こんにちは。
立て続けにグランプリ大会があったので、日本が誇る魅惑のスケーター ケージ・タナカについて書けていなかったことをお詫びしたい種子島ぴーです。
まずは、先日の『フィギュアスケートTV!』にも登場していたので、
インタビューの部分をご紹介します。
(インタビューは10月1日の収録だそうです)
Q 五輪シーズンへ向けて
まだまだ自分でやらないといけない課題が大すぎて、 それは昨年の怪我もあり、すごくロースタートをしたなという部分もあるので、うーん、それはまあ、今シーズンはどこまで自分を追い込んでいけるのか、僕自身挑戦でもあるんですけど。
僕自身の成長の限界はまだまだないと思っていますので、そこをしっかり追い込んでいきたいなと思っています。
なんか毎年…毎年苦しんでいるので(笑)、全日本前は。
毎年、そのスケートは楽しいと思って滑ってますけど、 毎年試合前、全日本前、世界選手権前は、すごい苦しい思いをしてやっと立てている舞台でもあるので、
その…4年ごとに区切るというのは僕自身できないですし、 色々特別な想いは、毎年正直違いますし、毎年特別だと思って戦ってます。 (うん、うんとうなづく)
Q ショート。シンエヴァンゲリオン劇場版よりParis
ほんとにショートは好きな曲、好きな作品で滑っていて、僕は、実はエヴァンゲリオンを表現したいわけではなく、そんな2分半で語れる作品ではないですね、僕自身、ファンとしてもそう思いますし。「そんな簡単な作品ではない」というのはすごくあるので、純粋に好きな曲として、どう魅せれるかというのに挑戦したいなと思ってこの曲を選びました。
フリーは、マッシモに曲を選んでいただいて、ジャズの映画でもあるんですけど、
『セッション』として、ま、その中に僕が加わってるように、やっていくと楽しいなと思っています。 (うん、うん、うんとうなづく)
今シーズン、用意したプログラムの究極形態を、そういったものをつきつめたものを練習でしっかり蓄えて、それを試合で表現したいと思ってます。
ロステレコム杯のISU実況で、マーク・ヘンレッティさんが、
「ケージは、日本の漫画やアニメの大ファンで、この衣装はお気に入りの映画『エヴァンゲリオン』のメインキャラクターの一人、人造人間エヴァンゲリオンに似ています。
日本の多くの選手のように、クリエイティブなショート作品を創り上げることに熱を注いでいます」と紹介していました。
インタビューによれば、ケージ・タナカは「エヴァンゲリオンを表現しているわけではない」と。この美しく魅惑的な音楽の世界観を表現しているわけですね。
「そんな2分半で語れる作品ではない」という言葉に、スケートとは違う世界の主張が見られます(笑)。
アナウンサーが、「じゃあ、どういう作品なんですか?」と聞いたら、何日もしゃべっていそう。
この衣装、本当に素敵です。今季のベストコスチュームの一つに入ると思います。
というか、このSPは、曲、コリオ、衣装、ケージ・タナカすべてを含めて完璧な作品に仕上がっていると思います。
あとは、ジャンプが決まるのみ。
ショートもフリーもですが、冒頭の4回転サルコウさんが決まってくれさえすれば、私は満足です。(個人の感想です)
だって、こんなにわかりやすいお手本のような美しいサルコウの踏切!!
決まらないなんて、考えられません。
インタビューの中では、「4年ごとに区切るというのは僕自身できない」という言葉が響きました。
若手も台頭してきていますが、ベテランのケージ・タナカも、毎年進化していて、新しい選手が次々に出てきても、常にトップ集団に居続ける。
これは、すごいことだと思います。
だから、もしも今回、オリンピックに行けなかったとしても、引退に結び付けてほしくないなぁと思っていました。
その次のミラノオリンピックだってあるし、今が旬の田中刑事選手にはやめてほしくないと思っていました。
そうしたら、「4年ごとでは考えていない」とわかって、安堵しました。
なんか毎年…毎年苦しんでいるので(笑)、全日本前は。毎年、そのスケートは楽しいと思って滑ってますけど、 毎年試合前、全日本前、世界選手権前は、すごい苦しい思いをしてやっと立てている舞台でもあるので、
ここも響きました。
怪我で苦しんでいたとしても、あまり口にしない選手なので。
テレビ番組でも、他の選手であれば、「怪我に苦しんだシーズン」とかって強調されたりしますが、田中刑事選手で「怪我が大変で厳しいシーズンを強いられた田中刑事。それでも前を向き…」っていう編集のされ方は、記憶にないですね。脚を傷めてる、というのは少し報道されたりしましたが。
今回の全日本は、やっとの思いで立てている“この場”を意識しながら見ることになりそうです。
ジャンプ以外の部分でのステップやスピンは、ダイナミックで華麗。
世界中の選手を見ても、これだけ全身を使ってステップをする選手は、ごくわずかでは?
大腿四頭筋と、それにつながる膝のバネから生まれる独特の“間”は、他の選手にないものだと思っています。
加えて、長い腕と肘から先の美しい手、大きな手のひらが、演技に華を添えています。
スピンやステップは、常にレベル4。
あなたは、レベル4以外のケージ・タナカを見たことがありますか?(いや、ないでしょう)
これは、かなりすごいことです。
そして、ちょっとした事件にもなったロステレコムのフリー。
ISU実況のヘンレッティさんが、「89年の世界選手権のミドリ・イトウのようです」とコメントしていました。(年が違うかも)
「世界選手権のミドリ・イトウ」とは、1991年の世界選手権のオリジナルプログラム(当時)の演技途中で、伊藤みどり選手がリンクから飛び出してしまった案件です。
映像はこちらからお借りします→Midori Ito 伊藤 みどり (JPN) - 1991 Worlds, Ladies' Original Program - YouTube
このときも、コンビネーションジャンプのときに、報道カメラ用にリンクの壁が低くなっている箇所から飛び出してしまいましたが、
ケージ・タナカのシーンは、それとよく似ていました。
(みどりさんのケース)
(ケージさんのケース)
珍しいケースではないようです(←うそです)
日本の選手は、合宿で大先輩伊藤みどりさんのケースを学んでいるので、同様のことが起きても冷静に対処できるのかもしれません(←うそです)
どちらも、大けがにつながらなくて何よりでした。
しかし、カメラ用のリンクの構造に、30年後も改良が加えられていないことが驚きです。
以上、伝説も作りながら、一年一年進化していくケージ・タナカから、今年の全日本選手権でも目が離せないというご報告でした。