前回に引き続き、トゥクタミシェワ選手のインタビュー動画から、
宇野昌磨さんについて触れている部分をご紹介します。
昌磨に触れる前の内容は、
「ロシアのフィギュア界では、たくさんの涙を見てきた」。
リーザは語ります。
ロシアのフィギュアスケートでは、本当にたくさんの涙を見てきました。練習でも、試合でも、失敗するとみんな泣くの。失敗は“ただのミス”ではなくて、選手自身の価値が下がるようなものだと感じさせられるから。
大会に来たら、もう練習の段階から審判に「私は準備できている、勝つつもりです」とアピールしなきゃいけない。
何か一つでもうまくいかないと、ひどく落ち込むの。
もう“ただの試合”じゃなくて、もっと重いものになってしまう。
準備・恐怖・コントロール……その全部がプレッシャーとして襲ってくるの。
⬇️
ロシアのリンクでは、誰かが泣いているのが日常だった。
しかし、宇野昌磨を見てびっくり!
だからこそ、男子の練習に参加したときに、心から驚いたの。
そこには日本のフィギュアスケーター、宇野昌磨がいた。
彼、すごい転ぶのよ。
まるで、風でトタン板がバタンバタンと打ち付けられるみたいに、右に左に跳んで派手に転ぶの。
で、転ぶたびに 笑うの。
【参考画像😎】


私は心の中でこう思ったの。
「なんで笑ってるの? これ大事な試合よ?
そんな大転倒したのに、どうして笑っていられるの?」
しかも昌磨だけじゃなくて、コーチまで笑っていて
「おーい、四回転ジャンプでそんな転び方するか?本当に君は面白いね」
なんて言っている。
すべてがポジティブだった。
【参考画像😎】

リーザは、昌磨の様子を見てカルチャーショックを覚えたようですが、
私の記憶では、宇野昌磨ほどリンクで転んで笑っている選手は、他にいなかったはず。
きっと、他の国の選手たちも、当時は驚いたことでしょう。
その姿を批判されたこともありました。
リンクに寝るな…とか、座って笑ってるなんて…とか。
私は当時から、転倒したならしばし寝ころんで、理由を分析する時間が必要なのではないか…と思っていましたが。
ランビ先生も、「未来はほめることから」と話していましたよね。
練習の場を楽しく、安心できる場所にすることが大事、と。
世界王者がジャンプで転倒しても笑いながら滑り続けていたら、
後輩たちも失敗を恐れず、公式練習でバシバシとジャンプを跳べたのではないかと思います。
失敗しても笑っていい。
そういう意味では、昌磨は貴重な財産をリンクの上に残していったとも言えるでしょう。