オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ブレイディ・テネル、上海トロフィーで復活&紀平梨花選手

こんばんは。

今夜は、上海トロフィー(上海超級杯)の女子フリーが行われました。

YouTubeの公式ライブ配信動画は、ライブ後に非公開となりました。

明日の男子を見る方は、注意が必要です。私は、たぶん見られそうにありません。

 

さて、上海トロフィーの女子フリーは、

ベルギーのニーナ・ピンザローネ、エストニアのニーナ・ペトロキーナ、米国のブレイディ・テネル、韓国のヘイン・リーが、

次々とほぼノーミスの演技を披露する、ハイレベルな大会となりました。

 

みなさん、仕上がってますねー。

滑り終わった選手の表情が、達成感に満ちていて、

見ていて幸せな気分になりました。

 

金 ブレイディ・テネル 銀 ヘイン・リー 銅 ニーナ・ペトロキーナです。

 

 

演技が素晴らしかった割には、点数がやや伸びなかったのですが、

(テネル132.42、ヘイン126.83(FP3位)、ペトロキーナ131.08)

採点表を見ると、ジャンプの回転不足を取られた選手が多かったようです。

 

そんな中、大事な北京オリンピックシーズンに怪我で苦しみ、

復帰後も紆余曲折のあったブレイディ・テネル選手が、ついに復活。

 

『誰も寝てはならぬ』に乗せて、

「私の演技から目をそらさないで」とばかりに、

全身ブラックの衣装で気迫あふれる演技を見せ、フリー132.42点。

総合で逆転して金メダルを獲得しました。

 

ジャンプをすべて着氷し、

演技後、大きく振りかぶってガッツポーズをし、

自分に対して、うん、うんとうなづく姿に、

パソコンの前で拍手、拍手。

 

 

昨シーズンは、3回転ジャンプを跳ぶことさえ難しく、「リンクで何度転んだことか」と話していたテネル選手。

これはもう、“完全復活”と呼んでいいのかな。

 

そして、同じようにオリンピックシーズンに苦しんだ、紀平梨花選手のことが浮かびました。

 

 

本当に、心の強い人だと思います。

 

怪我をした後、選手生命を守るために、グランプリシリーズと全日本を辞退して、事実上、北京オリンピック戦線から撤退したのもすごかった。

 

翌年、プライドに負けることなく、構成を落として試合に復帰したのもすごかった。

 

今シーズンも、世界選手権につながる全日本選手権につながるエリア大会を辞退したのは、すごい決断だと思いました。

怪我の完治を優先して、グランプリ大会を辞退する発表をしたのも、

「なんと強い心を持った人だろう」と、密かに感服しておりました。

 

目の前のプライドや欲望よりも、

本当に自分が目指しているもの(オリンピックで金メダルを獲ること)を見据えて、

ぐっとこらえる胆力。

オリンピックの日本女子枠は、Maxでも3枠しかないけれど、

紀平選手の悔しさ、悲しさ、苦しさが、

ミラノオリンピックのシーズンに、心技体そろって大噴火するといいなと思います。

 

話は変わりますが、中国のアン・シャンイー選手が、

昨シーズン、宇野昌磨選手が使用したオルリンスキ氏歌唱の『Mea tormenta, properate! 』をフリー後半に使っていました。

 

誰かが使用して「素敵だな」と思われた曲は、

そこから使用する選手が増えていくのでしょうね。

高橋大輔氏が使用した『ブルース・フォー・クルック』なんて、

滑っている男子を何人見たか覚えていないくらいポピュラーになりました。

 

また、ブノワ・リショーさんは、

前のシーズンに“マスターピース(傑作)”と言われたプロを、

あえて選手に振り付ける傾向があるように思います。

コリヤダ選手が滑った『ホワイト・クロウ』を、

翌年、グラッスル選手に振り付ける…とか。

私が選手なら地獄ですが、勉強させる意味もあるのかな。