オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

女子編:昨シーズン魅了されたプロBEST10

こんにちは。男子シングルに続いて、2021-2022シーズンに、

私が好きだった女子シングルのブログラムベスト10をあげてみたいと思います。

 

選考基準は、男子と同じく「このプログラムが始まると聞くと、テレビやパソコンの前に走る」ですが、

 

見逃すな!!

 

女子のお気に入りプログラムを並べてみると、「何もないリンクで一人演じているのに、物語や情景が浮かぶ」という共通点に気づきました。

 

三原舞依 FP『フェアリー・オブ・ザ・フォレスト&ギャラクシー』

 

振付:ローリー・ニコル

「だって、彼女が妖精に見えたから」。このローリーの言葉以上に的確な表現は見つからない。

 

彼女がリンクの中央に立ち、ピアノの鍵盤の音と共に指で羽を広げると、そこは深い森の中。

木々の間から漏れてくる光や、葉っぱの先から落ちるしずく💧、落ち葉の下の虫たちや妖精たちのささやきが、プロジェクションマッピングのように映し出されます。

 

ティンカーベルの羽のように、ふわりと軽く、しかし確かな舞依ちゃんのジャンプやスピン。

後半、彼女が森の中を分け入っていく(歩くようなしぐさをする)場面があって、そこでいつも鳥肌が立ちます。

背筋を伸ばし、正座して、じわっときながら見るプロです。

 

エリザベータ・トゥクタミシェワ SP『オブリヴィオン』

 

振付:タチアナ・プロコフィエワ、シェイ=リーン・ボーン

ゾーンに入ったリーザが演じる『オブリヴィオン』は、問答無用で鳥肌を立たせます。洋画に描かれた女性が動き出したかのような、狂おしいほどの吸引力。

胸をかきむしりたくなるような切ない感情に包まれます。

 

腕をふらふらさせながらジャンプの助走のバランスを取る彼女のスタイルは、あまり好みではなかったのですが、

そのフラフラした手を逆に生かして、移ろう感情まで表現してみせた見事な戦略。息をするのも忘れて見入ってしまいます。

ロステレコム杯のときの演技がおすすめです。

 

坂本花織 SP『グラディエーター』

 

振付:ブノワ・リショー

前にも書きましたが、ローマ時代の高い丘の上に立ち、焼け野原になった戦場を見下ろすオリンポスの女神が見えるプログラム。

 

深いエッジで大海のように揺れるかおちゃんのスケーティングを見ながら、日々のつらいことも忘れ(大げさ)、つらいことがなくても癒されて涙がほほを伝います。

 

樋口新葉 FP『ライオンキング』

 

振付: シェイ=リーン・ボーン

みんな大好き『ライオンキング』。太陽に照らされたアフリカの大地や、サバンナに集まる動物たち、丘の上に立つライオンの親子…。

新葉ちゃん一人で滑っているはずなのに、仲間の動物たちが見える不思議。

 

最初にアイスショーで見たときは、曲名の印象のほうが強くて、子ども向けプロのように感じてしまいました。シーズンが進むうちに、映像の世界が見えるようになって、美しい衣装と共に、黄金色の光の中で、女王になる新葉ちゃんの姿が鮮明になっていきました。

 

オリンピック代表選考のシーズンでもあり、4年前の悪夢を見ている私としては、前半の3Aを含むジャンプパートでは、全身にぐぐっと緊張が走り、

中間の『Remember』の静かなパートでは、彼女の4年間を思ってしんみり。終盤のステップでは、スケーターと共に感情爆発で大満足なプログラムでした。

もちろん、全日本選手権の演技が最高です。

 

ユ・ヨン FP『レ・ミゼラブル』

 

振付:シェイ=リーン・ボーン

今まで見た『レ・ミゼラブル』の中で、一番「硬派」な作品のように感じます。

3つの曲のつなぎ目が少々目立つのですが、一貫して力強いユ・ヨンの演技。

 

特に終盤の『民衆の歌(Do You Hear The People Sing)』に乗せたステップは、男性的(という表現はいかがなものかと思いますが)で、女性スケーターとしては珍しい振付ではないかと思います。

戦う民衆の姿とユ・ヨンが重なり、彼女の演技を応援してしまうのであります。

 

エヴァ・ロッタ・キーブス SP『Baianá』by Barbatuques

 

振付:ブノワ・リショー

エヴァのまったく新しい一面を開拓したこのプログラム。愛らしいだけでなく、ちょっとかっこいいコリオ、ステンドグラスかクジャクさんか、現代版エストニアの民族衣装かといった鮮やかなコスチュームで、見ている私も気分は上々。

不思議ボーカルと手拍子で、一気に観客を引き込みます。

 

私の目には、都会の街中を闊歩する、おしゃれなシティガール(死語?)が見えるのですが、そういった内容の曲ではないようです(笑)

 

アリョーナ・コストルナヤ SP『ニューヨーク・ニューヨーク』

 

振付:ダニエル・グレイヘンガウス

 

コーチ変更、ブログラム変更を繰り返し、大忙しだったコストルナヤ。

北京オリンピックで金メダルを獲ると信じていましたが、運命ってわからないものですね。

 

もともと「エテリ組っぽくない」といえばなかったコス。短期間のお披露目となった『ニューヨーク・ニューヨーク』での生き生きとした表情と演技を見て、理由がわかったような気がしました。

無意味な(に私には思える)つなぎを多用した、せわしないコリオは、彼女には似合いません。

この『ニューヨーク・ニューヨーク』のようなダイナミックなプロでこそ、美しい所作と表情、伸びやかな着氷が映えます。

 

え、これグレイヘンガウスの振り付けなの?信じられない~(笑)

きっと、コスに裏切られた過去を持つグレイヘンガウスが手を抜いて、つなぎを少なめにしたか😆、

「装飾の多すぎる衣装の飾りは取っちゃう」らしいコスが、いらないコリオを省略したか😆、どっちかだな、きっと(裏付けはありません)。

往年のハリウッド女優みたいに、コスが輝いていたプロ。フランス杯でしか、見ていないけれど。また輝いてほしいスケーターです。

 

エリスカ・ブレジノワ SP『スウィート・ドリームズ』

 

振付:ブノワ・リショー

ミハル兄貴と共に、チェコのフィギュア界をけん引してきたブレジノワ一家。

長らく、チェコの女王として君臨してきましたが、ついにオリンピアンになりました。

 

いや、こう来たか!!この曲、今使いますか?

といった感じの懐かしいビートに乗せた『スウィート・ドリームズ』。

マドンナを思わせる鍛えられた筋肉で、クールに決めるエリスに拍手喝さいです。

 

アメリカのドラマで、ダイナー(レストラン)の前でバイクにまたがってる女優が見えます(笑)

ヨーロッパ選手権のときの演技が、一番決まってたと思う。

 

「彼女にこの曲、滑らせた人、天才じゃない? 誰?」

え、ブノワ・リショーなの? 悔しい~

 

エカテリーナ・リャボワ SP『マンボ・イタリアーノ』

 

振付: Larisa Shilo

ロシア出身、アゼルバイジャン代表のスケーターが、マンボ??

最初は期待していなかったのですが、東欧風のクルーな外見とクールな配色の衣装で、見事なまでの『マンボ・イタリアーノ』。いつもノリノリで見ちゃいます。

「♪マンボッ マンボイタリアノ エッ ♪マンボッ マンボイタリアノ」👍

 

「ソフィア・ローレンの映画の中で歌われた」と聞くと、ソフィア・ローレンぽいかも!!使われているのは、ベッド・ミドラーの歌唱によるものですが、

ロシア女子のチマチマしたコリオの前に、世界への扉を閉ざされていた彼女が、

ソフィア・ローレン、ベッド・ミドラーのパンチの効いた世界観で、世界への扉を開け、その名を知らしめたプロです。

 

ルナ・ヘンドリックス FP『The Mystic's Dream 、Spirits、Oriental Mizmar vs Violin』

 

振付:アダム・ソリャ

ヘンドリックスのかっこよさ大爆発の『Oriental Mizmar vs Violin』。

 

エジプトの黄金のスネークを思わせる大胆で柔軟性がある動きと、全身ゴールドの衣装。クレオパトラも彷彿とさせます。

ステップシークエンスは、3倍ぐらいの長さにしてもらって、延々と見ていたいくらい大好きです。

 

豪快な表情も好き。スポーツをしているときは、ただ美しいよりも、「苦しさや大変さ、やっちまった感もさらけ出しながら」の人間的な女性アスリートにひかれます。

 

以上、昨シーズン好きだった女子シングルのブログラムを10個上げてみました。

みなさんの好きなプログラムは、入っていたでしょうか。

入っていなくても、怒らないでね。

 

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