こんにちは。
昨夜、NHK BS放送で『スポーツ×ヒューマン “自分を超える”頂点の先へ フィギュア 坂本花織』を見ました。
わりと淡々としたドキュメンタリーで感情の誘導がなく、
かおちゃんの素直な心情と状況がわかって、安心しました。
私の中では、「坂本花織は、“ここ一番”に照準を合わせてくる選手だから、
シーズン前半にパーフェクトな演技が出来なくても大丈夫」という思いがあります。
だから、スケート・アメリカでの優勝が圧倒的大差でなくても、NHK杯で1位じゃなくても、「ファイナルでは完璧な演技を披露するはず」と、待ち構えていました。
だから、ファイナルで表彰台に届かず、舞台裏で号泣している様子を見て、
ちょっと心配になっていました。
でも、昨夜の放送を見て、かなり安心したし、
自分の勝手な思い込みも、捨て去ることができました。
北京オリンピックシーズンに「これ以上できない」というくらい自分を追い込んだ彼女は、平昌オリンピックの後に燃え尽きた経験をふまえて、
今回は燃え尽きないために、「少し抑えめのシーズンでもいい」と思っている(と受け取りました)。
それが、「そこまで頑張らなくてもいいんじゃないの?と思う」という、かおちゃんの言うところの“悪魔の声”であり、
ファイナル後の中野先生の「あれは自業自得」につながるのかな、と。
「少し抑え気味に」と思いながらも、世界女王、オリンピックメダリストとしては、
みっともない演技もできないし、闘志もある。
様々な感情が混ざる中、体が100%ついてこない。そのシンドイ状況で、彼女は必死に頑張っているのだと感じました。
それが、グランプリシリーズでの、「苦しい状況でも前に進む姿勢は貫き通せた。」(番組内でのコメント)につながるのかな、と思います。
今シーズンは、曲線的で柔らかな動きを身に着けようと、
マリー=フランス・デュブレイユに振り付けを依頼した話も出てきました。
デュブレイユさんの手の動かし方についての指導は、他の選手にもかなり参考になる話だと思います。
先シーズンの演技と比較すると、一目瞭然に動きが柔らかくなっていました。(曲の方向性も違いますが)
何度かブログに書きましたが、私は、今シーズンの坂本選手の演技を見ると、“イサドラ・ダンカン”が思い浮かびます。
モダンダンスの祖と言われる人で、私も詳しいわけではないのですが、昔、NHKの映像で見た踊りが、目に焼き付いています。
バレエ的な動きではなく、自重と共に流れるように動く感じや、線に厚みがある感じが、エネルギーを感じさせて心地いい。かおちゃんの動きも、同じです。
「美しい」というよりも、私の体の中でエネルギーが移動する感覚、エネルギーを呼び覚ましてくれる感覚があります。
番組の中でかおちゃんが、「0.01でも自分に勝てたら勝ったになる。」と言っていましたが、
この柔らかな動きを身に着けた時点で、「すでに勝ったのでは??」と思いました。
この言葉、いいですね。
0.01の変化なんて、外から見たらわからないかもしれない。
でも、人になんと思われようと、
自分で自分の何かを克服できたと感じたら、それは勝利に他ならない。
一つ一つ積み重ねたものが、次のオリンピックで全部合わされば、“最強坂本花織”の出来上がりですよね。
・・・と、以上はすべて、私なりの解釈です。
番組が見られない人は、こちらのサイトに取材記事が掲載されています。
坂本花織 "昨季を0.01点でも上回りたい” 消えない闘争心で前を向く|NHKスポーツ
ウクライナの女性が、インスタグラムに坂本選手に捧げる投稿をした話が各方面で紹介されています。
最初に発見して訳して紹介された方、すばらしい👏
恐怖で極限状態にある人を、こんなふうに救えたことを知ったら、
どんなエールよりも、パワーになると思う。
フジスケの選手紹介でも、
今年も全力で戦い抜いて、埼玉での世界選手権の切符を掴みとります!!
って書いてあるし、
熾烈な戦いが繰り広げられると予想される全日本選手権で、
坂本花織は間違いなくトップを狙ってくるでしょう。
と、今回も期待してしまう私をお許しください。