オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

キログラムの魅力

こんばんは。こんな年の瀬にブログを書いている場合ではないのですが、

この話題を書かねば年が越せません。

そう、ケージ・タナカの全日本!!

 

全日本選手権で4位になり、たまにしかスケートを見ない人からは、「あー田中刑事は、またあの位置ね」みたいなことを言われ、

“This and That”では、「世界選手権の代表は、後輩に譲っては?」と余計なお世話なことを言われ、

メダリストオンアイスの放送では、割愛され…

 

世の中全般的に、ケージ・タナカをちゃんと扱っていないと思います!!

ジュニアの台頭や、追ってくる友野くん&草太くんなど、いろいろあった中で、

ちゃんと4位になっているというのは、実はケージ・タナカが最も進化している一人だということなんです。

 

全日本選手権ショートプログラム当日に、時計の針を巻き戻しましょう。

6分間練習で、リンクをガン見している私に、いっしょに行った友人がたずねました。

 

「ねぇねぇ、キログラムって何?」。

 

「キログラム=kg」??。

指された方向を見ると、「KG」と書かれたバナーを持つ観客の姿が。

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「キログラムじゃなくて、ケージだよ。ケージ・タナカ」。

ひとしきり、田中刑事の魅力を語る私。

 

「ふーん。じゃあ、田中刑事がどれだけ人気があって、実力があるのか見せてもらおうじゃないの」と、友人。

 

「よーし、ケージ・タナカ、ここはどかーんと一発やってくれ!!」と、肩に力が入る私。

SPはもちろん、『ヒップヒップ チンチン』。

 

おぉぉー。「リゾートホテルのフロントの制服みたい」と、各方面で物議をかもしていた衣装が、チェンジされておりますぞ!!

この衣装チェンジが、なにげに秀逸なんですよ。

 

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以前のバージョンと比較してみると、

まったく違うデザインにしたわけではなく、

コンセプトを継承したまま、華やかに改良されています。

 

袖の長さは、美しいケージ・タナカの腕が引き立つロングスリーブに。

襟元を立て、胸元はざっくりとセクシーに開けて、ヌーディな布でカバー。

子どもっぽかった緑の縁取りは、なくなりました。

 

同じ生地の違う柄(がら)の部分を使って、仕立て直したのかなーと思いましたが、

ピンクレッドやビビッドなイエロー、グリーンの割合が増えて、

刺繍とキラキラのビジューも足してあります。

 

映像の色味も関係しているのかも??と、5分ほど眺めてみましたが、

柄も少し違うかなー。

 

現地で見ると、衣装がきらきらしていて、とっても華やか!!

リゾートホテルの制服から、シティホテルのセミスイートに泊まる宿泊客のような

ヴェルサーチ感が出ておりました。

 

あ、いらなかったですか、衣装の話をこんなに長々と??

 

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とにかく、衣装の印象がガラリと変わって期待高まる『ヒップヒップ チンチン』。

ポンポコポコポコ、ポンポコポコポコという打楽器のリズムに合わせて、最初のジャンプに向かいます。

 

冒頭の特大トリプルアクセルは、「ケージ・タナカがリンクから飛び出してきそうで怖い」という審判の声を考慮し、ジャッジ席の反対側からスタート。

そういえば、ケージ・タナカが客席まではみ出すことを警戒したのか、

今回の審判席は、気持ち高い位置に設置されているように見えました。(☜真偽不明)

 

ということで、トリプルアクセルは、最前列の観客から「きゃー」と悲鳴が上がる、大ジャンプ。2.40の大きな加点がつきました。

観客席から手拍子が起こり、会場は一気にノリノリラテンムードに。

 

滑っているときに風を受けて、ロングスリーブの布がハタハタと揺れるのもグッドです。

 

続いて、審判席の前で、今シーズン好調の4回転サルコウ!!

おーーっと、審判席に激突しそうになるのを避けて転倒。

やはり、ケージ・タナカにこのリンクは狭すぎる。

 

最後のジャンプは、ルッツの着氷で前傾して、危うくアゴが氷に付きそうになりましたが、

氷の精がぐいーんと跳ね返してセーフ。なんとか2Tを付けました。

 

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すべてのジャンプを跳び終わると、最大の見せ場であるステップシークエンスへ!!

ダイナミックな体の動きを振り子のように使って、グイングインと前進するステップは、本当に爽快です!!

バランスが崩れそうになることも、一切なし。

 

「世界トップレベルのステップです」とかって、テレビの解説がもっと盛り上げてもいいと思うんですよ、本田武史さん(笑)。

こーいうのは、言ったもん勝ちです。

 

高橋大ちゃんに指導を受けたあたりから、がらっと変わってきた気がするので、

「世界一のステップと称された、高橋大輔直伝のステップです」ぐらいから始めて⇒

「世界一のステップと称された、高橋大輔直伝のステップで、世界一のステップに近づいてきました」⇒「高橋大輔の後を継ぐ世界一のステップ」と、変化させていくのはいかがでしょうか。

 

生で見ると、ケージ・タナカのステップの力強さは半端ないです。

見栄えがするというか、一人だけ、リンクと人間の比率が違う気がする。

3D感が強いのかな。

 

演技を終えて、私はもちろん、スタンディングオベーション。

すると、隣の友人も、自然に立ち上がってスタンディングオベーションするではありませんか。

そして、「田中刑事って、人気あるんだね」と、のたまっておりました(笑)

 

フリーの『シャーロックホームズ』は、さらにすばらしい演技だったと思います。

 

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ベストも上質感があって素敵。

堂々とした4回転サルコウ。

リンクがもう少し広ければ、4T+3Tにできた4T+2T。

大きく跳んだジャンプの着氷で、太ももの筋肉が氷を跳ね返す感じがいいですね。

 

『シャーロックホームズ』のズンチャズンチャ♪の音楽に負けてない、力強いステップも、見ごたえがあります。

線の細いスケーターが多いので、彼のように足の筋肉でリズムを取りながら演じられる選手は、あまりいないように思います。

 

世の中の人々は、オリンピックのあと、ケージ・タナカが数段階進歩していることに、気づいていない様子。

 

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ケージ・タナカ普及活動は、来年も続きます!!