こんにちは。フランス杯が終わりました。
結果は誰もが知るところですが、結果よりも試合展開に興味がある方も多いと思います。(私もその一人)
試合の放送がない地域の方もいらっしゃると思いますので、
男子シングルがどんな展開だったか、独断と偏見にもとづいたお茶の間観戦の感想を、ざっくりと綴っていきたいと思います。
一部、暴言、失言を含むことをご了承いただきたい。
SPの状況まとめ
まず、SPの順位はこんな感じです。
鍵山選手の100点越えがダントツで、2位から7位が接戦。
アリエフ推しの私は、彼が表彰台に乗って復調の兆しを見せることを強く期待。
以下は、私の頭の中の想いなので、かなりテキトーです。
SP8位~12位は、ジャンプの失敗が響いている方々。
特に、最下位のケヴィン・エイモズは、最初のジャンプがパンクで次は転倒でコンビネーションが付かず。スピンもレベル2。
前半の技術点が12点ぐらいで、ドキドキしました。途中何度か、「演技をストップするのではないか」という場面がありました。
11位のフランジパニーは、「フランジパーニ」ではなく「フランジパニー」と発音されていました。
それはさておき…ここしばらく、ジャンプの跳び方がわからなくなってしまったような感じがある中での連戦。4回転が3回転になり、ジャンプはほぼ失敗だったのですが、エネルギーを感じる演技で好感を持っております。
10位のロマン・ポンサールは、今大会が最後のGP大会(引退)とのことで、祈るように見つめるも、ジャンプは全滅。やはり、試合数をこなせておらず、ラファ親父とも離れているし、マライアとも×▽だし・・・
9位のモザリョフも、ジャンプ全滅。こんなことになるなら、シニアで実績ゼロのサムソノフ君を2大会にアサインして両方とも棄権になるより、モザリョフに枠をあげて経験を積ませてあげてほしかった…と思った。
8位のダニエリアンは、3Aの転倒で、肩がはずれるのではないかというくらい怖い倒れ方をしたので心配。
ここまでが、フリーの前の展開です。
フリーの試合展開
SPの名作『The Question Of You』は、ボロボロの出来で心が折れてしまったように見えたケヴィン・エイモズ。
本来なら、開催国のエースとして喝采を浴びたいところでしたが、それはならず。
フリーは『Outro by M 83』。
なんと、別人のようにすべてのジャンプを決めて、ノーミスの演技でした。開催国エースの意地を見せました。
後半、明らかにスピードが落ちていたので、気力で踏ん張ったのだと思います。
そして、シルビア・フォンタナの胸で号泣。もう何度も見た光景…。フリー8位です。
続いて、本日もジャンプが飛べないガブリエル・フランジパニー(イタリア)。
とにかく転倒、転倒なのですが、この1か月で何十回、試合で転倒しているんだろうというくらい痛そうなのに、それでも立ち上がって跳びに行くフランジパニーが好きだ。
そして、今季限りで引退のロマン・ポンサール。
胸元ざっくりのセクシー衣装で登場します。自分をわかっていらっしゃる。
流れてきた曲は、エルビス・プレスリーの「マイ・ウェイ」。それだけで、胸が熱くなります。お願い、ジャンプさん、成功して!!
すると願いが通じたのか、ほぼノーミス(に見える)演技で、最後はガッツポーズ。国際大会ラストダンスにふさわしい演技となりました。
なんでも、前の日にボロボロの演技をしたあと、アイスダンスのギヨーム・シズロンにアドバイスをもらったのが効いたそう。「自分の体の声を聞け」だったかな(←怪しい)。
なぜエキシに招待しなかったのか…
続きまして、鍵山優真とジュニア世界選手権で競ったアンドレイ・モザリョフ。
ここは意地を見せたいところ。
本日も、モザリョフにすべてを賭ける男 キリル・ダヴィデンコがリンクサイドで見つめます。
フリーは『1492: Conquest of Paradise』。RPGゲームみたいな衣装ですが、コロンブスを描いた映画のサントラです。
おしゃれで小悪魔的な雰囲気がモザリョフの持ち味ですが、あれ、こんなつまんない曲だっけ?
しかし、演技はGOOD!! 179.77で、フリーは2位なんですよ!!
4回転3本成功させて、テクニカルは鍵山選手より上なんです。でも、PCSが低い。
悪いのは、モザリョフではなく、コロンブスだと思う。
続いて、ロシアの若手ナンバーワンの座を争う一人、アルトゥール・ダニエリアンが登場。
モザリョフとは対照的に、古風なプログラム曲が多い選手ですね。今シーズンのフリーは、『シェヘラザード』。
彼も怪我で調子を落としてから、以前のようにスパーンとジャンプが決まらなくなったように思います。手をあげて跳ぶタノジャンプが多いですが、今回は苦戦。スピードがいつもよりないですね。どうしたのでしょうか。
会場から温かい拍手が起こり、最後まで頑張りましたが…キスクラでは、とても悲しそうな顔。
彫りが深いので、悲しい時は本当に悲しそうで胸が痛い。
続いて、今やフランスのエースとなりつつあるアダム・シャオ・イム・ファ。
コーチを変えてから振付師もリショーさんになり、大化けしました。
最近、好きな選手の一人です。
滑っているときの楽しそうな表情が好き。エネルギーを1滴も残さじと滑るステップは、わくわくします。
フリーは『Daft Punk』arranged by Cedric Tour.
ジャンプの失敗はあったと思うし、終わってみればフリー9位ですが、印象に残る演技でした。ジャンプの着氷で、顔が氷から10cmくらいのところまで落ちたのに踏ん張ったシーンがすごかったです。ガッツもあります!!
キーガン・メッシングさんは、『Lullaby for an Angel』byカール・ヒューゴさん+『Home』by Phillip Phillips。
演じているのか、重力に任せて楽しく滑っているのかわからない、ゆるやかで心地いい滑りのメッシングさん。
普段着とも、「エキシも同じ衣装」とも、「色違いで持ってるよね?」とも言えるカジュアルシャツのこの感じ。
しかし、愛と平穏を歌うこの曲を、とてもよく表現しているのではないかと気づいたわけです。4回転1本で2回転も入ってしまうと、点は伸びませんでしたが、ただ滑っているのを見るだけでも楽しい演技でした。
キスアンドクライでの、恒例「スマホで赤ちゃんの写真見せ」も、あと何回見られるでしょうか。
そして、なんとか表彰台に乗ってほしいドミトリー・アリエフが登場。
今回、ロシアからは若手2人と共に参戦した、元ロシア王者にして元欧州チャンピオン。
公表したくない心身の問題を抱えているようですが、一歩一歩光に向かって進んでいます。だからこそ!!表彰台、プリーズ!!
だけど、曲が寂しすぎるよ、ジーマ😭
SPも「雨あがりの道にひとりぼっち」みたいな雰囲気のさみしい曲だし😭
フリーは、『そしてワルツは続く』。羊たちの沈黙でおなじみ、アンソニー・ホプキンスが若かりし頃に作曲した、美しくも物悲しいワルツです。
ジーマの今の心情に合った曲なのだろうか…。
冒頭の4回転ルッツが3回転になったものの、4回転のトゥループは決めて、アクセルの着氷が乱れた以外は目立ったミスもなく、王者の面目を保ちました!!
シットターンからの3回転フリップは、もう少し加点をいただけまいか。
スタミナがないので、最近はスピンのレベルを落としがちでしたが、すべて4でそろえられたのが、大きな収穫。
オリンピック選考までに、本調子に戻せるかドキドキです。曲はもう変えられないよねー??
ここで、アリエフが暫定1位に立ちました。
以降、「アリエフが3位以内に入りますように」と祈りながら、後続選手の演技を見つめていたことを告白いたします。
しかし、佐藤駿君は別です!!
駿君が、アリエフより下にくる可能性は、まずございません。
ということは、優真、駿、アリエフの順か~。やや無理があるな・・・
今シーズンの早い時期から『オペラ座』を仕上げていた駿君。
4回転ルッツ、フリップ、トゥループと、前半は4回転しか跳んでいません。
頑張れ、頑張れ!! こりゃあ、メダル決定ですね!! 177.17。
当然、総合で暫定1位に立った駿君。キスクラで日下コーチに、「2位、誰ですか?」。あら、読めないかな?!ドミトリー・アリエフと申しますよ。日下コーチが一言「アリエフ」って。
次は、ジェイソン・ブラウン選手。歓声もすごい。『シンドラーのリスト』で、ぶっちぎっていくのでしょう・・・と思ったけど、
今回は、ジャンプの調子がとても悪かった気がする。
冒頭の4回転サルコウをGOEはマイナスだけど着氷して、成功した!!と思ったら、3回転が2回転になったりパンクしたり。4回転が入ると緊張するんだろうな。
表現も、いつもの『シンドラー』ではなかったと感じました。
技術点はアリエフのほうが高いけど、PCSはジェイソンが上。総合でアリエフの上に。
佐藤駿君が0.79差でジェイソンをかわして、表彰台が確定しました。
フリーの技術点でジェイソンと駿君は12.25の差があったので、PCSで逆転されたらさすがにつらかったので、ここはよかったと思う。
しかし、アリエフの表彰台はなくなりました😭
ここで、リンク際のランビ伯爵の顔が抜かれて、デニス・ヴァシリエフス登場!!
伯爵、あわててマスクを上げます。
フランス大会で、私が一番感銘を受けた選手の一人が、デニスでした。
コロナ禍に、ランビ伯爵とともにオンライントレーニングによく登場しましたが、
肉体改造したんじゃないかと思うくらい、たくましい体つきになりましたよね。
何より、体幹がすごい!! ジャンプの着氷がどっしりとしてブレないし、
ステップも美しい上半身の動きを、体幹がしっかり支えます。
デニスこそ、アイスダンスに転向できるのでは?
そして、このノリの悪い難解な『ロミオとジュリエット』を完璧に演じたと思うんです。
私は思いましたよ!!「デニス、優勝するんじゃない?!」って。
だって、SPも2位だし、このすばらしいフリーなら、金メダルもいけるのでは??
しかし、フリーの順位は暫定6位。え~
技術点は、4回転サルコウがダウングレード、トリプルアクセルも回転不足で低いとしても、プログラムコンポーネンツもそんなに出てない。しょんぼり。
ラストは、鍵山優真~もうこれは、優勝間違いないでしょう。
SPで、10点以上2位のデニスと差をつけています。
曲は、『グラディエーター』。だけど、『仮面の男』にそっくりな衣装で演じます。
金箔はもう少しほしいところ。
前半は、これでもかっていうくらい飛距離のあるジャンプを跳んでいたので、
このままパーフェクトな演技で締めくくると思われました。
が、後半になるとジャンプが崩れ始めて、“らくしない”ゆまちに変身。
どうやら、脚にきていたようです。アクセルがパンクするなんて珍しい。
ここで気づいたのですが、知らず知らずのうちに、鍵山選手にいつでもノーミス演技を要望しすぎていたかもしれません。反省。
失敗すると次に爆発する選手なので、グランプリファイナルが怖いですね。
最終の順位はこのようになりました。
暴言を交えて綴ってきたフランス杯男子のフリーは以上です。
(怒らないでください)