すっかり間が空いてしまいましたが、
男子同様、全日本選手権女子のジャンプについても、
フジテレビがアイスコープのデータを公開してくれています。
番宣でいつも取り上げられる選手とは違う名前も出て、
「おお!」と驚く…というより、新鮮でした。
フィギュアスケートは、“スポーツと芸術の融合”だと言われますが、
スポーツとしてのフィギュアスケートになぜ私が引かれたのか、
原点を再確認した気分でした。
女子SPで一番高く飛んだのは誰?!
【全日本フィギュア2023】女子SP アクセルジャンプ アイスコープ高さTOP3! - YouTube
第3位は、島田麻央選手の『アメリカーノ』より、
3Aの高さ45cmでした👏👏
2回転半かと思うほど、いとも簡単そうに成功させていましたが、
高さもすごかったんですね。
(よく目にする)ロシア女子の高難度ジャンプとは違って、
軸がしっかりしていて骨太なのが、島田選手のジャンプの爽快なところです。
第2位は、樋口新葉選手の『Never Tear Us Apart』より、2Aの47cm👏👏
3Aが跳べるので、2Aは力をセーブしてコントロールしているように感じます。
「本当はもっと高く飛べるけど、47cmで…」という感じでしょうか。
今シーズンは肩慣らしで、来シーズンは、本格的に爆発しそうな予感。
パリオリンピックでの北京オリンピック団体戦表彰は、絶対やってほしいです。
第1位は、やっぱりというか当然というか、坂本花織選手の『Baby, God Bless You』より、2Aの48cm👏👏
鍛えられた脚力から繰り出されるかおちゃんのジャンプは、スポーツとしてのスケートを私が好きな理由を、再確認させてくれます。
女子SPで一番遠くまで飛んだのは?!
【全日本フィギュア2023】一番飛んだのは誰だ!? 女子飛距離 アイスコープ飛距離ランキングTOP3! - YouTube
第3位は、樋口新葉選手の『Never Tear Us Apart』の2A。
飛距離は2.69メートルです👏👏
高さも飛距離もあったということで、さすがです。
生で見ると、スケーティングのクオリティの差が歴然とする新葉ちゃん。
早く、世界の舞台で観客をノックアウトしてほしいです。
第2位は、渡辺倫果選手の『アバター2』より、2Aの2.74メートル👏👏
演技の迫力が、多くの選手とは一線を画す倫果ちゃん。今大会では、ジャンプを跳ぶたびに、「強っ!」と思いました。ジャンプは、数値的にもダイナミックであることが証明されました。
今シーズンは、メイクがすっごく濃いので、安藤美姫さんの「自信がないときはメイクが濃くなる」を思い出したのですが、何か理由があるのでしょうか。シーズン後半に、調子をあげてきてますよね。
第1位は、坂本花織選手の『Baby, God Bless You』より2Aの3.25メートル👏👏
かおちゃんの2Aは、“空飛ぶフライング2A”として有名ですが、滞空時間が本当に長い。
そして、同じフライング2Aでも、SPのほうが、フリーよりも優しくてふんわりしていて、跳び分けている気がします。
フリーで【一番高かったのは誰だ!?】
【全日本フィギュア2023】一番高かったのは誰だ!?女子FS アイスコープ高さランキングTOP3! - YouTube
第3位は、坂本花織選手の『Wild is the Wind/Feeling Good』より2Aの46cm👏👏
曲もボーカルも衣装も、“すべてが女王”なこのプログラム。
冒頭のゆったりした2Aが、葉巻の煙をくゆらすように決まると、肩の緊張が解けて、ふぅーと演技を見るのに没頭できます。
どちらかというと、飛距離に注目していましたが、高さもすごかった。
第2位は、江川マリア選手の『シルクドソレイユ O』より、清らかな3Lzの49cm👏👏
熱心なファンは知っている実力者。
ジャンプに苦心した時期もあったと記憶していますが、ジャンプを戻して難しいルッツで高さ2位は、勲章だと思います。
同第2位は、島田麻央選手の『Benedictus』より、3Aの49cm👏👏
随分難しいテーマの選曲だなぁと思っていましたが、
完全に音楽と融合していて、3Aを跳んだことさえ気づきませんでした。すばらしい。
第1位は、山下真瑚選手の『燃えよ剣』より、3回転フリップの高さ51cm👏👏
柔らかい膝を使っての離氷、着氷、体の〆に惚れます。
フリーの表現力は、本当にやばかった。
国際舞台に戻ってきてほしい。というか、戻すべき。フリー12位って、何事?
フリーで一番遠くまで飛んだのは誰!?
【全日本フィギュア2023】一番飛んだのは誰だ!? 女子飛距離 アイスコープ飛距離ランキングTOP3! - YouTube
第3位は、松生理乃選手の『ネッラ・ファンタジア』より、
2Aの2.48メートル👏👏
これまた、美しいボーカルと一緒に、リンクを流れていくような着氷でした。
ノーミスだと無敵なのですが、全日本は惜しかったですね。
第2位は、横井きな結選手の『オペラ座の怪人メドレー』より、
2Aの2.96メートル👏👏
申し訳ないことに、演技を拝見したことがほとんどなかったので、“ゆは菜選手の妹”という認識でしたが、個性がまったく違って、とても可憐(お姉さんが可憐でないわけではない)。フレッシュで素直な滑りに、SPから引き付けられました。(お姉さんがフレッシュでなく、素直でないというわけではない)。シニアに上がって、ぐいぐい来るかもしれませんね。
第1位は、姉御の『Wild is the Wind/Feeling Good』の2A。
なんと、3.65メートルでございます👏👏
まさに、空飛ぶ2A。いや、ちょっと待って!!
男子フリーで飛距離が一番長かった三浦佳生くんの3Aが3.15メートルなんですけど、それよりも50cm長かったってことですか?
ジャンプに飛び込むスピードもすごいけど、着氷後にスピードが上がっているのは、どゆこと?
伊藤みどりさんの時代から、(語弊は大いにありますが、)手首から先をクネクネさせる欧米スケーターの演技よりも、
どかーんと空中に飛び上がっていくダイナミックなジャンプに、私は、引かれていた気がします。
欧米が日本女子フィギュアを語るとき、
「表現力はなくジャンプだけ」と、決めつけられていた時代が続きました。
でも、今や、日本の女子スケーターは、ジャンプに感情や芸術性、音楽性を乗せてダイナミックに跳ぶことができる。すごいことだと思います。
2、3日前に、坂本花織選手と集客力をからめて侮辱するようなネット記事が出て、
憤慨した人もいたのではないでしょうか。
私は、腹も立ちませんでした。
坂本選手と紀平選手を組み合わせたことで、かなり頓珍漢な仕上がりの記事になっていたし、
空席が目立つ根拠にされた女子フリーの日の観客数は、
男子フリーの日より少ないものの、男子ショートの日よりは多いことになっており、
数学的にもおかしな記事になっていたからです。
「一強だからつまらない」という切り口もあれば、
「絶対王者」と称賛する記事もある。
記事の切り口を探して、みなさんなかなか大変です。
確かテレビでは、「坂本選手の優勝を島田選手が阻むか?!」という切り口でしたしね。
スポーツで「高難度」として評価されるのは、
「誰もできない技」「人に真似できない技」なので、
できるだけ高く、できるだけ遠く、誰にも真似できない坂本花織のジャンプは、高難度以外の何物でもないと思う。
そして、誰がなんといおうと、私は坂本花織の演技が大好きです。
フジテレビの動画【一番飛んだのは誰?!】シリーズは、
男女共に、いつもとは違う視点からスケーターをクローズアップしてくれたし、
女子については、ダイナミックなジャンプに心が躍った観戦初期の気持ちを、
私に思い出させてくれました。
いい企画だったなぁと思います。