オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

昌磨が「“神大会”で優勝した」という喜びと信頼感

こんにちは。

グランプリファイナルの男子フリーは、ものすごい戦いでした。

6人全員にスタンディングオベーションしたくらい、本当にすごかった!!

その中で昌磨が優勝したことが誇らしかったし、次のステージに進んだ感のある昌磨に対する信頼感、みたいなものも強くなりました。

 

こちらは、トヨタイムズでの本人コメント。

4分50秒あたりから。

 

ランクル300 ダカールラリー デビュー!サーキット…公道…そして今度は砂漠がクルマを鍛える!|トヨタイムズ放送部 - YouTube

 

いろいろな記事が出てきていて、昌磨とステファンとの行き違いについて書かれた記事は、私も少し悲しい気持ちになりましたが、どういうニュアンスで言ったかわからないので、深く考えるのはやめます。

 

そういうときは、またこの幸せな動画を見る😊

 

Uno1ワン チャンネル宇野樹より

自分の目で見たものがすべて。

いつも動画をありがとうございます。

 

そして、「グランドスラム」という言葉や「オリンピック」というワードが出始めています。期待していただくことはありがたいことかもしれませんが。

 

昌磨ファンとしては、昌磨がグランドスラムなんて目指さないことは、百も承知。

そこに価値は見出さないと思うし、金・優勝至上主義では語れないものが、宇野昌磨というスケーターにはある。

ってか、グランドスラムって、そんな言葉なかったでしょ。テニスかい?!またS造さんを思い浮かべたが、彼ではなくてマスコミが話題作りのために言い出したことだよね。

 

次のオリンピックも、そこまで滑ってくれていたらうれしいけれど、別にね。

それよりも、技術と芸術が融合された昌磨のプロを、あと何種類見られるかのほうが気になります。

 

男子ファイナル神フリー覚書

昌磨以外について書く時間がなかったので、男子フリーの感想を書き留めておこうと思いました。

 

駿君の銅を予想してました

第一滑走は、佐藤駿選手。

 

 

実は、ショートを終えてからの私のメダル予想は、

金 宇野昌磨

銀 イリア・マリニン

銅 佐藤駿 でした。

 

駿君は、フリーに絶対的な自信を持っているし、SPの6位も、果敢に4回転ルッツに挑んだ結果。後輩の佳生くんとも一緒に行動しているらしかったので、

フリーは、ルッツも含めて意地のノーミスで、表彰台に駆け上がると予想していました。

『レッド・バイオリン』。アドレナリンが出て、心が躍りました。

美しすぎる軸を作れる天才的なジャンプ技術と、表現がそれほど外向きではない駿君にとって、畳みかけるようにジャンプを跳んで魅了する『レッド・バイオリン』は、とても合っているプログラムだと思います。

 

ただ、ヨーロッパのジャッジには、ノーブルに粛々と演じる日本的な表現は、評価されないのかな。日本のジャッジと他国のジャッジの間で、PCSに開きがありましたね。

全日本では、高評価されるかもしれません。表彰台にあと1歩の4位でした。

 

ベビーフェイスの野武士マリニン

二番滑走のマリニン君は、ベビーフェイスの野武士みたいで、本当にすごかった。

 

 

今シーズンは、ショートで苦戦して、フリーで怒涛の巻き返しを図るパターンです。練習熱心で真面目な性格のようなので、怪我をしていても、本気で勝ちにくるとわかっていました。

 

で、想像以上にすごかった。4回転攻勢に出ても、粗い仕上がりで回転不足がいくつも出るかと思っていましたが、すごい集中、すごい忍耐力で、4回転アクセルを成功させた後も、さらに4本の4回転を跳んで、ジャンプシークエンスのわずかな減点以外、+評価でした。

 

自分の身長より高く跳んだんじゃないかと思うような4回転アクセルは、GOEが+3.04!!試合でもう一度成功してよかった。

4回転はどれも、極細の軸で、失敗する気配もありませんでした。

 

さらに、私がいつも感嘆するのは、最後のステップシークエンスです。4回転をこれだけ跳んだあとに、きつい跳躍まみれのシェイ=リーン・ステップ。彼のプログラムを彼のレベルで再現できる人は、体力的にもいないんじゃないかと思います。

フリー191.84で、暫定1位に躍り出ました。

 

母国開催の重圧に勝ったグラッスル

3番滑走は、ダニエル・グラッスル。

地元の声援を受けて、映画『友人の恋人』に着想を得たというプログラムを演じます。

 

 

ストーリー性のあるプロを芸術的に演じるグラッスル君がいてこそ、ファイナルのレベルが一層高く、深みを増すのでした。

衣装、グリーンからブラックに変えましたね。グリーンは、ヨーロッパぽくて素敵でしたが、本人の好みでしょうか。

 

母国開催のプレッシャーもあったと思いますが、4回転ルッツ、フリップ、ループを入れて、作品の世界観も損なわない演技。

スタンディングオベーションと感涙に包まれました。

 

しかし、ですね。グラッスル君は、飛び方が独特なこともあるのか、後から回転不足を取られるケースが、とても多い選手です。

今回は、ルッツを3本跳んで、3本ともエッジがクリアではないと判定されて減点されました😢演技を見直すと、確かにエッジが倒れてないですね。スケート・アメリカのルッツを見直してみましたが、そちらのほうがエッジは良くて、エラーはコールされていませんでした。が…踏切の足の方向もあるのかな…。

今回は、回転不足2本、ダウングレード1本で、6本のジャンプがマイナス評価となりました。これはキツイ。本人もがっかりして見えました。

 

グラッスル君は、拠点を米国に移していましたが、イタリアの元のクラブに戻ることを発表しました。家族や友人と離れているのがつらい、と。ハッピーにスケートができないなら、当然だと思います。

ロレンツォ・マグリコーチもいるので、モリシ・クヴィテラシヴィリと同門になるのでしょうか。

 

ラストに4回転を跳ぶ男、三浦佳生

4番滑走は、三浦佳生選手の『美女と野獣』。

このプロ、めちゃめちゃ好きです。曲の出だしから、ゾワッとくる。聖夜の全日本で見たら、鳥肌ものだと思うので、今から楽しみにしています。

 

 

オープニングは、今シーズン挑戦している4回転ループ。3回転になってしまいましたが、続く4T+3Tの見事さよ!!爆速からの長距離4T+3Tは、佳生君の代名詞になりつつありますね。4T+3Tが4T+2Tになるなんて、想像すらできません(笑)

 

4回転サルコウも、セーフ。そして、リンクの外周4分の一を跳んだんじゃないかと思われる3Aに、すっかりハッピー気分。無意識のうちに「♪ふふふーふ ふーふ ふふぅ」と、曲(『野獣の歌』)をハミングしていました。家族もいたのに、はずかし~😅ちなみに、日頃、私が歌うことはまずありません。

 

後半の4Tが2回転になって、大きく点数を失いましたが、最後のジャンプシークエンスを、いきなり4Tに!! うぉー、これが三浦佳生ですよ。ラストジャンプを4回転に。この度胸、他の人にはないですよね(あったらごめんなさい)

 

ISUの実況を聴いてみました。

「佳生は演技後に首を振っていましたが、すばらしいプログラム、素敵な衣装、グレートなスピード、リンクをぐるっと横切って踏み切る随一のトリプルアクセル。後半少し乱れたが、この若いスケーターのスケーティングのクオリティは、本当にファンタスティック」みたいに絶賛していました。

 

草太君のジャンプを見守る会

続いて、山本草太選手の『ピアノ協奏曲第二番』。

NHK杯の頃から、昌磨のとの1、2フィニッシュについて何か書こうとするたび、「ジュニア時代に二人で海外遠征に行って、食事したり街を歩いたりしている写真がどこかにあったはず」と思って画像を探すのに時間がかかって、結局見つからず…を繰り返しています。今回も、見つからず😢

昌磨のリンクメイトである草太君は、練習での好調さが伝わっていましたが、NHK杯のフリーが記憶にあったので、ちよっとどきどき。

 

 

4回転サルコウは完璧。4T+3T→単独の4T→ジャンプシークエンスまで、静けさの中で決めていく様に、鳥肌が立ちました。

ただ、後半は、本当に申し訳ないけれど、ジャンプが崩れるのではないかと予想していたことを懺悔します🙏転倒もなく、見た目ノーミスで、技術点が100を超えていました。恐れ入りました。雄大なイーグルも見事。

 

後半は、「草太君のジャンプを見守る会」みたいになって、私も「よっしゃー」と拍手をし、本人も逐一ガッツポーズをしていたから、ラフマニノフの世界観はなかったかも。それでも、最終滑走の昌磨、いやステファンに😂プレッシャーを与える、すばらしい演技でした。

 

怪我から復帰した後、あまりしあわせそうに見えない時期もあったので、山田組に移って楽しそうなのが、見ているこちらもうれしいです。

NBCの放送では、タラ・リピンスキーが、「草太は、石飛ばしで、水面を石が飛んでいくようなスピードでリンクを滑っていく」と表現していました。

 

というわけで、SP6位で第一滑走の駿君が、ノーミスの演技をしたことが、戦いに火をつけたと思います。

そして、神演技からの神演技、さらに神演技が続いて、最終滑走で神演技をしてみせる宇野昌磨に、改めてほれぼれした大会でした。

 

メダル持ち職人芸は健在

1位から6位まで、全員がすばらしい、記憶に残る2022年のグランプリファイナル男子。

そして、一週間後は、グランプリファイナルより過酷な全日本選手権ですね。はやい~