オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ジャパンオープン2022男子の記憶

こんばんは。昨晩は、Googleドキュメントで書いたブログを間違ってゴミ箱に入れてしまい、

 

 

ゴミ箱からも完全削除してしまい、ショックで固まって、もう一生ブログは書けないと思っていました。

 

が、Googleサポートさんが見事にファイルを復元してくれました。

サンキュー・サンキュー・サンキュー♡

 

ということで、昌磨をのぞくJAPAN OPEN 男子について、当日の記憶をさかのぼっていきたいと思います。

 

■トップバッターは、競技から引退したミハル・ブジェジナ。

衣装からすると、プログラムは『ブライアン・アダムス・メドレー』だー。

最近、ネイサンの影響かシンプルな赤シャツやブラック T が多かったけれど、ちゃんと衣装を着ていました!!

かつてスケート・アメリカでも着用した、「ヴェラヴェラ・ウォンウォン先生デザインか?」「ネイサンのストックを借りたのか?」と思う、あのブラック&ストライプの衣装です。

 

これは欧州選手権のときの

 

よく見ると、ヴェラヴェラ・ウォンウォン先生タイプよりも、生地が凝っていました。

 

さてノリノリで始まった『ブライアン・アダムス・メドレー』。すぐに会場から手拍子が起こります。

まずは緊張のトリプルアクセル。オッケー!!良い滑り出しです。

続いて3回転フリップ。 むむっ😑

もう一度3回転フリップ。むむっ😑

「ちょっと、ちょっと、誰かリンクの上にニスでも流した?」という感じで、着氷でツルっとなってしまう。

その後も、ループ、サルコウと、むむっ😑むむむ!!😑が続き、

リンクサイドのコーチ、いやお父さん、怒らないでー😂天を仰がないでー😂

 

競技から引退したのに、6分間練習では、

若手につられてジャンプを頑張りすぎちゃったみたい。本番で使うスタミナを消費してしまったようです。

フィニツシュと共に、膝に手を付くミハル。

とにもかくにも、最後に日本に来てくれてよかった。会場は温かい拍手。

 

しかし、98.26という得点に、耳を疑いましたよ。

本気で採点されてる。当たり前だけど。チェコの審判もいたけど、手加減してないー。

 

■続きまして三浦佳生選手の登場です。

曲は『美女と野獣(ビューティ&ビースト)』。

実は、今回の男子の6人の演技で一番感動したのは、三浦選手でした。

 

 

音楽が流れた瞬間、心臓がかき鳴らされるような感じがしました。

まだ演技は始まっていませんでしたが、

すばらしい演技は、始まる前から予感がするのでしようか。

 

4回転ループたっかーい。4回転トゥ、降りたー

4回転サルコウ、飛距離すごーい。3連も美。

なんだこりゃあ、かっこいいぞー。

上半身の使い方も、昨シーズンとはぜんぜん違う。

 

しかし、余計なことを言わせていただくと、

上着の肩がつまって、手を動かしにくそう。

いっそ、王子様ではなく野獣の斬新な衣装で大暴れしてほしい。

 

1カ所パンクみたいなのはあったけど、エンディングに向かって加速していく感覚に心が躍ります。

昨シーズンは、脚の怪我もあって動きに粗さが目立っていたけれど、とても洗練されていて、王子の衣装も素敵でした。(でも、野獣バージョンが見たい😝)

 

会場総立ちでスタオベでしたね。関係者エリアの人々も、頭上に手を挙げて拍手~。

 

東京選手権では、「最初から最後までビースト(野獣)で終わってしまった。王子に戻れるように頑張る」と言っていたので、

試合後の会場インタビューで、「今日は、ビューティとビーストの割合はいかがでしたか?」と。

 

佳生くん、「ビューティ8割、ビースト2割です」と答えた後、

女子2人に「違う、違う」と指摘され、

「あ、ビーストが8割でビューティが2割」と言い直していました。

 

しかし、この場合の“ビューティー”は“美女”であって、“王子”ではない。

「美女2割で野獣8割」っていうと、

このどーもくんみたいな感じ?

 

毎日新聞 吉田航太氏撮影 NHK杯会見

 

■3番滑走は、ジェイソン・ブラウン選手。

ジェイソンがリンクに入ってくるだけで、

しあわせオーラが振りまかれ、すごい拍手と歓声。

あれ歓声?? 賑わい席(関係者席)の面々ですね。仲間にも愛されているジェイソン。

 

曲はラマンチャの男より『見果てぬ夢』。

このプロ、フレンズ・オン・アイスで見ていましたが、ショーナンバーだと思っていました。

ロヒーン・ワードと新しく振り付けたフリーは、これだったんですね。失礼しました。

 

ジェイソンも、今シーズンは競技から離れています。

が、現役感バリバリで、演技に一切の劣化なし。

ただ、ジェイソン比では、ショーで見たときのほうが、すべてが伸びやかでエモーショナル。

当たり前ですが、競技になると緊張もあるし、ジャンプの着氷もステップもスピンも、変わってくるものだなぁと思いました。

 

リンクサイドのトレイシー・ウィルソンが、「がんばれー」みたいに、笑顔で何度も叫んでいたのが印象的。

最後、ジャンプで転倒すると、「ありゃあ」とバンザイして崩れていました。コーチというよりファンみたい。終始楽しそうでした。

 

ジェイソンも、終わって「あちゃー」と頭に手をやってました。

だけど、総スタオベで大歓声(from賑わい席)、ものすごい数の星条旗でした。

このプロ、もう一度、どこかで見たいなぁ。

 

■続いては、欧州チームの期待を一身に背負ったダニエル・グラッスルが登場。

とってもヨーロピアンな色合いの素敵な衣装。

プログラムは、フランス映画『友だちの恋人』。振り付けは、ブノワ・リショー氏。

 

説明されなくても、ストーリーが空想できるタイトル。

いかにもリショーさんセレクトの曲名に、「やられたー」と思いつつ、

グラッスル君の動きがとてもいいので見入ってしまった。

 

ジャンプは、いつものように判定が難しい感じであったが(首に負担はないのか?)、

そのほかは、かなり滑り込まれている印象。

バランスを取るのが難しそうな姿勢でのスピンも、足元が一切ぶれない。ものすごい拍手。

 

リンクサイドで、「どうどう?うちの子、いい感じでしょ」と言った感じで、

賑わい席(関係者席)を振り返る風格あるブロンドの女性。

 

 

グラッスル君ママだと思っていたけど、

新コーチのオルガ・カニシェワだったみたい(たぶん)。

 

ミスは最小限に見えたけど、点数は予想より伸びず。

採点表みたら、ジャンプがほぼ減点対象になっいて、うーむ…ちゃんと厳しく見ているんだなぁ(当たり前)。おっと、テクニカルパネルに日本のあの方のお名前が…

 

■などと考えているところで、キラキラ光る衣装の昌磨がリンクへ。

観客も関係者も、世界王者の初戦を見ようと、身を乗り出します。

先日書いたので、割愛いたします。

www.tanegashimapi.com

 

■ラストは、イリヤ・マリニン君で『Euphoria』。

マリニン君バナーを持った人たちが、パタパタしています。赤ちゃんの顔みたいなイラストが、かわいい。

4Aを見届けようと、私も、まばたき禁止で見つめました。

 

毎回思うけど、最初のポーズ(両手を前に出して、頭をそらせる)は、苦しそうじゃないですか?

 

こういうポーズ

 

USクラシックの時みたいに、音楽がなかなかかからないときは、

顔を一度上げてキョロキョロしなきゃいけないし。

 

4Aは、ステップアウトしたけどお尻はついていないし、ほぼ回っているように見えました。

マリニン君のすごいところは、4Aで体力を使い果たさず、

安定感抜群の4回転や連続ジャンプを、バシッ、バシッと決めてくるところ。

 

ジャパンチームの目の前で4Lzq+1Eu+3Sを跳んだとき、

昌磨と佳生君が、「いやいやいや、ありえねー」って感じで、

笑いながら首を振っていたのが見えました。

 

ジャンプも鬼構成だけど、私が一番「シェイ=リーンは鬼だな」と思うのは、

コリオシークエンスです。

体力の消耗が激しい動きのみで構成され、稼ぐ点数に比べて、疲れすぎる。

 

USクラシックで見た、両足をお腹に引き付ける屈伸のジャンプはなくなっており、

片足を伸ばして跳ぶジャンプに変わっていました。さすがに、疲れすぎると気づいたのかも(笑)

 

最後のほう、北米チームの3人が立ち上がって、

手拍子でマリニン君を鼓舞していました。

マリニン君パパもリンクサイドにいるんだけど、

さっぱり系でカジュアルな服装なので、風景に溶け込んで会場スタッフみたいなんですよね。

演技後は、こちらも総スタオベ。星条旗が客席で揺れて、ヤンヤ、ヤンヤの大喝采でした。

 

昌磨は、試合後の会場インタビューで、「マリニン君のほうが僕よりいい演技をしたと思っている」と言いました。

 

私は、点数を気にしていなかったのですが、

得点は、昌磨と0.58の僅差だったようです。

 

昌磨の演技のほうが、全体としてクラス感が上だと思いましたが、

今後は、ジャンプがノーミスでないと、厳しい戦いになりそう。

 

マリニン君を“ジャンプだけ”という人もいますが、

絶対に違うと私は思います。

今は、ジャンプの負担が大きすぎるので、

他まで完璧にやるのは難しいかもしれませんが、

柔軟性や姿勢の美しさも持ち合わせている選手です。

 

ネイサンほどすごい選手は現れないだろうと思っていましたが、

必ず誰か現れるものですね。

昌磨も、別次元に達しているし、時代は先に進んでいく。

 

で、今回、長洲未来選手、マライア・ベル、ミハル・ブジェジナ、ジェイソン・ブラウンと、競技を引退した選手が出ていました。

 

途中で、「現役のノッテる選手がこれだけ大勢いるのに、引退した選手が必死に滑っているこの大会は何なのか?」と、考えた瞬間がありました。

答えはわかりません。

 

ただ、本当にいい大会だったんです。

本当に楽しい会場だったんです。

観客も関係者も盛り上がって、応援して、心が温かくなったり涙が出そうになったり。

出場した選手も、笑顔と涙と幸せそうな表情で、

表彰式では、みんながハッピーな気持ちだったと思います。

 

いろいろ考えると矛盾点もある大会だけど、

他にはない不思議な素晴らしさがある大会。

それが、ジャパンオープンだと思いました。