オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

昌磨の演技中の表情を尊敬するステファン

こんにちは。今日の東京は、初夏の陽気です。

さて、コラントッテ イオンモールナゴヤドーム前店の壁面に、

昌磨くんの写真があると思います。(昌磨がサインしています)

 

 

こちらの写真ですね👇

 

コラントッテさんDVDの中で、マネージャーのハマさんが、この写真の昌磨の表情がいいと褒めていました。

 

すると昌磨は、「いい写真ですね、珍しく僕にしては。試合中なのに、ちゃんとすました顔してる」と。

 

ハマさんが、「あんまり好きじゃないんですよね、競技の写真って、昌磨くんは?」と聞くと、

「いや、競技のやってる最中は好きだけど、笑ってる写真が好きじゃないんです」と昌磨が答える場面がありました。

 

一般的な話として、他人から見たら素敵だと思っても、本人は“破顔”の写真は嫌がると聞きますが、そんな感じなのかな。

 

私は、昌磨の笑い顔、めちゃめちゃ好きですよ。

リンクの上で笑っている写真なんて、白熊の赤ちゃんみたいだし、

滑りながら笑っているときは、なんとも言えないしあわせな気持ちをもらえます。

 

昌磨の「笑ってる写真が好きじゃないんです」が、演技中を指すのか、リンクを離れたときの写真を指すのか、はっきりとはわかりません。

 

ただ、このDVDを見て(届いてから遅すぎ😅)、少し前に見たステファンのファンミーティングでの言葉がすぐに浮かびました。

 

ステファンは、昌磨の尊敬する部分の一つとして、演技中の表情をあげていたんです。

 

Stéphane Lambiel Montreal Worlds 2024 Fan Meeting - YouTube

昌磨の表情を説明するステファン

 

概要を意訳すると、生徒のために用意したプログラム音楽のリストの話の中で、

「昌磨のための曲は、彼のスケーティングや表現方法に関連して選んでいます。

昌磨の尊敬するところは、攻撃的に加速するところと、力を抜いて静かに自然に委ねる動きを、巧みに使い分けられるところ。そこが大好き。

デニスは、力を込めるときはいつも、表情にそれが出ているでしょう。(それも好き)。でも、昌磨は、決してそれが顔に出ない。(力を入れている場面でも)まるで自然な流れのよう。それが好きで、音楽のイメージとしては…大地のような感覚を覚える。(←ここは曖昧です) 

そして、彼には、上品さと美しさがあり、ハーモニーを奏でているので、バロックスタイルの音楽がとてもマッチします。なぜならバロック音楽には、エレガンスと攻撃性(強さ)があり、同時に安らぎもあるからです。だから、彼の良さを際立たせます。彼のためのミュージックリストには、たくさんのバロック音楽があるんです。バッハ、ヴィバルディ…。

 

私は、演技中の昌磨の表情の中でも、

この数年の“静ひつさ”を表現する表情は秀逸だと思っています。

 

 

ステファンに言われてみると、4回転ジャンプに入る前のバリバリに加速している場面でも、超絶技巧を組み込んだステップのときも、

「うりゃー、頑張ってます」みたいな表情はなかったな、と。

「只今、神殿を建設中ですが、何か?」みたいな感じですよね。鬼気迫る表情のときはありますが。

 

建設中につきご迷惑をおかけいたしております。

 

コラントッテDVDの中の昌磨の言葉「いい写真ですね。珍しく僕にしては。試合中なのに、ちゃんとすました顔してる」からすると、

本人も、この表情を気に入っているのでしょうか。

 

話は変わりますが、私は、「スケーターの表情=表現力」とは、必ずしも感じません。

それよりも、体全体の表現から醸し出されるものに、“表現力”を感じます。

全身のストレッチとリンクした表情にも引かれます。

 

かつて、キム・ヨナさんが、常に苦しそうな表情で演技をしていて、それが「表現力あり」と評価されていたのが納得いきませんでした。

 

同じく、コミカルな曲だからといって、無理におどけた表情をされるのも正視できません。

大ちゃんの『道』のときぐらい、全身の動きとリンクしたナチュラルな表情なら楽しい気分になりますけど、無理やり目をキョロキョロさせたり、頬を膨らませたりされると、見ているこちらが恥ずかしくなってしまいます。

 

今シーズン、キム・チェヨン選手のSP『リリー・オブ・ザ・バリー(谷間の百合)』が大好きだったのですが、あれは、無表情も演技の一部で、“無表情の凄さ”ってものがあったと思う。

でも、世界選手権では、SP、FP共に笑顔が組み込まれており、がっかりしました。

きっと、「PCSを上げるために、もっと笑うように」って指導されたのかなぁ、と。

 

西洋の審査員には、東洋の凄み、美は理解しがたいのだろうか。

うーん、でも、ステファンは、ちゃんとわかっているな。

それか、審査員としては、笑顔を表現力として評価しやすいのだろうか。

とにかく、ステファンが、昌磨の表情について話していたのは、昌磨の凄さについての新しい発見になりました。