北京オリンピックから500日が過ぎても、
フィギュアスケート団体戦のメダルは、
米国、日本に渡されないままだ。
時間ばかりが過ぎていく中、
声を上げ続ける米国チームの姿勢こそ、
アスリートとしての、また、スポーツに敬意を払う者としての
あるべき姿だと、私は思う。
More Than Medals: 500 Days and Counting - U.S. Figure Skating Fan Zone
BABEさんのブログに、米国チームのコメントの訳が載っていて、
心に刺さるものがありました。リンクお借りします🙏
空のメダルケースから500日 | BABE Collection feat. ネイサン・チェン ~Nathan Chen~
どの選手のコメントにも知性を感じるし、
「自分にとってオリンピックとは、メダルとは何か」を
言語化できているのがすごい。
コメントの一部を切り取って申し訳ないが、
特に刺さったのは、
私にとってメダルは、祝う価値のある業績を達成するために費やされた、長年の努力と犠牲を表しています。(エヴァン・ベイツ)
私にとってメダルは、努力、トレーニングの積み重ねを表すと同時に、チームと家族からのサポートと犠牲を表しています。(アレクサ・クニリム)
私にとってメダルは、卓越性を追求するための長年の忍耐と犠牲を、最も純粋な形で表しています。(ヴィンセント・ジョウ)
私にとって、空のメダルボックスは、約束が破られたことの象徴です。アスリートとスポーツの暗黙の高潔さの間で交わされる「全力を尽くし、クリーンに競技し、持てるすべてを捧げ、その上で一番優れていれば、メダルを受け取ることができる」という約束。(マディソン・チョック)
マディソン・チョック選手の
「空のメダルボックスは、約束が破られたことの象徴」という言葉に、
今シーズン復帰がアナウンスされた樋口新葉選手のことが、ふと浮かびました。
平昌オリンピックの選考から漏れた後の彼女の葛藤、苦闘を思うと、
空のメダルボックス=守られなかった約束が、
どれだけ空虚で、心折れるものであったか。
北京の表彰台でメダルを首にかけてもらいたかった、
メダルをかけて羽田空港に降り立ってほしかった、と思う。
しかし、毎度のことであるが、
米国スケート連盟やスケーターの発信を見ると、
「日本は何もしないのか?」と、反射的に思ってしまう。
確か、「要望は出している」というコメントは、二度ほど見たと思うけれど、
世論やオリンピック委員会を動かすインパクトは、ゼロだと思う。
ロシアのドーピング問題で棚上げにされているメダルだから、
直接の被害者は、銀メダルの米国と銅メダルの日本。
4位のカナダは、繰り上がれば銅メダルだけど、
「メダルをよこせ」とは、言いづらい立場だと思う。
だからこそ、日本と米国がカギなのに、日本の影は、どーも影が薄い。
米国が連携したいと思うほどの熱意が、
日本にないのだろうな、と推察する。
先日、大成功、大盛況のうちに幕を閉じた国別対抗戦2023。
皮肉なことに、国別対抗戦は、
オリンピックに団体戦を組み込むことを前提にスタートした大会(でしたよね?)。
国別対抗戦が成功とみなされて、
ロシアのソチオリンピックから、団体戦が競技に組み込まれた記憶がある。
国別対抗戦2023は、めちゃくちゃ楽しかったし、
応援できたのは、この上もない幸せだったけれど、
「北京オリンピック団体戦のメダルが棚上げになってるなら、開催しない」くらいの姿勢でもよかったんじゃないか??
あ、そもそもロシアは出場禁止だった。
クリアに競技をしているスケーターから、
出場の機会を奪うのは、違うかもしれない。
事情も知らずに、こんなことを言って申し訳ないけれど、
本音では、昌磨にも声をあげてほしいと思っている。
「今」を大事にする人なので、
過去のメダルにこだわりはないと思うし、
「一度取ったメダルに興味がない」のも、わかっている。
チームメンバーの間では、メダルよりも、
共に戦った経験が、宝になっていることも予想できる。
だけど、北京オリンピックの団体戦に、
昌磨は脚の怪我をおして出場して、
コロナ禍で隔離された選手村で、毎日、鼻に検査用キットを入れられながら、
ステファンが団体戦に来られない中、
チームの先陣を切ってノーミス演技をやってのけ、
日本の銅メダルを引き寄せた。
昌磨にも、団体戦のメダルを受け取ってもらいたいし、
個人戦でメダルを手にしていない仲間のためにも、
日本人最多メダル保持者の昌磨が、何か発信してくれるとインパクトがありそう。
とはいえ、一人にリスクを負わせるのは違うと思うから、
日本スケート連盟が先頭に立って、
「早くメダルよこせプロモーション動画」を作ってもいいんじゃないかと思う。
例えば・・・小さいころから、早朝のリンクへ、送り迎えを欠かさなかった家族の元へ、「オリンピックでメダル獲ったよー」って帰ってきて、
涙ながらに箱を開けたら何も入ってない…っていうダークなやつ…。
スポーツ仲裁裁判所が9月下旬に、
ワリエワ問題の当事者たちの聴聞会を開くという。
ここまでで、約600日。
しかし、関係者の話を聞いたとて、その場で裁定が下されるわけではなく、
裁定が下るまでにまた時間がかかり、
その裁定を受けて順位をどうするのかという決定に時間がかかり、
気が付いたら、次のミラノオリンピックが終わってるでしょうな。
そういえば、日本にもメダルの空箱はあるのだろうか?
確か、「替わりにオリンピックトーチさしあげましょうか」っていう話もあったので、
トーチを選んだのかもね😉
あ、週末のオリンピックコンサートにトーチ、出るかな??😎