オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

昌磨本人が紐解いた「自己満足」の真意

こんにちは。

あれから、BS放送カーニバル・オン・アイスの『Time lapse/Spiegel im Spiegel』を何度も見ています。

 

前半の『Time lapse』は、「これぞ、見たかった宇野昌磨」というプログラム。

神秘性と強さと静ひつさが混ざった世界観は、

宇野昌磨の専売特許とも言える領域に入ってきたと感じます。

特に、最初のアクセルの後の全身を使った表現は、すごみがある。

 

一方、後半の『Spiegel im Spiegel』は、

起伏の浅い音楽が続く中で、

ちょっと寂しい気持ちになったり、個人的な追憶の世界に浸ったり。

 

初見で「いやっほー、最高!!」と思わなかったことに、

少し“罪悪感”を覚えていました。

感じ方は個人の自由なのでいいと思うのですが、初めての経験にとまどいが。

 

追い打ちをかけるように、昌磨がナウボイスで、

「いい演技だったと思う。自分の最近のフリーの中では、もっとも“自己満足”に近かった」と話しており、さらなる罪悪感が。

 

改めて、カーニバル・オン・アイスの映像を見ると、

演技後の表情が、喜びに満ちて本当にうれしそう。

 

 

常々、「自分の演技に感動したことがない」と話していた昌磨ですが、

ナウボイスの中で、「それはどうしてか」を、本人が分析していました。

 

僕が感動しないのは、「自分がまだ出来る」と思っているから。

という言葉に、とても納得がいきました。

 

「得点として結果を出すためには、ジャンプを頑張らなければならない。

だから、ジャンプとジャンプの間のつなぎで体力を温存するために、振付は最低限にしていた。振付に対しては、まだ全力を出していないから」ということでした。

 

宇野昌磨選手は、今シーズンの目標として「自己満足」を掲げていますが、

自分が満足する演技には、それ(振付に対して全力を出すこと)が必要。

と。

 

カーニバル・オン・アイスの新フリーの演技は、

「全力だったし、スケーティングからちゃんと何かを表現しようという意志が見えたから、今までで一番、自己満足に近かった」と。

 

記者会見で「自己満足」と聞いたときは、

「自分に厳しい人」みたいな受け取り方もされたと思いますが、

ナウボイスで話してくれたので、真意がとてもよくわかりました。

 

そして、

今シーズンから、結果はいいものを出したいけど、結果よりも、自己満足できる演技を目指したい。

去年は、葛藤があったけど、今年は自己満足。結果は二の次というのが自分の中で確立している。

 

「表現追及」と言いつつ、ジャンプ構成も最高難度を追求してしまうのでないかと推測していましたが、本当に、競技の中で表現を追求する覚悟が決まったようです。

 

表現を追求するとして、改めて、挑戦的な選曲だと思う今シーズンのフリー。

一般的には、「静」→「動」へと曲が移っていくのに、

「動」→「静」という珍しいパターン。

しかも、深海か月面にいるような「静」のパートが、2分22秒も続きます。

 

いや、ほんっとに難しいプログラムだと思う。

曲の後押しがないどころか、後半の音を消して見たほうが、昌磨のすごさが頭に入ってくる。

いっそ、メロディなしの打楽器のリズムだけで、

昌磨自身がメロディを奏でる…というパターンで見てみたい。なんてね。

 

でも、中国杯で見たら、ガラっと印象が変わるんだろうな。

むしろ、それが楽しみです。

そして、SP『I Love You Kung Fu/Clair de Lune』は、初めて見た瞬間、聴いた瞬間から、大大大好き。何度でも見たいです。