オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

今だから見える、感じるFOD「かなだい全日本ドキュメント」

FODで公開されたフイギュア激闘録2022-2023の第5回は、

「村元哉中・高橋大輔組 全日本選手権ドキュメント」です。

 

 

競技生活としては、これ以上ないくらい、

しあわせなエンディングを見せてくれた“かなだい”。

結末がわかっているから、

もう、どの場面を見ても楽しいし、どの場面を見てもしあわせ。

 

全日本の『コンガ』も『オペラ座の怪人』も、

落ち着いて見返す今、より心にしみてきます。

 

試合中は、緊張で心臓がプラスチックのようにカチコチになっていて、

感動の染み込み具合が、今とは違った。

 

『オペラ座の怪人』なんて、

しっとり、ゆっくりストーリーや二人の間の空気が心の奥まで浸透してきて、

そのすごさに震えます。

 

 

アイスダンス未経験から、

いきなり頂(いただき)を目指す心理は、どのようなものなのだろうか。

 

自分に出来ようが出来まいが、頂点に向かうことしか見えてない。

ゴールを山の中腹に設定して、“その他大勢”で終わるなら、

そもそも挑戦するという選択肢はないのだろうな、と思いました。

 

全日本のフリー『オペラ座の怪人』での最後の転倒。

大ちゃんの右足があんなに上がってなくて、氷の上をスライドしていたら、

美しいエンディングに見えたのではないか…と思いましたが、

 

よく見ると、右足を高く上げることで必死にバランスを取って、

哉中ちゃんを最後まで支えようとしていたことがわかりました。

 

リアルタイムで見たときは、

フィニッシュ後に苦悩する大ちゃんの表情に爆笑して、

笑顔、笑顔で楽しかったのですが、

今回は、「やっちゃった」と泣きそうな子どものように言う大ちゃんと、

やさしく抱きしめる哉中ちゃんを見て、なぜか号泣してしまいました。

 

当時は、膝のことなんて、頭になかったから。

シングルで復帰したり、アイスダンスに転向したり、

常人には考えられないことばかりやってのけるので、

高橋大輔が膝にボルトを入れてたことなんて、

とっくに忘却の彼方だった。(後に除去)

 

強い人だなぁと思います。

歩けない日があるくらい膝の具合が悪いことを、

引退するまで言わなかったですよね。

 

シングルで復帰したときも言わなかったし、

アイスダンスに挑んだ3シーズンの間も言わなかった。

 

ジャンプが跳べなかったり、リフトでぐらついたり、転倒したりすることを、

年齢のせいみたいに報道されたり解説されることもあったわけじゃないですか。

 

私だったら、悔しいから激白しそう(笑)

シングル時代後期に、スケートをあまり見ない人に、

「高橋大輔って4回転跳べないんでしょ?」と聞かれて、

「違うよ。他の選手が4回転を跳んでない時代から、何本も跳んでた選手だけど、膝を怪我して云々」と、ムキになって何度力説したことか。

つくづく、凡人であ~る😅

 

大ちゃんは、四大陸選手権で転倒したときも、何も言い訳しなかった。

哉中ちゃんに引退の意志を告げたのが四大陸の後で、

焼き鳥やさんで泣きじゃくった話は、かなりつらかったです。

 

ビデオの最後のほうで、「成長の要因」について聞かれたとき、

話を振られたわけでもないのに、

小松原組に言及したのもすごいと思った。

かなだいへの熱狂で、存在が忘れられたような扱いになってしまっていたから。

 

かなだいが競技引退したあと、若手のパートナー解消もあり、

また小松原組だけになってしまうのか…と危惧したりもしましたが、

 

かなだいが熱気を残していったアイスダンスの土壌は、凍土と化すことなく、

やってみたいと思うスケーターを増やしているようです。

 

「アイスダンスでオリンピックを目指す」と宣言している西山真瑚選手も、

田中梓沙選手というパートナーが、無事に見つかったようです。

(新パートナーに失礼なので、他選手とのトライアルの記事は削除させていただきました。)

 

かなだいにドキドキさせてもらった、夢のような3シーズン。

舞台裏の様子も楽しく、笑って泣けた、とてもいい動画でした。