オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

四大陸男子フリーは期待を裏切らない熱戦

四大陸選手権、アイスダンスの整氷タイムにブログを書いています。

 

昨夜の男子フリーも、最終グループ手前から、素晴らしい演技が続きました。

私の好きなマキシム・ナウモフ選手が長らく暫定1位をキープし、

アンドルー・トゥルガシェフ選手が、4回転なしのクラシックな滑りをほぼノーミスでまとめて新トップに立ったところで、

 

 

多種複数四回転で武装した神々の戦いがスタート。

 

まずは、4回転4本のミハイル・シャイドロフ with アレクセイ・ウルマノフ先生。

曲はもちろん『Carmina Burana(おお運命の女神よ)』。

 

 

彼を見るたびに、デニス・テン選手の遺志が思い出されます。カザフの選手が国際舞台で活躍する日が来ましたよ、テン君。

 

プロも衣装もルックスもスタイリッシュなシャイドロフですが、つい最近まで、こんなにスタイリッシュじゃなかった気がする。プロデューサーが付いたのか、彼の美的センスが花開いたのか、ウルマノフ先生のセンスなのかは不明です。

SPで転倒した4Lzを美しく決めて、トップに躍り出ました。やはり、来たな!と。

 

そして、最終グループに突入し、第一滑走はボーヤン・ジン選手。

も~ホレるね、ボーヤン。

 

 

申し訳ないことに、私は、ボーヤンが4回転を3本も入れてくるとは思っていませんでした。2本かな、と。だから、優勝争いには絡んでこないと思っていました。

ところが、3本投入してきました。しかも、代名詞の4回転ルッツを、すばらしく完璧なボーヤンスタイルで決めました👏👏

コンビネーションジャンプでミスは出たけれど、他はノーミス。

エド・シーランの『THIS』も、この1、2年のボーヤンの気持ちを表しているようで、すごくしみる。

 

♪This is the start of something beautiful

♪ This is the start of something new

 

イナバウアーの場面に胸を打たれました。

母国開催のこの場面で、崩れることなく演技をする。一時代を築いた人は、やはり違う。スターだなぁと思いました。

暫定トップへ!! 会場は大盛り上がり。

 

 

ということで、ぬいぐるみ投げ込み合戦開始。

SPの時よりすごい。演技が始まる前から、投げる気満々でぬいぐるみの入った袋を持っているからなぁ。ボーヤンは好きだけど、投げ込みはやっぱりよくない。

 

次の滑走は、SPに引き続き、草太くん。

コールされた後の表情が、SPの時よりもゾーンに入っていないのがわかる。

集中しにくいよね。

 

 

でもって、調子のよかったはずの4回転サルコウで転倒、

4回転トゥがオーノー😨ってなると、
ぬいぐるみ投げ込みの影響だよ😨って思いたくなる。

 

 

冒頭の失敗の後、草太くんの表情も落ち着いてきて、4Tは成功。
そこからは、ほぼノーミスでしたが、
“己と闘うエクソジェネシス”という感じでした。
得点がボーヤンを上回ったのが、せめてもの…か。

 

続いて、ウェスリー・チュウ選手の『キル・ビル』。

 


見るたび思うが、『キル・ビル』感がまったくないのはどうしてだろう。
せめて、全身イエローのつなぎを着ているとか(それもどーかと思うが)、コリオにも何か特徴があれば、忘れられないポイントになるのだが。


ウェスリーは、カナダチャンピオンなんですよね。カナダ男子は、アップダウンが激しい印象がありますが、ジャンプ以外の見せ場がほしいと思いました。

 

そして、佐藤駿選手登場。
駿くん、いけ~💪(まだ優勝をあきらめていなかった私)

 


ルッツの回転速っ! 
駿くんのスケートは、いつ見ても心が躍ります。リズムが好きなのかな。

ジャンプも、「跳びます、跳びます、跳びまーす」という力みがなく、

♪ランラ ラン ランラ ランと、スキップついでにヒョイっと跳ぶ感じて、
ジャンプも含めて、プログラムに独特のリズムが生まれていると思います。


『四季』の“春”のパートなんて、一緒にスキップしたくなっちゃう。
コンビネーションのセカンドに2回転が2つ入ったのが、らしくなかったけど、
伸びしろいっぱいで、来シーズンは何を見せてくれるか楽しみです。また、シズロンにお願いできないかな~

 

続いて、鍵山優真選手が登場。

 


冒頭から、「忍び寄る猫」のような膝&ポーズで、
ジャンプだろうがなんだろうが、失敗する気配なし。


“教科書ジャンプ”と言われる4回転サルコウは、成功すると満点に近いGOEが出るようになりました。ジュンファンの4回転サルコウも、私の眼には完璧かつゴージャスに見えるのだけど、点差は何が違うのだろうか。


ゆまちはもう、途方にくれるほど強くて、誰も近づけない感じでした👏👏

キスクラで、ゆまちがパパゆまちの肩にちょこんと頭を乗せて、パパゆまちがヨシヨシってしてたけど、あれでファンが3000人くらい増えたのでは。

 

その雰囲気の中で登場したのが、チャ・ジュンファン選手。

 

 

『バットマン』の曲は、ジュンファンを盛り上げるには足りない編曲だと思いますが、それでも、圧倒的な存在感とスターオーラ。
ゆまちで沸騰した会場の雰囲気に、まったく負けずに演技をしたので、
「だてに韓国選手権8連勝してないわ」と、感服しました。


4回転サルコウ、完璧でしたね。「ふぉー」って言いながら、拍手👏👏
4Tは着氷で足をついてしまいましたが、
伝家の宝刀3Lz+3Loを成功させたのは、恐れ入りました。
緊張した空気の中で、これを決めるって、尋常じゃないですよね。
セカンドループなんて、普通は転倒するでしょう。(私の感覚では)


“魅せる”という点では、圧倒的なジュンファンでした。

が、熱を入れて応援していたら、駿くんを上回りそうな気配がして、悩ましい展開に。
どっちも好きなスケーターなので。
結果は、フリーは駿くんを上回って2位でした。


総合では3位で、

1位 鍵山優真
2位 佐藤駿
3位 ジュンファン・チャ

 

ジュンファンがメダルを獲ったのはうれしいが、草太くんが4位になってしまい、
惜しい! ぬいぐるみのせいじやないよね?? ショートもジュンファンが3位だったから…と、気持ちを納得させることにしました。


まったくもって、表彰台が足りないですね。

駿くんと草太くんは、ラスト国際試合になるのかな。
四大陸選手権2位と4位が世界選手権に出られないなんて、どーなってるんだ、日本男子チームは。

 

宇野昌磨選手が、「より自覚を持って、世界選手権に行くことになる」と話していましたが、
その言葉の重みをひしひしと感じた、男子の四大陸選手権でした。