宇野昌磨選手の演技を見ることに関して、
私は、ショーよりも試合の演技が好きです。(と、思っていました)
試合ならではの興奮や緊張、闘争心が、
演技と化学反応を起こすのを見るのが、好きなんだと思います。
最近、昌磨の“引退”を、以前よりも意識せざるを得ない、させられる場面が、時々あって。
「現役を辞めた後もスケートに関わっていく可能性が高いと思う」という本人のコメントもあるので、
「プロスケーターになるのかな」という漠然としたイメージはあります。
でも、宇野昌磨という突出したスケーターが、
どういうプロスケーターになるのか、
私は、輪郭がまだイメージできていません。
ただ、
「宇野昌磨の演技で、もっとも鮮烈に記憶に刻まれているものは何か」というと、
2023年の名古屋スケートフェスティバルで演じた、「グレイト・スピリット」なんです。
東京新聞(TOKYO Web) on Instagram: "#フィギュアスケート #名古屋フィギュアスケートフェスティバル #初滑り"
面白いことに、試合の演技ではありません。
あれは、本当に“見事”としか言いようがない演技でした。
ジャンプがどうとか、スピンがどうとか、
一つ一つの要素を語る必要もないくらい、とにかく、見事。
一瞬の付け入る隙もないほど、すべてを凌駕するパフォーマンスでした。
あれが見られるのなら、私は何度でもショーに足を運びます。
そして、先日のプリンスアイスワールド東京公演で見た
「ダンシング・オン・マイ・オウン」もまた、
あれに匹敵するくらい、見事としか言いようがない演技でした。
宇野昌磨、圧巻の“自信作”披露で王者の風格 大トリ「Dancing On My Own」で会場ファンを魅了 『プリンスアイスワールド2023-2024 東京公演』 - YouTube
明日で1週間が経ちますが、場の空気ごと、
脳に鮮烈に刻み込まれています。
息ができないくらい、見入り、圧倒される演技でした。
名フェスの「グレイト・スピリット」と
プリンスの「ダンシング・オン・マイス・オウン」が、
私が鮮烈に記憶している昌磨の演技の1位と2位と言えるでしょう。
どちらも、アイスショーでの演技です。
そして、この2つが揃ったところで、
昌磨のプロスケーターとしての何かが、見えたような気がしました。
アイスショーに呼ばれて、ただ滑るということではなく、
もっと何かができる人だ、というような。
具体的に何っていうのはないですが、
プロとしても楽しみ…という期待感。
「ワンピースオンアイス」でも、予想をはるかに超えるルフィを演じて、観客を驚愕させましたが、
昌磨の真骨頂は、モダン&クラシック&ユニセックスな、小洒落た世界観だと思う。
プログラムの振り幅が広いことにも定評があるので、
リサイタル形式のショーで、
いろんな表情を見せることもできるかも。
トークも、イベントやインタビューで鍛えられているから大丈夫。
あとは、ミート&グリートのポーズを増やすことですかね。
プロになったら、笑顔とピースだけでは、すまされませんゼ😎
というのは冗談で、本人が自覚しているように、
プロになるにはまだ力不足の部分はあると思いますが、
こうやって、アイスショーで、プロスケーターとしての未来を模索しつつ、
また、過去プロを演じて見せてくれたらうれしいな、と思います。
こうなったら、「ロコ」も「ドンファン」も「タンゲーラ」も、
全部ショーバージョンが見たい。
競技引退まで、あとどれくらい時間が残されているのかわかりませんが、
まだ、今シーズンで最後…にはしてほしくない。
今シーズンの難しいプログラムが、昌磨の表現力をぐぐっと伸ばしたことは、
プリンスのダンオンではっきりとわかったので、
それが最大限に生きるプログラムを、もう1つ、2つ、3つ、4つ、競技プロで見てみたいです。