オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

現地で見たジャパンオープンの演技感想

こんにちは。ジャパンオープンから日が経ってしまいましたが、

演技を見た感想を残しておきたいと思います。

 

 

実は、このブログは、試合が終わって

カーニバル・オン・アイスが始まるまでの間に、

スマホで書いた新鮮な感想です。(時間切れでアップできなかった)

 

●選手入場

欧州は、ケヴィン・エイモズ、モリシ・クヴィテラシヴィリ、ルナ・ヘンドリックス、キミー・レポンド。身長の高い3人とロン毛のケヴィンで、4人並ぶとモデル集団のようでした。

 

北米は、普通に挨拶をした後、マライア・ベルが、ジェイソン・ブラウン、イリア・マリニン、イザボー・レヴィートをリンクの上に並べます。3人をボーリングのピンに例えて、ストライク!!と思いきや、イザボーちゃんがグイングインと最後まで粘って倒れず、最後は倒れてストライク!!という小芝居を見せてくれました。

「俺たちも何かすればよかった」と、ケヴィンの顔に描いてあったような…。

 

日本チームは、高志郎くんが、友野くん、宮原さん、坂本っちゃんを指で招いて引き寄せ、普通に挨拶…からの、円陣を組んで「頑張るぞ。オー」。

 

今回、よかったのは、出場選手が応援ブースにいる時間が長かったこと。

練習とかインタビューとかいろいろあると思うけれど、

チーム戦なのにブースに選手がいないと、残念な気持ちに。

今回は、どの地域のブースも、選手がずっといて応援してくれました。

 

そして、なんと言っても、スケーターが渾身のフリー演技を見せてくれたので、

見ごたえ十分、大満足で、「見に行ってよかった」と思いました。

 

女子シングル

●マライアは、リサマッキノンの衣装がキラキラ、キラキラ。

ビーミングスマイルに、やられました。おかえりー😘

曲は、鉄板のセリーヌ・ディオン。『The Power of Love』??

冒頭のジャンプを2本続けて失敗すると、萎縮したのか、スピードが落ちて、リンクの占有率が低く狭くなってしまいました。試合に出ていた頃に比べたら、練習量も減っていると思うし…。

得点は「100点を超えてほしい」と、会場中が祈りながら見つめる中、103.95。ほっとした。また日本に来てくれてありがとう。

 

●キミー・レポンド。女優のような佇まいに、レッドカーペットも歩けそうなゴージャスな美しいドレス。紺のようなブラックのような絶妙な染めに、ストーンが美しかった。

 

 

スピードがあって、ジャンプがしっかり決まるので、見ていて気持ちいい。

リンク映えする。見るたびに海外ドラマの女優さんを思い出す。『エイリアス』のジェニファー・ガーナーとか『コバートアフェア』のパイパー・ペラーボとか。

このプログラムでは、腕の表現がない気がした。まだこれからな印象。

(カーニバル・オン・アイスで演じたスターウォーズのレイヤ姫は、秀逸でした。いつか、EXで、アダム・シャオ・イム・ファと二人で、ライトセーバーを持って戦ってほしい)

 

●宮原知子さん登場。

演技前に、ステファンとポーズを取り合い、笑いが起きる。

決めポーズの確認かと思っていたけど、変顔をしていたらしい。

 

スポニチ写真映像部公式インスタグラム on Instagram: "〈ジャパンオープン2023〉演技する宮原知子(撮影・長久保 豊)"

 

これはすごい。この演技はすごかった。

引退後にここまで出来るとは、驚き。

ジャンプをきっちり跳んで、スピンもステップも…。復帰したら、ほとんどの現役選手の上にくると思う。

ラストに長めの舞台演劇風コリオで、ロミオとジュリエットのジュリエットが倒れるシーンを熱演。

ほぼ全観客スタオベで、大喝采でした。選手のチームブースもスタオベ。

高志郎くんが宮原さんを抱きしめ、泣いてました。

 

●イザボー・レビトは新フリー「ホワイト・クロウ」。

私の好きな彼女のスピード感がなくなって見えた。後ろ足を誰かにつかまれて、グイーンと後方に引っ張られている感は、唯一無二だったんだけど。

ジャンプは、スピードを直前に殺して、深く深くしゃがんでから、飛び上がるイメージで、しんどそう。連戦で疲れていたのかも。

白鳥とか鳥系プロが似合うので、これからすごくなりそう。

 

●ルナ・ヘンドリックス選手の新フリーは、マドンナとビヨンセ。

スピードがあってダイナミックで、“クラス感”のある滑り。

しかし、曲が途中から単調すぎて、本人が乗って滑っているように見えず。

オリンピックシーズンの曲みたいに、ノリノリグイグイくるプロが見たい…と思っていたら、最後の最後でびっくり。

審判席に後ろ向きに手をつき、反り返ってフィニッシュ。

 

 

これはもう間違いなく「審判席にもっとも接近したのは誰だ?」選手権優勝です。

リンクの壁って、超えてもルール上、OKなんだ。審判席の机の上もOK? 審判に触れちゃったら減点とかあるのか、興味がわいてきました。

 

●トリは、坂本花織選手どす。

今回気づきました!かおちゃんは、滑っているときの背中のパワーが、他の選手と全く違う。少し動いただけで、背中が柔らかい。背中が生きているのがわかります。

今回の『Wild Is The Wind』。曲の余韻をまとって滑っていた。

ウイスキーと葉巻の香りが、ねっとりと漂っているようだった。

 

スポニチ写真映像部公式インスタグラム on Instagram: "〈ジャパンオープン2023〉演技する坂本花織(撮影・長久保 豊)"

 

最初の2Aは、満点あげていいと思う。飛距離といい滞空時間といい着氷といい、絶品でした。

2つ目のジャンプが終わったところで、なぜか涙が滲んできた。コンタクトで目が乾いていたから、ちょうどいい。

最後は、少し疲れが見えたけど、中野コーチからゲキが飛んで、滑りきりました。

はあ~、演技に酔いしれました。生で見ると、別格です。

 

女子が終わった時点で、順位は1位日本 2位欧州 3位米国。

■リンクサイドの並びが凄かった男子

続いて、男子の演技へ。

6分間練習のリンクサイドの並びが怖い。いや、すごい。

向かって右から平池大人(友野)→シルビア・フォンタナ(エイモズ)→ステファン・ランビエール(島田)→エテリ・トゥトベリーゼ(モリシ)→タチアナ・マリニン(マリニン)→トレーシー・ウィルソン(ジェイソン)。

 

この6人が、狭いエリアにひしめき、リンクサイドの壁が足りない状態。

平池ゴルゴ13の本日の装いは、グレーとブラックの縦じまジャケに黒パン。主張がストロング。ブラック手袋はなし。

友野くんから受け取った上着を、丁寧に畳むところが好き。

 

●モリシ・クヴィテラシヴィリは、オリンピックシーズンのフリー。

表情が明るくて嬉しい。競技から引退したものの、4S+3Tを跳びました。

もう1本4Sを跳んで転倒したとき、エテリコーチが、笑みを浮かべて見ていたのが印象に残った。

そういえば、エテリコーチ自ら、この時期にジャパンオープンに帯同するって、不思議な感じがした。とりあえず、いろいろあったが笑顔のモリシが見られてよかった。

 

●島田高志郎選手『死の舞踏』。

待ってました!! これが見たかった。

登場した高志郎くん、アイライン引いてるよね?

 

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ピアノの鍵盤の上で踊っているような、小悪魔コーシローに目が釘付け。

ピアノの音が、本当に心地いい。邪悪コリオをもっと近くで見たい。最前列が良かった。いや、審判席に座らせてくれ。と思った。

パーソナルベストに迫る164.26が出て、ジャパンブースが盛り上がりました。

 

そういえば、高志郎くんバナー、無事に買えました。

 

 

会場にいっぱい揺れてましたよー。

 

●ジェイソン・ブラウン選手の新フリー『The Legend of Tarzan(ターザン)』。

ロヒーン・ワードの振付だと思うのですが、

細かいというよりも、大らかなコリオ。

・・・と思ったら、最後の最後にワイルドなターザン的コリオが入ってヒューヒュー😘

 

よくわからないけれど、要素が何か抜けて、ジェイソンにしては低い得点に。

しかし、チームブースは、新プロに大盛り上がり。みんなでターザンポーズをしていました。

このプロは、グランプリ大会でもう一度見たい。

 

●ケヴィン・エイモズの『ボレロ』がまた見られた。

 

 

衣装は、赤い手袋。よく見ると、トップスの袖も、途中から赤くなっていた。

プログラムが始まってすぐ、軽く飛ぶところが好き。モーリス・ベジャール風コリオは、膝のバネと身体能力あってこそだと、つくづく思う。

3Aの前の入り、ループの前の入りのコリオが神業級。

 

●友野一希選手の『Halston』。

 

スポニチ写真映像部公式インスタグラム on Instagram: "〈ジャパンオープン2023〉演技する友野一希(撮影・長久保 豊)"

 

感想は言葉にできない。

期待を裏切らない。は~見に来てよかった。

演技後、周りに泣いている人がいた。

 

そういえば、昨シーズンまでは、最初の4回転で転倒すると、ドキッとしてたけど、

今は、全然気にならない。ジャンプの左右されない作品。

 

●イリヤ・マリニン『Succession』。

冒頭、4A。4A?? あまりにも高く美しく跳んだので、あとで確認せねば。

演技を見ながらずっと感じていたのは、マリニンの強さ。

昨シーズンは、けっこうバッシングもされたけれど、

つぶれず、弱点を磨き、進化し続けてきた、彼の強さ。

 

「フリーは、4Aを回避して、作品の完成度を上げる戦略を受け入れられるようになった」と認識していたけれど、それで、表現力や他のエレメンツの精度を上げてきたと認識していたけれど、

4Aを入れたうえで、表現にも力を入れ、スタミナもある。

さぁ、どうする、ライバルのみなさん!!

 

ということで、すばらしいフリーを、見たかったフリーを次々と見せていただいた、豪華な大会でした。

結果は、1位日本 2位北米 3位欧州でした。