オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

アイスダンス「三つ巴」は大成功

ちょっと、ちょっと、ちょっと、

アイスダンスの世界選手権代表権を賭けた

四大陸選手権の三つ巴の戦い、すごくよかったと思いませんか?

 

3組とも、あっと驚くすばらしい演技を見せてくれました。

 

あずしん(田中梓沙/西山真瑚組)の『ジゼル』は、

ふんわりと、たおやかで、心が躍るクラシック。

 

 

結成1年目の組が、これほどまでに自分を表現できるものなんだー😮

『ジゼル』の空気まで表現できていました。

ミッドラインステップで、梓沙ちゃんの膝が「ウッ」と沈み込んでしまいましたが、

それさえも、コリオの一部に見えるほどの美しさでした。

真瑚くんの表情も、すばらしい。

演技は、全日本よりも上手くなっていたけれど、

点数は105.35(全日本)から95.54へダウン。

 

うたまさ(吉田唄菜/森田真沙也組)の堂々とした迫力とすご味ある『Rise of the Phoenix』は、結成数カ月ってほんと? 何者ですか?

 

 

演技中、一瞬たりともひかずに、前へ前へ。

スピード感あるワンフットターン、破壊力のあるリフト。

息を呑みました。こりゃあ、次のシーズン、やばいことになると思う。

全日本選手権よりも確実に巧くなっていたと思うけれど、

点数は109.17(全日本)から、103.27にダウン。

 

あずしんの演技を見たら、「あずしんすごい」と思い、

うたまさの演技を見たら、「フリーだけならうたまさがトップでは」と思い、

小松原美里/小松原尊組の演技へ。

 

今シーズンのプロは、RDよりFDの『Loving You』のほうが、

二人に合っていると思います。

 

 

全日本のときよりもスピードが出ていて、エレメンツがなめらかに見えました。

安心して見られる『Loving You』。

得点は、107.50(全日本)→111.41へアップして、初の110点超え。

RDでの大差をさらに広げて、3組中トップへ。

 

いろいろなご意見があろうかと思いますが、

私は、世界選手権代表を「保留」にしてよかったと思いました。

小松原美里選手は、全日本で優勝したのに保留になって、落ち込んだそうで、気持ちはわかります。「今のあなたたちでは、代表は任せられない」と言われたようなものなので。

 

しかしながら、アイスダンスの選考は、全日本選手権の一発勝負はうたっていないので、それは仕方がないかな、と。

 

それよりも、率直な感想として、全日本のときは、一年前からの進化が見えなかったのに、全日本から四大陸までの1カ月ほどで、目に見えて進化したことに驚きました。

 

“三つ巴”あってのことだと思いませんか。

あのまま世界選手権に彼らが行っても、日本のアイスダンスに、

希望がない気がしていたので。

 

今日の結果を受けて、「世界選手権で頑張ってほしい。枠を増やしてほしい」と、

気持ちよく応援できます。少なくとも、国際審判は、彼らに一番高い点を付けることもわかりました。

公式PBが10点以上伸びていて、この点数の伸びが、進化とどこまでリンクしているかわかりませんが、

チョクベイも、上位の組が抜けたら、いきなりすごい点数が付けられ始めたので、

アイスダンスの世界は、よくわかりません。

 

しかし、小松原組が上手くなっていたのは素人目にも明らかだったし、

うたまさ、あずしんも点数は伸びてなかったけれど、躍進したのは明らかなので、

世界選手権代表「保留」は、大成功だったと思います。

 

もう一つ、改めて思ったのは、「場数を踏むのは大事」ということ。

 

韓国のハンナ・リム/イェ・クアンは、ジュニアのときから国別対抗戦に韓国代表で出場したりしていましたが、

今回の演技に度肝を抜かれました。『シェルブールの雨傘』、すばらしかった。ジュニアの面影は一切なし。

7位ハンナ・リム/イェ・クアン組、8位小松原組の点差はわずか0.08ですが、

たぶん、実力差は、そんなものではない気がする。

四大陸選手権で、あずしんとうたまさを世界にアピールできたことは、とてもよかった。二組とも、“未経験者感”はゼロだったと思う。