こんにちは。怒涛の全日本選手権お茶の間全試合観戦から1日経って、
ようやく疲労も回復し、頭がクリアになったところで、
宇野昌磨フリー『Timelapse,Spiegel im Spiegel』を見返しました。
当日は、緊張しすぎて脳がフリーズしていたのですが、
改めて見ると、禅の庭に正座して、
演技に耳を澄ましているような心持ちになりました。
試合なのに、会場中の視線を集めているというのに、
よくもこんな、仙人みたいな演技ができるなぁと、ためいきが。
フリーの日の深夜に、フジTVで昌磨の本人解説があったので、
それと照らし合わせてみたりもしました。
特に動画も公開されていないような気がするので、振り返ってみます。
中村アナorナレーション。以下N) ショートで2位に10点以上の差をつけた宇野昌磨。そして、2位、山本草太。3位の鍵山優真。それぞれが闘志を燃やした決着の男子フリー。
まずは山本。冒頭の4回転サルコウで高い出来ばえ点を奪うと、ノーミスの演技を見せます。
一方、鍵山。ショートで失敗した4回転サルコウ。フリーでは見事に着氷。出来栄え点は、山本を上回る4.30.次々とジャンプを着氷します。
※この時点で演技順が変えられているのはどうかと思った。
逆転への執念で、鍵山が1位、山本が2位につけ、最終滑走の宇野にプレッシャーをかけます。
N)ではここからは、宇野昌磨選手と演技を振り返っていきます。
すばらしい演技が続く中での最終滑走。どんなことを考えながらリンクに立ちましたか。
S)そうですねー。これは、普通だったら、本当に緊張するんだろうなーと思いながら、滑り始めてましたし、まぁ、あの、全部を見ていたので、僕もいい演技がしたいなって思いがあったんですけど、まぁ、そんなに簡単にはいかないだろうなっていう思いでした。
N)いろんなことを考えながら?
S)はいっ。ふっ(笑)
N)その中で、冒頭に大技。これ、あっという間に世界、空気創りました。
S)うなづく
N)最初のジャンプが、4回転ループ。
S)はい。
N)感触はいかがでした?
S)っ…朝からこのループが一番良かったので、これはちょっとステップアウトしてしまって。ま、「試合って感じだな」って思いましたね。(うんうんとうなづく)
N)で、そのあとが、次が4回転フリップ。全日本までに(理想の跳び方を?)見つけたい。調整したいと話していましたね。
S)見つかりませんでした。
N)ショート、フリー、両方入りましたけど。
S)入れましたけど、全然、僕の中でも、なんとか降りたっていう感じですね。
でも、まぁ、よく飛んだなとは思いますし、やっぱり、このジャンプに集中しながらも、今、見ていて、ちゃんとできているので、練習の成果だな、と。
N)特につなぎの部分も大切にされたシーズンですよね。
S)そうですね。
N)トリプルアクセル、これと次2回転半。本当に美しい。
S)アクセルもちょっと、斜めになることが多いので、しっかり丁寧にできたかなぁと思います。
N)で、そのあと、ステップシークエンスに入っていきます。
S)僕が、しゃべっていいんですか?
N)いや、もう全然(お願いします)。見入ってしまうんですけど。
S)いや、全然そうじゃない(笑)
ステップはちょっと。やっぱ、ジャンプに今大会は集中してたので、ま、ちょっと、もーちょっとやれたかなっていう感想ではあるんですけど、もう、まぁ、思ったより動いていたので、よかったかなぁ~とは思います。
N)今シーズン、力を入れてきた表現。改めてどんな…
S)まだまだですね。その、もっと全力を出せるので。その分、ジャンプに不安な気持ちが残ってるっていう証拠かな。この、もっと頑張れるんだろうなっていう思いがあります。
N)そして、演技後半に4回転2本。
S)(4T+2Tを見て) うーん(首をかしげて)。よく耐えてますね。
N)そうなんですか。本当によく音楽を表現しているようなジャンプでした。
S)もっといいジャンプが、やっぱ、自分の中でこうだなっていうのがあるので。でも、ほんとに(笑)よく耐えてます。
N)2本目の4回転トゥループ。このあたりもポイントになったと思いますが。
S)そうですねぇ。まぁ、順位を目指すうえでも、こういうジャンプ一つ一つが、失敗してしまうと…っていうのがあったので、でも着氷を見てもちょっとブレがあるので、地に足が着いていない気が…ショート同様、着き切っていないという。
このときの僕は、全力でやれていますけれども、次の大会ではしっかり、こういうことがないようにしたいなと思っています。
(足替えシットスピンを見ながら)
N)本当にスピンも、音楽を奏でるようなスピンですが、この辺りへの意識は…
S)スピンは、例年よりは練習してる成果があって、スピード感もあって、割といいかなぁとは思います。
N)で、コリオシークエンス
(イーグルで伸ばした手を降ろしてくるところ)ここ大好きです!!
S)ありがとうございます(笑)本当によかったですね。ジャンプを意識していたので、他がおろそかになったかなぁと思ったんですけど、思ったよりおろそかになっていなくて。
まあ、みなさんが素晴らしい演技だったので、もっと素晴らしい演技を自分の中で思い描いていたので、それには届かなかったですけど、でも、よかったです。
N)で、このセーフ!
S)マジでジャンプがギリギリだったので、よく耐えたなっていう。トゥループもアクセルも。
N)本当に心奪われる時間でした。さぁ、それで、宇野選手は、レジェンドらに並ぶ歴代2位タイ、6度目のタイトルでしたが!
ということでここからは、王者に聞きたい6つの質問。お疲れのところ、すみません。
S)あー、全然大丈夫です。にっこり。
私事ですが、私が宇野昌磨ファンだと知っている母から、「昌磨くん優勝おめでとう」メールが届きました。
「何気なくテレビを付けたら、フイギアスケートの日本選手権をやっていて、丁度、最後の宇野昌磨君が滑っているところでした。シャープな演技に【おやっ!】と吸い込まれて最後まで見ていましたが、一位優勝でしたね。良かったですね。6回目の金メダルとか。知りませんでした」
しかし、メール最後の一文。
「昔、10回優勝したという【佐藤】とは?誰でしょう?知っていますか。」
に爆笑しました。
「引退前の真央ちゃんも指導していた佐藤信夫コーチです」と返信しました。
N)まずはご自身の演技を改めて見てみてどうでしたか。
S)思ったよりよかったです。その、ジャンプにもっと意識を持っていかれているかなと思ったんですけど、日々の練習の成果が出て、ちゃんとフリープログラム、全体としていい演技だったと思いますし、ジャンプのところは、不安なところはからくるものだったので、この大会の演技としては、最高のものができたかなっていう感想です。
N)ずばり、自分はまだまだ強くなれる、うまくなれる、その自信がある。
S)そうですね。まだまだ出来ると思いますし、よりこれから、マリニン君とかアダム君とか世界のトップレベルの人たちが合流したときに、ちゃんと戦い続けられるように、もっとスキルを磨きたいなと思います。
N)アメリカ4回転の神、マリニン選手に勝つ自信は?
S)(笑)いや、ないです。ないです。正直ないですけど、「5回に1回とかなら勝てるかな」っていうのは、思っていて。その5回に1回をいかに合わせられるか。それくらい彼は、レベルが高くてしかも安定しているので。
N)今後、ジャンプ構成については、どう考えていますか。
S)まぁ、そうですね。まずは、今できているジャンプを、自分の(合格)最低基準まで上げることと、後は、表現をおろそかにしてしまうと、僕の競技人生に悔いが残ってしまうので、そこは譲れない部分もあるので。
N)これで10年連続の表彰台。僕は感じませんけど、年を取ったなぁと感じる瞬間は?
S)いやー、僕、そんなに変わんないんですけど、3年前くらいの写真を見せられても、「これ昨日?」っていう感じなんですけど、でも、考え方はほんとに変わってて、3年前だったら「僕なんか」って言ってたと思いますし、「自分はみなさんを引っ張っていけるような存在じゃない」って去年言ってましたし。でも今は、全然、もう自覚もありますし、「引っ張っていきたい」っていう。そういう意味では、年を取ったんだろうなっていうのを感じます。
N)王者になって、プライベートで今、一番やりたいことは?
S)プライベート…プライベートは、とりあえず休みたいですよね。
N)あ、こんなに遅くまで(お付き合いさせて)すみません。
S)違います(笑)
本当に僕が自分で選んだことなんですけど、中国杯、NHK杯、ファイナル、全日本と、まぁ、スケートに向き合うとしても、改めて自分を調整する時間としては短かったので、なかなかうまく調整がいかなかっこともあったので、しっかり休んで、ゆっくりしたいと思います。
N)ゆっくり休んでほしいと思います。昌磨さんの思い描くスケートを楽しみにしておりますので、頑張ってください。本日は本当にありがとうございました。おめでとうございます。
S)ありがとうございます。
以上です。振り返りじゃなくて、書き起こしになっちゃった😅
今年の昌磨くんは、去年と違って、やわらかい笑顔がたくさんで、ふんわり余裕が感じられて、見ていて幸せな気持ちになるんです。
去年までは、「王者としてふるまわなければ」という責任感=まじめな表情が多かった印象ですが、なぜか今は、王者+以前のかわいさが復活した気がします。
試合を楽しんでいるからかな。