以前にも書いたことがありますが、
私は、フィギュアスケートのリンク広告には、
気品を求めたいと思っています。
選手の演技を邪魔しないこと。
選手の創る世界観を邪魔しないこと。
だってこれは、スポーツであり、芸術だから。
社名やロゴマーク、スローガンをさりげなく入れた大人の広告。
それが、リンク広告の伝統だったと思う。
そこへ殴り込みをかけてきた中の一社が、「大山式 痩せたい」だった。
広告を出すからには、反響を得たい、売り上げに反映させたいという気持ちが全面に出た、「痩せたい!」+「足のイラスト」。
しかし、彼らは反省した。はずだった。
「みんなで作る広告」みたいな感じで、アイディアを募集した企画があったと記憶しています。
もっとも、「応募はゼロに近かった」ということなので、それが世の中の答えだったと思う。
今週、ネーベルホルン杯を見ていて、
「さよならダニー」という、世界の皆様にお詫びしたいような日本語広告が、とても気になった。
結局、「何の会社?」って、ネットで検索しちゃうんですよね。
その点は、戦略上、成功したと言えるのでしょう。
はい、私の負けです。
この、ダニを生きたまま捕獲する駆除剤「さよならダニー」。
ダニとかごきぶりとかムカデとか、苦手な人、見ると体が硬直しちゃう人、たくさんいますよね。
害虫です。
そのダニを、イラストで見せる必要は、あったのでしょうか。
100歩ゆずって、「さよならダニー」の文字だけでいいじゃないですか。
「さよならダニー」
「Good Bye Danny」
って書いてあったら、「どういうこと?」って、みんな検索すると思う。
これね。「大山式」と「さよならダニー」は、同じ会社みたいなんです。
私はクレーマーではありませんが、なんか違う気がする。
同社の担当者は「大山式に引き続き、同社のヒット商品【さよならダニー】でまた応援できたことに心より感謝申し上げます。
同商品は、日本でもいち早くダニに関して特許を申請した新進気鋭のヒット商品です。
スケート界で言えば、今回の島田高志郎選手と本田真凜選手のようなフレッシュで未来を担う商品なので、今回ぴったりだと思いました」と喜びを語った。
なんか…感覚がずれているような…
大会中、ずっと目障りでしたが、
我慢できないなと思ったのは、女子シングルで優勝したマライア・ベル選手が、
厳かな「ハレルヤ」の曲に乗って、演技をするのを見た時です。
やけに、ダニの看板が映るんです。
最初のジャンプを跳ぶときも、スピンも、ステップも、演技後に挨拶するときも…なぜか、背景はダニのイラスト。
なんだか悲しくなっちゃいました。
ちなみにマライアは、今シーズンからアダム・リッポンをコーチに加えています。
SPの『ブリトニーメドレー』を勧めたのもリッポン。
振付もリッポンです。
で、それはさて置き、
さよならダニー。ほんと、さよなら。
昌磨「Dancing On My Own」の背景にダニがいたら、許さんぜよ。