムバックでしたが、

彼女は、SPの選手入場シーンで転びそうなくらいのスピードでダッシュしてきて、

アドレナリンが抑制できていないと感じました。

 

実際、SPではミスが出てしまい、よく言われる「エネルギーや興奮をコントロールする大切さ」とは、これかなぁと。

 

ジョージアスケート連盟のいつものゴージャス系女史が、

SPではヒョウ柄をインナーに、

 

 

FPではヒョウ柄をアウターに着ているのが印象的でした。

 

 

🏆もう一人は、男子のドノヴァン・カリージョ(カリーリョ)選手です。

オリンピックには、キラキラ衣装でラテン系の曲を踊りこなし、濃いスマイルビームを放つドノヴァンが不可欠です。

 

が、北京オリンピックの後は、怪我をしたり4回転ジャンプが不調だったりで、

次のオリンピックは無理かもしれないと、恐れていました。

 

しかも、最終予選会では最終滑走😨

申し訳ないけど、雰囲気負けしちゃうんじゃないかと思っていました。

 

SPは、ケージ・タナカでお馴染み『ヒップヒップチンチン』。

(ケージ君、岡山で元気かな…)

 

 

冒頭は4回転サルコウのコンビネーション。

しっかり構えて飛び上がり、なんとか着氷したと思ったら、3回転トゥを回り切りました。

わお!

続く3Aはゴージャス、ルッツは美しい。

なんか、最近見ていたドノヴァンじゃないかも(笑)

 

しかも、濃いスマイルビームを飛ばしまくりで、スピンもステップもオール4。

完全無欠のノーミス演技で、ロシアのピョートル・グメンニクに続く2位となりました。

 

 

ガッツポーズ&氷にキス&世界中のみんなサンキュー&いぇーetc.

大興奮で男子シングルは幕を閉じたのでした。

 

 

しかし、フリーでは、4回転サルコウで転倒、4回転サルコウのコンボがパンク、その他のジャンプも調子が今一つで、

フリーは暫定8位(のちに9位)。

 

キスクラでは、最後の審判を待つ人みたいになっていました。

フリーが8位と表示されると、「あ~」と言う感じに。

 

しかし、総合得点は、暫定2位。

その瞬間、喜びが大爆発し、吠えてました。

 

 

ドノヴァンにしても私にしても、計算が得意じゃない人にとっては(ドノヴァンを決めつけて申し訳ないけど)、

フリー8位から総合2位になるイメージはないですよね。

 

最終的には、SP2位、FP9位、総合3位。

よく「ショートで勝つことはできないが、ショートで負けることはできる」って言いますよね。

「ショートで勝つこともできるんだな」と、思いました。

正確には、「ショートで逃げ切れる」かな。

 

一方で、ショートですばらしい演技を見せたのに、

オリンピック切符を手に出来なかった選手もいました。

まだ若い選手です。

 

その時、グバノワ選手やドノヴァン選手はオリンピックを経験しており、

オリンピアンだから肝がすわっているのだろうか…と考えました。

もしくは、ここ一番で決める力があるからオリンピアンなのか、

 

そして、うまくいかなくてもジャンプを跳び続けたドノヴァンを見て、

「どんな場合でも、ジャンプは跳ばなきゃだめなんだな」と思いました。

 

切符を手に出来なかったその選手は、ジャンプを跳ばずにスルーしたことを、ずっと後悔する気がする。

 

グバノワもドノヴァンも、ジャンプを跳び急がないのが共通していました。

構えが長すぎるのでは?と思うこともありましたが、タイミングが合うまで踏み切らない。

 

これから、日本国内でオリンピック代表選考の厳しい競争が続きますが、

私の推しているあの選手には、ぜひ、ジャンプをパンクせずに跳んでほしい…と

思ったりしたのでした。