初めに、お詫びします。
この記事は、大変ばかばかしい内容です。
さて、演技中に審判(ジャッジ)とコミュニケーションができるスケーターは、
そう多くはありません。
有名どころでは、
- 審判団に微笑みかけ、女性ジャッジに一輪の花を差し出してみせた高橋大輔氏の『道 エストラーダ』。
- 審判席に腕を伸ばしてニャーと微笑みを飛ばす、宇野昌磨氏の『ダンシング・オン・マイ・オウン』。
- 観客席だけでなく、審判席にもカモンカモンなエリザベータ・トゥクタミシェワさんの『My Love』などが思い浮かびます。
しかし、さらなる勇気を必要とするのは、「審判席に近づくこと」。
自分の演技を採点しようとしている恐ろしいジャッジたちに接近する勇気は、
スタンディングオベーションにふさわしいものだと思います。
それゆえ、私は常々、ジャンプの着氷の美しさや表現の繊細さと同じくらい、
スケーターと審判席の間の距離に、関心を向けてきました。
私が、ケージ・タナカ氏を愛したのも、
彼が、ジャッジの肝を冷やすようなダイナミックなジャンプを、
審判席めがけて跳んでいたからにほかなりません。
密かに開催されていた「審判席にもっとも接近したのは誰だ?」選手権。
昨日、新王者が誕生しました。
それでは、現在のトップ3をご紹介しましょう。
まず、第3位は、われらが坂本花織。
この世に何千人というスケーターがいようとも、
審判団を蹴り上げ、脅かすことができる大胆なスケーターは、坂本花織、ただ一人。
『マトリックス』では、
審判席の右手から接近してジャッジをギョッとさせた後、
左手に回り込んで、審判席を蹴り上げ、
スケート靴のエッジをスレスレで切り返すという離れ技。
手前の男性ジャッジが、怖がってのけぞっているのがわかるでしょうか?
この技には、相当な集中力と背筋、体幹が必要だと思われます。
一度、試合の練習中に、脚が席にひっかかって危なかったことがあったような、なかったような…。
一つのプログラムの中で、一度ならず2度も審判席に攻め込んだという点で、
高いGOE(出来ばえ点)が付きました。
第2位は、ロシアのマカール・イグナトフ。
フリー『Iron Sky』を初めて見たとき、
思わず、「近い、近い、近い」と口に出してしまいました。
たぶん、審判席と15cmくらいしか離れていないと思う。
音楽が始まるまで、お互い気まずいのでは??
沈黙と静止時間の長さから、高いGOEが付きました。
ロシア国内大会では、坊主頭の強面ジャッジが、
「負けじ」と身を乗り出して、イグナトフをにらみ返しました。
私としては、イグナトフがガッと正面を向いてにらみ返し、
手元の採点表をのぞき込むくらいのアクションが欲しかったのですが、
イグナトフは、正面を見ることなく演技を開始。
強面ジャッジの勝ちとなりました。
しかし、あの位置から演技を開始するのに、何か理由があったのでしょうか。
そして、このたび、私の中での「審判席接近選手権」の記録が更新されました。
第1位、新王者は、三浦佳生選手のフリー『進撃の巨人』です。
木下杯の映像を横から見ると、
リンクからはみ出していて😆びっくりしたよ。
「壁にアゴを乗せちゃう」的なセンスの良さに、高いGOEが付きました😆
さすが次世代のエース。好きだよ、こういうの😆
この後、佳生くん、「あ、どーも、すいません」みたいな感じで、
ペコペコお辞儀してました。
げんさんサマーカップでは、ジャッジのみなさんが笑いそうになっていたけど、
日本人同士は、見つめ合うのって苦手ですよね。
でも、グランプリ大会カナダやフィンランドのジャッジなら、
ぐっと目を合わせて、「グッジョブ」とか「ナイスファイト」とか言ってくれそう。
見所が増えたな👍
衣装も、ドリーム・オン・アイスのときより、
こちらのほうがスタイルがよく見えて、かっこいいと思います。
頑張れ、佳生くん!!
まとめますと、「審判席にもっとも接近したのは誰だ?」選手権の
現時点でのトップ3は、
1位 三浦佳生
2位 マカール・イグナトフ
3位 坂本花織
となっております。
新シーズン、さらなるツワモノの登場が待たれます。