オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ISUのバーチャルアワードについて考える。

こんにちは。今日の東京は、気温28度の夏日です。

でも、寒がりの私には、ちょうどいい気候です。


さて、先日、ISUよりISU Skating Awardsのデジタル/バーチャル開催が発表されました。

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ISU Skating Awardsは、世界選手権のあとのエキシビションとドッキングさせて、

アカデミー賞のような感じで催されるはずでした。

が、大会のキャンセルによって立ち消えになっていたものです。

 

具体的な内容は、後日発表されます。
また、この構想を2020-2021年版でも続行することが決まったそうです。

内容については、様々なオプションを検討するとのこと。

つまり、変更があるかも…ということです。

 

好意的に考える

デジタル/バーチャルSkating Awardsについて、まずは、好意的にとらえてみます。

「OPEN ICE」やインスタライブ、ビデオメッセージの発信など、

世界的パンデミックを共に乗り越えようという動きが、スケート界から起こっています。

募金が集まったり、ステイホームで孤立している人たちを励ましたり、効果を上げているのは確かです。

やりかけの「Skating Awards」という素材がある以上、ISUが何かしようと思うのは理解できます。


ただし、内容によっては、うーん、という問題もあると思います。

 

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たとえば、ノミネート者・作品をすべて並列に扱うなら楽しいと思ったのですが、

部門ごとの勝者も決められるようなのです。

decided that instead, a digital/virtual Awards show will be held in order to honor the nominated Skaters and Award winners.

代わりに、ノミネートされたスケーターと受賞者を称えるために、デジタル/バーチャルのアワードショーを開催することに決めました。

アワードの部門を振り返ってみる

アワードの部門は、7つあります。

 

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1. 最優秀スケーター賞

2. 最優秀衣装賞

3. 最優秀作品賞(プログラム)

4. 最優秀新人賞

5. 最優秀振り付け賞

6. 最優秀コーチ賞

7. 生涯業績賞

 

まず、「生涯業績賞」。

これは、世界選手権のキャンセルの影響を受けないと思います。

ディック・バトンなのかフランク・キャロルなのかタチアナ・タラソワなのか、

いずれにしても各国持ち回り制になると思うので、一年でも早くスタートしたほうがいいでしょう。


「最優秀衣装賞」。

これも、事前にノミネート作品が発表されていたので、問題ないでしょう。

世界選手権で最高の衣装を出してくる可能性のあった、ベラ・ウォン先生withネイサン・チェンは、ノミネートに間に合いませんでした。(☜テキトーです)

 

しかし、ここは今後の検討課題だと思います。

事実として、世界選手権で衣装を変えてくる選手もいます。

最優秀衣装賞(デザイナー賞にすべきかと思いますが)を受賞した選手が、別の衣装で登場するという、マヌケな展開もあり得ます。または、事前に受賞することを伝えておいて、「あの衣装で演技してね」っていうのもありなのか?!

 

 

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マシューさんのスネイクダンスを超えられるものは、ちよっと思い浮かびません。

「最優秀振付賞」「最優秀作品賞」。

これらも、世界選手権で突然、見たこともないプログラムを演じて他を圧倒する選手は現れないと思うので、発表しても大丈夫でしょう。

コリオグラファーのインタビューで、

工夫した点や作品作りで心掛けていることなどを話していただければ、

興味深いものになりそう。

 

ゴタゴタしそうな賞

「最優秀コーチ賞」。

これは、発表すべきなのでしょうか?

すばらしいコーチは大勢いますが、世界選手権という最高の舞台で、選手の心身をサポートして勝たせたコーチが選ばれるべきかと思われます。

ネイサンが勝ったらラファ、昌磨が勝ったらランビエール、アリエフが勝ったらルカヴィツィン、羽生くんが勝ったらオーサー…というように。

プロフェッショナルで有能な手腕によって、1人または複数のシングルスケーターやペア、あるいはアイスダンスカップルにおいて、優れた結果を達成したコーチを称える

ただ、今シーズン全体を考えると、複数の選手を表彰台に上げているエテリ・トゥトベリーゼの一人勝ちかな?

 

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今の時代、チームとしての表彰がふさわしい気がする。

エテリは、「ベルトコンベアー式の選手育成」などと言われて風当たりも強いので、

受賞しなかったらそれはそれで政治的な力が働いている気もします。


「最優秀スケーター賞」も同じくです。

本来ならば、世界選手権の優勝者の中から選ばれるべきですよね。

「世界選手権では3位だったけど、大会後のアワードで最優秀スケーターに選ばれました」というのは考えにくい。

 

世界選手権が中止になったにもかかわらず、「最優秀スケーター賞」を選ぶとすれば、今シーズン全勝無敗の選手から選ばれるのが妥当かと思われます。

 

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  • ネイサン・チェン
  • アリョーナ・コストルナヤ
  • 隋文静&韓聰

ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロンは、欧州選手権で負けていますが、ネイサンと隋文静&韓聰は、(欧州選手権に匹敵する)四大陸に出ていません。

コストルナヤは、ロシア国内選手権でシェルバコワに負けていますが、国内大会なので関係ないかな。


ネイサン・チェン、アリョーナ・コストルナヤ、隋文静&韓聰、ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロンの中から選ばれるのでしょうか?

わかりません!!

 

ここで気になるのが、「最優秀新人賞」とのからみです。

最優秀新人賞は、「the Senior level for the first season」ということで、シニア一年目の選手から選ばれるとのこと。

 

となると、コストルナヤを新人賞に回すという展開も考えられます。

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しかし、おーーっと!! ここで大どんでん返しが!!

 

最優秀選手賞は、

ファンベース、メディアの注目、スポンサーの感謝(評価?)に関連して、フィギュアスケートの人気レベルを高めることに成功したシングルスケーターまたはペアまたはアイスダンスカップルを称える。

と書いてあるではありませんか!!

 

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これはエグイですね(笑)

ファンベース? スポンサーからの感謝?

なんだそれ??

 

いろいろ考えると

世界選手権が開催されないまま、最優秀者だかベスト××賞だかを選ぶと、

どーやったってゴタゴタすること間違いなし。

 

しかし、“バーチャル”なので、アカデミー賞の表彰式みたいにドキドキハラハラさせたいわけですよね?

 

デジタル/バーチャルアワードショーによって、

 

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  • ネット上で論争が起こったり
  • 嫌な気持ちになる人が続出したり
  • 寄付が集まらなかったり(募る場合)
  • 免疫力が落ちたりしたら、

世界的パンデミックの最中にやる意味はないと思います。


できれば私は、

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  • ノミネートされた選手やコーチ全員がビデオでコメントしたり
  • デザイナーが衣装で凝った部分の解説をしてくれたり
  • コリオグラファーがどこから着想を得たか話してくれたり
  • 優秀作品をビデオにして紹介してくれたり
  • 生涯業績賞の人の功績を振り返りながらフィギュアスケートの歴史を知れたり…

そういうのが楽しいかな。