こんばんは。昨日のナウボイスの昌磨の話を受けて、
スケート・アメリカとNHK杯の『ボレロ』の演技を、見返してみました。
そうしたら、未完成で荒削りなはずのスケート・アメリカの『ボレロ』に、
めちゃめちゃしびれてしまいました。
「このプログラムは、うまくいくかひどい演技になるか、紙一重」
「シーズンを通して、必ず自分の求めているレベルにしてみせる」
「このプロをやることで、大きなミスをして(オリンピックの)選考から落ちる可能性も絶対ある。それでも挑戦したい」
「自分がどこまでやれるのか自分でも見てみたい」
と言った、昌磨の言葉を思い出しながら見る、スケート・アメリカのボレロ。
演技開始と共に、両手を上げて、かっと目を見開いたときの覚悟に満ちた表情。
冒頭の4回転ループは、着氷で右手を氷につくも、
ものすごい俊敏さで体を回転させて転倒を防ぎました。
クルッ
次の4回転サルコウは、回転不足の両足着氷でダウングレード。
グッと表情を〆直して、次のジャンプへ向かう昌磨。目の動きで、いろいろなことを計算しているのがわかります。
体力の配分を考え、手堅く安定の4回転トゥ+2回転トゥ。
4T+2Tが“手堅い”っていうのも、すごいレベルですけどね。
加速してトリプルアクセル。着氷姿勢で深く曲げたひざから、この時点で必死に踏ん張っていることが感じられました。
フライングキャメルは、今日のUNO1ワンチャンネルの練習映像を見たのですが、
回転スピードがものすごく速くなってますね。びっくり!!
後半に入ってすぐの4回転フリップで、着氷の瞬間にグッと踏ん張って回したフリーレッグに、執念を感じて鳥肌が😱
2本目の4回転トゥ+2回転トゥも、安定の着氷。
この日は、4T+2Tさんが得点源となりました。
私が一番グッときたのは、アクセルからの3連ジャンプの最後で、フリップのフリーレッグを前から後ろにぐぃぃぃんと回して耐えたところです。
客席からもきゃぁぁぁという悲鳴が。
GOEはマイナスになったのですが、アスリート魂が放出された、この日一番の見どころでした(私にとっては)
最後のステップは、今よりも体力が大変そうで、途中でやや疲れが見えるのですが、
ステップの途中で、グイッとギアを入れ直す。あそこも感動します。
スケーティングレッスンの“THIS AND THAT”でジョナサンが、
「昌磨は、『ボレロ』を畏怖の念を持って、この演技に命でもかかっているかのように滑る。それが魅力を生んでいる。(意訳)」というようなことを話していました。
その表現が、とてもしっくりきました。
毎回、命がけ。
後ろから迫りくる大魔王を振り払って、死に物狂いでゴールに飛び込むような(この表現伝わります?)凄味があります。
演技が終わって昌磨が引き上げた後のリンクが、しーーーん としつつも、ものすごい余韻を残しています。
シーズンが始まる前は、このフリーが完成する日が来るとは、なかなか想像し難かったです。
が、シーズン前半でここまで来たな、と。
シーズン終わりの完成形も楽しみですが、スケート・アメリカの演技も、
見るたびにゾクゾクします。