オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

バックフリップは必要か?

欧州フィギュア選手権で優勝したアダム・シャオ・イム・ファ選手が、

フリーの演技中に、バックフリップ(バク転)をやりました。

 

 

私は、アダム選手が好きでした。(過去形?)

演技も楽しみにしていたのですが、反射的に「嫌だな」と感じました。

 

それはなぜなのか。

考えを整理してみました。

 

禁止行為だから。

バックフリップは、ルール上、禁止行為とされており、2点減点されます。

なぜ禁止行為なのか?

当然、理由はあるわけで、想像するに

  • 技として危険だから
  • 観客は危険な行為を見たくないから
  • フィギュア競技に必要ないから
  • リンクが荒れて他の選手に迷惑

といったことが、考えられます。

 

前回、上海トロフィーのフリーで、

アダムはバックフリップを入れて「減点2」を受けました。

 

 

危険なバックフリップをやれば、“厳重注意”を受けたり、

メダルはく奪されたりするイメージがある中で、

ルール上、減点2で済んで優勝できたのは、

「けっこう軽いペナルティだな」という印象でした。

「中国開催だからかな」と思ってしまったのは、失礼だったと思います。

 

初めてじゃないから。

アダムが試合の場でバックフリップをするのは、今回が3度目です。

一度目は、上海トロフィーのフリー。

二度目は、フランス杯のフリーの演技後、リンクを去るとき。

そして、今回の欧州選手権フリーです。

 

このことから、アダムは反省していない、悪いと思っていない、ということがわかります。

ここ、ポイントじゃないですか?

 

危険だから。

毎回、アダムがバックフリップをするのを見て、「危険だからやめたほうがいい」と、ファンとして思ってきました。

アイスショーは、自己責任ですが、高難度ジャンプや要素を演じる試合の場で、体力を消耗しつつバックフリップをして、頭から落下したり、足をくじいたりしたらどうするのか?

アダムの着氷は、いつも左足首が内側に倒れていて、私はとってもとっても怖いんです。

 

 

体操選手が地上でやったとしても、失敗して頭から落ちることがあるのに、

重たく鋭利なブレードを付けて、氷の上でやって、頭から落ちたらどうするのか?

アイスショーでやっているスケーターも、けっこう、頭の位置が低いことあるよね。

 

フランス杯のフリーで挨拶をした後、

彼は、フラワーガールがいる中、バックフリップをして引き上げていきました。

 

 

マジですか?

万が一、背の低いフラワーガールの顔にでも当たったら、怖すぎないですか?

 

私は以前、オリンピックで金メダルを獲った選手が、舞い上がって、エキシビションで跳び蹴り状態で他のスケーターに突っ込み、お腹を横にエッジで切った場面をリアルタイムで見ました。そして、そのスケーターを応援しなくなりました。

 

メッシングさんが、アイスショーで、数人のスケーターを寝ころばせた上をバックフリップで越えていくのをやっていますが、あれも止めてほしいです。

 

迷惑だから。

スケート靴を入って空中で回転して、トゥでがっつり氷に着氷すると、

どのくらいの衝撃があるんだろう。

氷のかけらが飛び散っていたし、リンクを軽く掘っていることは想像がつきます。

 

フランス杯と上海トロフィーは、最終滑走でしたが、

今回の欧州選手権では、次に滑る選手もいました。

迷惑じゃね?

 

失礼だから。

バックフリップをすると、禁止動作をしたことになり、2点減点されます。

0.1点差で順位が変わることもある競技で、

1点でも多く得点するために、力を振り絞っている選手がいる中で、

これはどうしたことでしょうか?

上海トロフィーも今回の大会も、アダム選手は、余裕しゃくしゃくの優勝でした。

減点2など、痛くもかゆくもなかったと思います。

つまり、「2点失っても勝てる」と思っているわけで、

他の選手に対して失礼な気がします。

 

何のためにやるのか不明

かつて、スルヤ・ボナリー選手が試合でバックフリップをやったときは、

差別的な採点に対する涙の抗議がありました。

アダム選手も、何か意味があるなら、声明を出してもらいたい。

スルヤ・ボナリー選手の行為には、賛否両論があるけれど、理解はできました。

彼女の行為の意味までが、無意味になりそう。

 

本人の意見も聞いてみる。

About the backflip: “Sure, it takes more energy to do it in the free program than in the exhibition, but I felt good and I had the energy to do it and I wanted to perform it for the audience.
I did it to push our sport. It’s less dangerous than it looks like.”

He thinks a backflip would be too risky at Worlds but he won’t excluse doing it.

意訳:バックフリップについて「もちろん、エキシでやるよりもフリーでやるほうが、エネルギーがいりますが、気分がよかったし、余力があったのでやりました。観客のために、やりたかったんです。スケート競技を前進させるために、バックフリップをやりました。見た目よりも、危険ではありません」

彼は、世界選手権でバックフリップをするのはリスクが高すぎると考えていますが、やる可能性を排除したわけではありません。

 

やめてください。

気持ちを整理しているうちに、長々と書いてしまいました。

 

私の意見は、やめてほしいし、スケート連盟もやめさせてください。

 

禁止行為を毎回して、減点2だけ受けてOKなら、

禁止されているスケスケ衣装で毎回出てくる人もいるだろうし、カオスだよ。

 

禁止行為で観客を盛り上げて、点数に反映させるのもなし。

バックフリップが、フイギュア競技を進化させるとも思いません。

 

「世界選手権でやる可能性もゼロではない」と表明しているのだから、

事前に警告すべきでは。

 

万が一、昌磨の演技の前にバックフリップで氷削ったら、本気で怒るよ。

他の選手の前でも後でも、本気で怒るよ。

あ、もう怒ってるか(笑)