こんにちは。夜の東京の寒さに、脳ミソをやられてしまった種子島ぴーです。
引き続き、ニックさんの男子衣装批評を訳していきたいと思います。
ICE STYLE.....2018 Costumes Recap: Figure Skating COSTUMES 2018 MEN! | Nick Verreos
*意訳・超訳が含まれているため、内容についてニックさんは一切の責任を負っておりません。
若いのに、地味ねぇ。
韓国のチャ・ジュンワンのショートは、プロコフィエフの「シンデレラ」よりワルツ。
ジュンワンは、この黒いシャツとパンツという格好で滑ったの。
フィギュアの衣装としては、かなりがっかり~。
でも、最低限、肩の部分に若干の装飾がしてあるわね。
な~んか、今風じゃないのよね。
ジュンワンのフリーは、「ロミオとジュリエット」のサントラbyクレイグ・アームストロング。
ブラックのタキシードパンツに、パープルのレース地にスパンコールの装飾がされたシャツよね。
模様編みのシャツが、「ロミオとジュリエット」の世界を連想させるけど・・・でもやっぱり、衣装としてはパッとしないのよねぇ。
時代遅れでジュニアの衣装って感じだわ。
クラシック音楽にモダンな衣装の取り合わせがグッド!!
ロシアのセルゲイ・ヴォロノフのショートは、ラフマニノフの「前奏曲ト短調 作品23の5」。
セルゲイは、このブラックのパンツとカラーブロック(複数の色をブロックに分けて配色すること)のセーターを着て滑ったの。
トップスを凝るなら、パンツもオリジナリティのあるものにしてほしかったわ。
衣装って感じではないけれど、クラシック音楽に合わせると、すっごくモダンだし、配色も、氷の上で映えてナイスよ。
ヴォロノフ、胴体のギザギザは何かしら?!
ヴォロノフのフリーは、映画「ローガン」のサントラ「Way Down We Go」by Kaleo.
パッと見て、胴体部分の横にある深いギザギザの傷にびっくり!
「ローガン」の曲で滑ってるのは知ってたけど、なんでこれなわけ?!って。
でね、映画をググって、このイメージを見つけたのよ。
(サイトでは、ニックさんが見つけた画像入る)
私もググってみました。
「ローガン」の原作はコミックで、ヒュー・ジャックマン演じる主人公は、ミュータントを素体とした生物兵器として、手に長い爪が付いていて、敵をかぎ裂きにして戦うようです。
そんなわけで、この衣装は、まぁまぁ意味をなしているってことね。
映画は時代モノじゃないけど、この衣装は、カラーとデザインがちょっと“中世”を感じさせるわ。
コリヤダ君は、ぴったりフィットの衣装が◎
雪豹ミハイル・コリヤダ君のショートは、「I Belong To You+Mon Cœur S'ouvre a ta Voix」 by Muse
このブラックとシルバーとホワイトの衣装を着たコリヤダ君は、ほんっとにスマートでモダンに見えるわ。
グラフィックアートみたいなデザインが、彼の小柄ですっきりした体形を見事に引き立てているの。
コリヤダ君は、ぴったりフィットした衣装をチョイスするのが正解よ。
セクシー闘牛士♥コリヤダ君。
フリーは、ロディオン・シチェドリン指揮の「カルメンのアダージオ」byビゼー+「カルメンのハバネラ」byビゼー。
あたしね、カルメンをイメージさせるコリヤダ君のこの衣装、だーいすき。
力強く、パワフル。それでいて、スマートだわ。
ブラックの刺繍をほどこした血のように赤いボレロジャケットに身を包んだ彼は、セクシー闘牛士♥ オーレ!! ☜言ってないって(笑)
まさに、スペインとビゼーのクラシックオペラを思い起こさせるわね。
ウエストのミニカマーバンドと、スーパーぴちぴちブラックパンツも、すっごくいい。
ベストテンに入るわ!!
うーん、色が冴えないわね。
カナダのキーガン・メッシングさんのショートは、ランディ・ニューマンの「You've Got A Friend In Me」by Michael Buble。
この衣装を着て滑るキーガンは、キュートで、ステキに似合ってたわよね。
こういう冴えない色じゃなければ、もっと良かったと思うわ。
このグレーは、衣装としてワクワクさせてくれる色では、まったくないもの。
チャップリン風は伝わるけど、モッサリして見えるわ。
フリーは、チャーリー・チャップリンの「街の灯」と「モダン・タイムス」。
キーガンは、彼の十八番のチャーリー・チャップリンを、今季も持ち越したようね。
てか、衣装も持ち越してるわ!!
この衣装が、チャップリンを表現するのにぴったりで、少しアレンジしようとしてるのはわかるけど(チャップリン風のヘンテコなサイズのジャケットとか)、
身だしなみ(髪)が、もっときっちり小ぎれいに見えたらよかったと思うの。
髪もスッキリ、衣装もスッキリ!!
次はアメリカよ!!
ジェイソン・ブラウンのショートは、「Love Is a Bitch 」by Two Fee。
あたし、ジェイソンのこの洗練された衣装が、ほんっとに好き。
とりわけ、彼が装飾の多い衣装を着ることで知られていたことを考えれば。
デザインは、彼の音楽とスケートに合わせて考えられていて、ぴったりだと思うわ。
まるで、髪をすっきりカットしたら、衣装の“やり過ぎ感”もカットして、すっきりしたくなっちゃったかのようね。
特に気に入ったのは、タートルネックのトップスに、カラーと繊細なスパンコールで、シャーッと模様をつけている部分よ。
60年代風の強烈なブルーとストライプ
ジェイソン・ブラウンのフリーは、ポール・サイモン作「Old Friends」+「ブックエンド」+「 A Hazy Shade of Winter」byサイモン&ガーファンクル。
音楽が60年代半ばのものだから、ジェイソンはサイモン&ガーファンクルの曲で、この衣装を着たわけ。
シャツの目の覚めるような強烈なブルーと縞模様、いいわね。
面白みのないシャツスタイルだけど、デザインで面白い趣向をプラスしてあるわ。
えーっと、他に何か言うことはあるかしら。うーん、何か言いたいことがあった気もするんだけど…ま、次に行きましょう!!
中国の伝統服をナチュラルに着こなすヴィンス
ヴィンセント・ジョウのフリーは、映画「グリーン・ディスティニー」のサントラbyタン・ドゥンと「ライジング・サン」by吉田潔よ。
このフリーの曲に合わせて、ヴィンセントは中国の伝統的な服装をナチュラルに着こなしているわ。服装の解釈の観点からもね。
少し広がった袖と腰にブラックのベルトが付いた、白い巻きジャケット風のトップスが気にいったわ。
蜘蛛の巣のようなブラックのクリスタル・スパンコールも含めて、全体に趣きをプラスするためのアレンジが、すばらしいと思ったわ。
クローゼットをかき回して見つけた服かしら?!
ネイサンのショートは、デューク・エリントンの「キャラバン」by Boston Brass。
アメリカン・ジャズのスタンダードナンバーである「キャラバン」を滑るのに、ネイサンは、衣装とは言えないこの白いシャツを着て、袖をまくりあげ、グレイのベストとブラックのパンツを合わせようって決めたわけ。
もち、わかってるわよ。彼は、ジャズミュージックに合わせて滑っていて、ジャズバンドの一員に見られたかったんだって。
でも、まるで、クローゼットに行って「おめかしして出かけなくちゃいけないんだけど、何かないかなぁ」って探して着たような格好よね。
シャツがもうちょっと素敵なやつで、ベストもちゃんとあつらえたようなのが良かったわ。とってもツマンナイわ。
確かに、よく見ると、デパートで売っているようなペロペロのベストですなぁ(笑)時間がなくて、大学生協で買ったのかも。
今回も、ネイサンの衣装には失望したわ。
ネイサンのフリーは、「Land of All」by Woodkid。音楽は、「Desierto」っていう映画のサントラから取ってるの。
率直に言わせてもらうと、なーんでネイサンがタイダイのシャツを着てるのかわからなかったから、映画について調べなくちゃいけなかったわ。
もう一度言わせてもらうけど、これは衣装らしからぬ衣装で、だからこそネイサンは、こういうのが好きなんだと思うわ。
オリンピックの衣装をヴェラ・ウォンがデザインしたときも、ケンケンガクガクがあったけど、今回も、ちょっとがっかりだわ。
特に、私のような、ファッション・ウォッチャーにとってはね。
誰も、(あたし以外よ!!) ネイサンを衣装で見てるわけじゃなくて、見たいのは4回転ジャンプだって、わかってるわよ。
でもね、あたしは衣装でも、何か素敵なものが見たいの。
いやー、ほんと、ニックさんは、衣装の細かい部分の細工やデザインと曲の融合性をよく見てますね。プロだけあって、目からうろこでした。
私は、ネイサンが「Land of All」で、なぜタイダイの服を着ているのか、考えたこともなかったっす(笑)
おやすみなさい。