こんばんは。インターハイで選手が着ている衣装が、ゴージャスで素敵なことに驚いている種子島ぴーです。
先輩から譲りうけた衣装もあるのでしょうか。
さて、全米選手権の開催を受けて、ニック・ベルレオスさんが、衣装評をアップしてくれました。
ニックさんが大好きなので、心の声で超訳させていただきます。
もちろんですが、内容についてニックさんは責任を負っておりません。
マシューさんが、ヴィンスの衣装を!!
メンズの衣装評は、とっても気に入っちゃった、ヴィンセント・ジョウの衣装から始めさせてちょうだい!!
SPは、『Starry, Starry Night』by Josh Groban。
あたしは、ちゃんと全身デザインされた衣装が、ダーイスキなの!!とりわけ、メンズの衣装はね!!
よくあるでしょ、トップは衣装としてデザインされているのに、ボトムはありきたりな黒パンを合わせているケース。その点、ヴィンセントの衣装は、ちゃーんとトータルデザインされていたのよ。
トップスのスパンコールの装飾が、肩からパンツまで途切れなく続いているから、衣装としてのつながりがあるでしょ。こういう仕事が見たいのよ、あたしは。
それから、従来は“フェミニン(女性らしい)”って考えられているデザインを、取り入れた衣装も大好きなの。
ヴィンセントの場合は、ドレープのはいったカウルネック*ね。(*カトリックの修道士が着ていたマントの胸元のように、ドレープが入った襟)。
トータルで見て、この衣装は、ヴィンセントにとってもプログラムにとっても、すばらしいものだったと思うわ。
9.75点
なんといっても、メンズのドレープですからね!! 昌磨の『月光』に雰囲気が似ていたので、マシュー・キャロンさんのデザインかなぁと思いましたが、本当にマシューさんでした。フリーは、日本が誇る衣装デザイナー伊藤聡美さんです。
パンツのデザインも見逃さないで!!
ヴィンセントのフリーは、『Algorithm 』by Muse。
引き続きフリーでも、彼の衣装選びがうまいところを見せてくれたわ。
この衣装は、“全身これ衣装”って感じでデザインされたものではないけれど、クリエイティブで、きちんとデザインされていて、音楽と合っていると思うわ。
フワっとしたトップスは、幾層にもレイヤーが入っていて、ターンすると映えるわよね。
スパンコールも大げさではないし、プラム、グレープ、ライラックの繊細な色合いが素敵。
パンツは、(みなさんお気づきかしら?)、黒ではなく暗いプラム色なの。
トップスに合わせてあるのね。
しかもよ!! ありきたりなパンツではないのが、お分かりかしら?
パンツの前の部分が、細かくデザインしてあるじゃないの!!
ありがとう、素敵な衣装を見せてくれて。
SCORE: 9.65
トム・フォードを思わせるジェイソン
ジェイソン・ブラウンのSPは、『Sinnerman 』by Nina Simone。
なんて、なめらかなブラックの衣装。ジェイソンは、SPのニーナ・シモンの曲を、このエレガントな衣装で滑ったのよ。
彼のしなやかなボディを引き立てるデザイン!!
繊細なスパンコールのアクセントが、エレガントさと贅沢な感じをプラスしているわ。
オートクチュールデザイナーのトム・フォードが男子フィギュアスケーターの衣装をデザインしたら、きっとこんな感じじゃないかしら!
9.25点。
ジーン・ケリーが着てたのに似てた!!
ジェイソンのフリーは、『10番街の殺人』。
もともとは、1936年のブロードウェイミュージカル『On Your Toes』の、リチャード・ロジャースのバレエ曲なのよね。
バレエの場面に登場するのは、ダンサーと彼を撃ち殺したい2人のギャング。
もともとは、50年代初頭にテレビで上演されたもので...だから、おそらくだけど、ジェイソンの衣装は、そこから来ているんじゃないかしら。
ジェイソンは、フクシアベリー色(ピンク)の、肌にぴったりしたポリウレタン製のノビノビトップスを着て、脚をキュッと引き締めるブラックのピタパンを合わせているわ。
そうそう、細い黒ベルトもしてるわね。
いつもなら、あたしは、パンツにベルトをして滑るスタイルは、好みじゃないの。
だけど、この上下の組み合わせと音楽には、ベルトが効いているんじゃないかしら。
ジョージ・バランシンが振り付けたバレエを踊っているようだもの。
8.90点
パニオットのベルト欲しい!!
ヤロスラフ・パニオットのフリーは、『ハートブレイク・ホテル』ほかプレスリーメドレー。
写真じゃよくわからないかもしれないけれど、まさにエルビス・プレスリーの登場!って感じだったわ。
ヤロスラフは、プレスリーのヒットソングメドレーに、完璧にマッチした衣装で滑ったの。
トップの大胆なラベンダー色と、ざっくり開いた胸元、ローウエストのシルエットが、すっごくいい。
とっても70年代のエルビス風ヴィンテージスタイルって感じよ。
足りないところと言えば…そうねぇ、エルビスはもっと太ってて、顔汗をダラダラ流していたってことね(笑)
クリスタルとキラキラスパンコールでアクセントをつけた、見たことないような素晴らしいベルトは、わざとハデハデにしてあるんだと思うわ。
個人的に知りたいのは、「彼は、プレスリーにより似せるために、髪の毛を真っ黒に染めているのか?」ってこと。答えが「イエス!」であってほしいわ!!
採点は、9.65。
あるようでなかったナウモフの“肩見せ”
マキシム・ナウモフのフリーは、『Unstoppable 』。
何がすごいって、“肩見せ”よ!!
マキシムは、レッドとブラックのキラキラ光るトップスに黒のパンツで滑ったんだけど、まぁ、それは、ぜんぜん珍しいことじゃないわ…と思ってたのよね、はだけた肩に気づくまでは!!
よく見てちょうだい。ヌードイリュージョン(素肌のように見せた)の地に、ブラックのストラップを首に渡してあるのよ。
大胆なデザインよね。男子の衣装ではこういう工夫はフツーじゃないわよ。
で、全体的に、あたしはこの衣装が気に入ったわ。
9.50点
かわいいプルキネン
カムデン・プルキネンのフリーは、『Close Your Eyes』。
カムデン君は、ピタピタぴっちりの黒パンに、タイダイ染めみたいなディープラベンダーの衣装を着ていたわ。
トップは、ネックラインをクリスタルで囲んで、十字にロープを渡してあるの。
裾は、ヘムラインになっているわ。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』と『マンマ・ミーア』を混ぜたようなデザインが、彼の音楽とどう関係があるかわからないけど(参考までにお伝えすると、何にもないわよ!!)…でも、“ボヘミアン・キュート”って感じだったわ。
悪くないけど、曲とは合っていないから8.99にしとくわね。
ついに合格点のネイサン衣装
ネイサン・チェンのSPは、映画『デスパレード』より『マリアッチの歌』。
もちろん、ネイサンが衣装よりも4回転ジャンプで有名だってことは、知ってるわ。(そうですか?日本では五分五分です)
だけど、彼が、SPのプログラム『デスパレード』の衣装として合格点をあげられるものを着ているのを見て、あたしはとってもうれしかったの。
白いシャツに、繊細なマリアッチアクセの付いたブラックパンツは、1995年の映画でアントニオ・バンデラスが着用した衣装を、正確にコピーしてるわね。
アントニオ・バンデラスが着た衣装に、何らかのクリエイティブな点を加えるという考えはなかったようだけど、この見た目は、映画の登場人物をまさしく思い起こさせるものだわ。
9.00点!!
フリーは典型的なネイサンルック
フリーの音楽は、作曲家フィリップ・グラスのセレクションから。
フリーでネイサンは、これまで以上に典型的な“ネイサンルック”をまとっていたわ。
つまり、「黒パンに衣装とは思えないトップを組み合わせたスタイル」ってことよ。
トップは、肩と首の部分に透けた布切れがちょっぴり見えていて、ゆるんで細長く引き伸ばしたようなラインじゃないこと?
リック・オウエンスで、簡単にゲットできそうな服だと思ったわ。ヘルムート・ラングみたいなブランドにも置いてそうね。
(*どちらも黒が多いカジュアル系デザインブランドです。安くはないです)
彼が、衣装に気合を入れるスケーターじゃないってことや、これがとってもネイサンらしいスタイルだってことはわかっているけど…「またか」って感じで、視覚的には退屈なのよね。
でも、少なくとも彼は、世界最高の男子スケーターなのよ!だから・・・まぁ、そんな感じね。
実を言うと、彼の衣装はもうどうでもよくって、あたしは、ネイサンがキスアンドクライで着ていたナイキのスウェットシャツに興奮したわ。
ナイキはネイサンのスポンサーになったから、演技後に着るウェアを、衣装と同じくらい面白くデザインできるってわけ。
ほんっとーーに、お願いしますよ、ナイキさん!!
8.25点
ついでに、ミズノさんも、昌磨のキスクラのウェア、単独でデザインしてもらえませんでしょうか?売れると思う。